KATO小型レイアウト製作講座 線路配置設計❶
★開講の辞
本講座ではKATOユニトラックを使用して、定尺サイズ小型レイアウトの線路配置設計から基台製作、ストラクチャやシーナリー製作法、照明組み込み、制御装置までの全てを解説します。 TOMIXから逃げ出せない方に『KATOで作れるんだ』と理解していただく事を目的にします。 数十回の長期連載シリーズになりますが、よろしくお付き合いください。
【TMS表紙を飾ったレイアウト】
やると決めた以上は早く進めたいのは山々ですが、実際に製作される方への責任がありますし、魅力的な設計でないと、その気になっていただけません。 レイアウト設計には時間が必要ですので、当面週1回毎週金曜日更新で進めますので、ご承知おきください。
★KATOユニトラックの基本知識
最初にKATOユニトラックの解説です、覚える必要はありません、TOMIXファイントラックに慣れ親しんだ方に、相違点を理解してもらえれば結構です。
【通販サイト製品紹介ページより】
TOMIXは基準寸法70mmで、その整数倍直線レールが用意されてるのに対し、KATOは基準寸法62mmで、その整数倍の直線レールが用意されてます。 TOMIXのS140は車輛1両分で解り易いですが、KATOは半端な寸法です。 最下段S64は15度傾けた直線距離が62mmになるポイント周辺寸法合わせ用レールです。(勿論直線レールとしても使えます)
【通販サイト製品紹介ページより】
TOMIXの20m車走行基準曲線半径は317mm、最小曲線半径280mmです。 KATOの20m車走行基準曲線半径は315mm、最小曲線半径282mmと近い値ですが、複線間隔がTOMIXの37mmに対し、KATOは33mmと狭くなってます。 今回の設計では曲線半径282mmを使います。 ちなみにKATO複線間隔33mmも実物よりかなり広く、Pecoは27mmです。
【通販サイト製品紹介ページより】
KATOポイントには4番と6番がありますが、分岐角度はどちらも15度です。 4番ポイントは分岐側がR481/15度と同じ今回使用ポイントで、6番ポイントはR718/15度と同じですが、今回は使用しないので説明を省きます。 4番ポイント直線側は62mm倍の124mmでなく、2mm長い126mmになってます。 複線間隔を実感に近付ける工夫があるからです。
【ユニトラックS60レール左右】
4番ポイント分岐側両側に直接レール接続する事はできません、どちらか一方に道床を切り欠き干渉しない様にしたS60レールを使用する必要があります。 基準寸法倍124mmより2mm長いポイントと、2mm短いS60の組み合わせで全長を合わせ込んでます。
【通販サイト製品紹介ページより】
4番ポイント使用角度15度の線路配置事例集です、S60組み合わせ使用で全て62mm整数
倍に収まります。 複線間隔の33mmはS64斜めに1本加えて49.5mmに広がり、26mm幅のローカルホーム設置可能、2本加えると66mmに広がり42mm幅近郊型ホーム設置可能になります。 以上、線路配置設計する際の参考情報として掲載しました。
★線路配置設計の前に
お座敷運転のオーバル型レールセットを基台に固定しただけでもレイアウトと言えますが、それでは面白くありません。 小型レイアウトなので、最初に複線を諦めましょう。 何故なら複線は使用予定R282レール外側にR315レール敷設が必要で、単線の2.5倍のスペースを食い潰します。 定尺サイズでは複線エンドレス折り畳みもできず、30秒弱で1周の変化に乏しい線形になり、固定式レイアウトの醍醐味を楽しめません。
【KATOユニトラック紹介ページより】
また複線にすると2列車運転をしたくなり、製作費用が嵩み、苦手な電気技術のハードルが高くなり、始めての小型レイアウトには向かないからです。 すれ違いや追い越しは魅力的ですが、運転者は一人なので一方の列車は手放し周回運転になります。 ここは複線は諦めていただき、単線でも運転を楽しめる固定式レイアウト設計を目指したいと思います。
★駅構内線路配置設計
レイアウト基台サイズはサブロク定尺、905mmx1810mm、材料利用効率が非常に良く、立掛け収納にも都合が良いサイズだからです。 レールはユニトラック道床付き市販品のみを使い、フレキやスライド禁止です。 この基台の線路敷設限界位置は下図の通りです。
ユニトラック線路幅は24mmで、車両幅は19.33mm、カーブで車両が膨らむ余裕込みで、線路敷設は基台端から線路中心まで最低15mm空けなければなりません。
R282カーブ上に駅を設置するのは非現実的なので、直線区間に設置するとして、駅構内長は、最大1216mmです。 ユニトラック線路敷設例に従い2線式駅を設計しました。
【対向式2面2線駅】
上限値より100mm短い1116mmの対向式ホーム2線駅ができました。 駅有効長は620mmで4両分+αです。 S124をS186に替え、更に端数レールS36を加えて延長すれば、上限値にピタリで5両編成停車可能ですが、余裕ゼロでは線形工夫できないので、4両に抑えます。
【通販サイト製品紹介ページより】
620mm駅構内直線は、単線レール2本敷設と、複線レール敷設があります。 複線レールの方が敷設が容易で精度が高くなりますが、コンクリート枕木なので、他部分と色が異なってしまいます。 一方単線レール2本敷設は線路間凹みの処理が課題になります。
【中山平駅構内側溝設置例】
当社従来線では双方採用しており、単線レール敷設の中山平駅構内はローカルホームセット付属の側溝で穴埋め(紙粘土穴埋めでも可)、複線レール敷設の生野駅構内はレール・道床塗装で色合わせしてバラスト撒布してます。 性能差ないのでお好みの方法でどうぞ。
【島式1面2線駅】
2線駅には対向式ホームの他に島式ホームもあります、島式ホームの方が接触限界間距離が長くなり、ED級電機やDE10牽引客車4両編成まで走行可能になります。 駅構内線路配置設計の基本パターン2案を示しました。 これで終わりではありません、余裕100mm使ってどの様に魅力アップするかが次のステップです。 その前に次回は基本2パターンに使える市販品駅舎とホームについて解説します。
ではまた。












