CLK講座 線路敷設アレコレ❷軌道構造と勾配区間
前回レール塗装について解説しました、今回は塗装した線路の敷設準備工程です。
【TMS表紙を飾ったレイアウト】
★軌道構造
線路敷設に関しては当社従来線事例を断面図で紹介しました。 これは木製基台・天板前提で、スタイロフォーム基台には適用できません。 本講座では基台素材に係わりなく使える敷設法を提案し解説します
【過去記事より転載】
スタイロフォームは細かな隙間がある素材で、バラスト粒が入り込む可能性があり、固着用ボンド水を際限なく吸い込むので、どう敷設してるのだろうと疑問に思ってました。
経験者『一読者』さんから『ボール紙を敷いた上に敷設』の情報を頂戴し、成程と思いました。 また『バラスト固着でメクレが出るが再接着でOK』ともあり、スタイロフォーム上に敷くボール紙は0.5t程度と解りました。 0.5tならボンド固着でメクレが出ます。
そこで本講座ではメクレ防止と強度安全余裕を見て、商品名『板目表紙』の0.8t板紙を使う事にします。 強度が必要な構造材には使用してませんが、厚さ管理が必要なスペーサー(例:4枚重ねで3.2mm)等、レイアウト製作素材として常用してる板紙です。
左ジオコレキット箱紙0.5t、右板目表紙0.8tで、表裏共に白くボンド水でふやけたりしない事から、水分が沁み込み難い表面処理がされてる様です。
本講座基台は木製基台でも中央駅エリアをスタイロフォームで30mm嵩上げするので、結局スタイロフォーム基台と同じ敷設法を採用します。 スタイロフォーム上に0.8t板紙を貼ってユニトラックを敷設します。 コルクシート天面が路盤でレール天面まで600mmです。 中央駅構内は線路だけでなくホーム・駅舎設置部分を含めて全面板紙を貼ります。
当社従来線は高過ぎるユニトラック道床を画材用2mm厚(高級品で高価)コルクシートで5mmにしましたが、当講座では1.5mmコルクシートを2枚貼り重ねて4mmに低くします。 1.5mmコルクシートは百均でB4サイズ2枚¥100のの安価な製品です。
中央駅構内を出外れた単線区間は、板紙を30mm幅に切り出して貼ります。 レール塗装で例示したS248+S62直線レールで解説します。
レール固定には百均で入手可能な両面テープを使います、0.14mm厚で板紙と合わせ設計図より全体を1mm近く(正確には0.94mm)高く敷設します。
テープ間隔はユニトラック基準寸法の62mm、S62は両端をS248は両端と中間3ヶ所の5ヶ所で接着固定します。 両面テープ台紙は白色で解り難いので、黒色マーカーで着色を試みましたが、表面がツルツルで上手く色が乗りませんでした。
表面テープ台紙を剥し塗装済レールを接着しました、ユニトラック道床幅は24mmなので、片側3mm板紙が出ています。
板紙の上に1.5mm厚3mm幅のコルクシートをボンドで接着します。 1枚接着乾燥したら、もう1枚貼り重ねます、道床肩傾斜があるので、幅は約4.5mmになります。 中央駅構内1/2番線間は複線間隔33mmなので、1枚目が9mm幅、2枚目が約12mm幅になります。
★曲線勾配区間
設計案線路配置の勾配区間はほとんど曲線です。 曲線勾配区間の線路敷設は難しく、その困難さを簡単な例で解説します。
板紙を路盤に見立て、赤青2本の90度曲線レールと黒の枕木模式図を描き水平に置きます。 路盤も枕木も水平で、レールも水平です、ここではカントを考えません。
次に奥下に30mmキューブ材を挟み板紙(路盤)を傾け登り勾配にすると、曲線区間の枕木が傾き、赤レールが青レールより高くなり意図せぬカントが付いてしまいます、下り勾配では反対の事が起こり逆カントにになります。 つまり、曲線勾配区間の路盤は平面ではなく捻じれており、常に枕木が水平に向きを変えながら階段状に登る形になってるのです。
ではどうするかですが、先に昔ながらの方法を解説します、曲線勾配線路敷設ベースを設置する方法です。 R282/45度曲線レールを敷設する30mm幅のベースで、剛性が必要なので基台側面板・背景板支持に使った4mm厚合板の残材から切り出します。 このベース板を45度角度を振った柱に取り付け、その上にユニトラックを敷設するのです。
ベース固定柱は30mmキューブ材です、上図の様に1mm厚2mm幅プラ材を片側裏に貼ると、天面が1/28勾配で36‰になります。 これを高さ調整スペーサーを介して立て、ベース中央を木ネジで柱に取り付けます。 次の柱は8mm高く、4mm合板2枚追加で高さ合わせします。 緩和勾配境界部は0.5mm厚2mm幅プラ板を張れば、1/56勾配18‰になります。
【KATO HPより】
現在は曲線勾配区間敷設の便利グッズがあります、KATOサブテレインです。 伸縮・折り曲げ自在の発泡スチロール製で、曲線半径に合わせ設置すれば、常に枕木が水平になる曲線勾配線路敷設ベースが出来上がります。 軽量で手間いらずなのでお薦めします。
【KATO HPより】
40‰用と20‰用の2種があり、40‰用・20‰用の長さを11%伸ばして設置すれば、講座作例の本勾配36‰と緩和勾配18‰になります。 サブテレイン上に前記板紙製曲線勾配線路敷設ベースを接着してユニトラックを敷設します。 左右両端の出っ張り部分やデッキガーダー橋下からの上り勾配で風景製作の邪魔になる部分は、接着固定後に切除します。
勾配区間の線路敷設ベース設置まで来ましたが、まだ敷設できません。 曲線区間にカントを付ける事で実感が大きく向上するからです。 その解説が次回になります。
ではまた。














