Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Wさんレイアウトで遊ぶ③やればできる!?

お楽しみにと期待持たせて引っ張るのも嫌なのでシリーズ続編を連投します。 Wさんからサポート依頼受けたのが12月10日頃、線路配置助言も欲しいの追加依頼を受け、ブログ記事化了解を得て作業開始しました。

【鉄橋脇の保線小屋】


4.大どんでん返し
Wさんレイアウトで遊ぶ①プロローグ公開の12月24日には線路配置設計完了しており、図面作成して1月3日公開続編執筆に掛かってました。 Wさんに公開日通知してませんでしたが、年末の忙しい時期に拙ブログを読んでくれた様でメールが届きました。

返信と情報提供が遅れたお詫びと共にアッと驚く内容が記載されてました、ユニトラックで使用ホームは何とTOMIXローカルホーム、しかも入手済なのです。 KATO近郊型ホームのY字型上屋が気に入らず、TOMIXホームの雰囲気がイメージに合ったからだそうです。

松重豊さん出演名刺管理システムTV CMのセリフ『それ早く言ってよ~』です。 ユニトラック島式ホーム幅26mmまたは42mm、TOMIX適合外の筆者記事読んだら慌てるの無理ありません。 Wさん多分文系人間です、理詰めの理系人間にはこんな無茶できません(笑) 線路配置で悩むのも当然です、レールとホームの設計思想がバラバラですから。

【生野駅3・4番線ホームバードビュー】
でもWさんの選択を責める事できません。 KATO近郊型ホームY字型上屋が気に入らなかったのは筆者も同じ、2mm狭いGMローカルホーム検討してNG、上屋だけ移植したのでホーム先端雨に濡れるの許容してます、ファイントラック用TOMIXは考えもしませんでした。


筆者とWさんの違いは理屈の枠内で考えたか、感性に従ったかの違いに過ぎず、文系/理系どちらが優れてるとか言う話ではありません。 しかし困りました通常敷設で66mmになるユニトラックをホーム幅差分狭い61mmにしないとTOMIXローカルホーム使えません。

年末線路配置検討結果図面を送ったWさんから返信がありました、機関区入出庫線追加案がWさんが考えてた『やりたい事』にジャストミートした様です。 こう言われて『ではTOMIXホームを捨ててKATOとGM購入し、組合せ使用してください』とは返せません。 Wさんには『チョッと待って考えてみるから』と伝えました。


5.ユニトラックをTOMIXホームに適合させる
5-1.やって見なきゃ解らない!
何とかしてあげたいという気持ちはあっても成算がある訳ありません。 

でもね、こんな突飛な組み合わせ使用検討これまでした事ありません、年寄の説教じみて恐縮ですが、駆け出しエンジニアの大昔に恐~い先輩から言われた言葉を思い出しました。

コレ至言だと思います、技術分野に限らずその後の筆者サラリーマン人生で乗り越えてきた様々な場面で正にその通り、筆者も後輩にこのフレーズ何回か使わせてもらいました。


5-2.案ずるより生むが易し
兎に角やってみるしかありません、エライ事に首突っ込んでしまったという後悔よりも新しい事にチャレンジするワクワク感の方が勝ってました。

条件③を除き前回と同じですが、①の特殊レールは必要なら作ってもらうしかないと考えました。 どうなる事やらのスタート、まずは3-4番線間をどう61mm化するかからです。

クロスとR718間のS64を何mmにすれば良いかの計算結果は44.6mm、KATO90度クロス用端数レールS45.5と0.9mmしか違いません。 S64をS45.5に置き換えて計算した3-4番線間隔は61.2mm、分解能0.5mmの筆者線路配置ツール作図結果は61mmでOKです。

更に好都合な事にS64⇒S45.5変更で移動する4番線直線開始点移動量は片側18mm、両側36mmで端数レール使えます、作図だけでは心配で数学的検証しましたが0.05mm誤差で無視できます。 丸でTOMIXホーム使える様にKATOが端数レール用意してるみたいです。 この結果は15度クロス含むWさん中央駅構内線形に留まらず、大きな意味を持ちます。

【ユニトラック追加で有効長自由自在】
ユニトラック遣いの方はお気付きかと思いますが、ユニトラック既製レールだけでTOMIXローカルホーム使用可能なのです。 端数レール使用効率悪いですが、Wさんの無茶と筆者設計コラボが新しい用法提案になりました。


5-3.Wさん事例基本線形の検討
いくら想定外対応で特殊レール使用OKにしても、特殊レールが多ければフレキの方が楽になってしまいます。 それが既成レールだけで1-4番線敷設可能、上々の滑り出しです。

5番線は4番ポイントからS60にS29加えてR718接続すると4・5番線間がピタリ33mmになりました。 さすがに横方向は既成レール対応できずS44が必要です、ただし基本形なのでこの表記にしましたが直線区間なので5番線にS88を1本用意すればOKです。


6番線はWさんメールから機関区入出庫線設置が確定的なのでR718とR481組込み必須、5.6番線間61mmにするにはS21が必要と解りました。 S21はユニトラック敷設で大量余剰になるS60非切欠き部加工で作れます。 道床加工が面倒ですが、S21一方は電気設計でギャップ設置位置なので、ジョイナーなし突き合わせ0.5-0.7mm間隔でもOKです。 直線区間はこれもラッキー、S64で2mm誤差修正で右端が揃いました。


5-4.Wさん中央駅構内線形の提案
TOMIXローカルホームに対応するWさん6線駅のユニトラック敷設は、5番線のS88と5・6番線間のS21x2本以外は既成レールでOKの結論になりました、個人的に120点の出来です。

機関区入出庫線設置が確定的なので6番線単一30度カーブ化検討は省略しました、TOMIXホーム基準寸法140/280mmで図示してます。 筆者好みの貨物側線はS36追加で1番線との間隔61mmになり、TOMIXホームを140mmオフセット設置の前提で図示しました。

多分これがWさん採用最終形になりますが、6番線R718を6番ポイントに置き換えた機関区入出庫線設置線形で、6番線間距離はユニトラック51mmから47mmに短縮してます。 機関区入出庫線も幸運な事に、特殊レールなし既成レールだけで敷設可能です、200点(笑)

前図右上に仮置きしたS124Uは筆者アイディアの三重連用で、Wさんに大変気に入っていただけました。 ギャップ・フィーダー等は電気制御で解説しますが上記流れで前補機2両三重連の連結開放が可能になります。

右方はKATOホーム前提と同じ機関区設置線形例です。 2番線は左方と同じY字ポイントもアリですが、別線形でホーム140mm延長、駅舎のある1番線だけホーム有効長2両分長くするのも運転列車自由度確保で良いと思います。 これで難問解決、やればできる!です。

【当社生野駅空撮】
線形設計したWさん中央駅(通過線7線)は当社生野駅通過線5線、留置線2線と同じ線数になりました。 生野駅の給水給炭詰所(線間72mm)がホームに置き換わった線形ですが、2-3番線、4-5番線間33mmと狭く、ホーム幅も狭いので貨物ホーム設置しても450mm幅に収まりそうです。 この写真手前から奥の駅前ビルまで450mmです。


電気設計サポート前の大仕事になりましたが、Wさんに大変喜んでいただけました、高齢者にとって誰かの役に立ってるという実感は生き甲斐になり嬉しい物です。 それにWさん選択がユニトラックxTOMIXホーム用法開発と言う思わぬ成果を生みました。 筆者一人でこんなバカな(失礼!)検討絶対しません、ブログ通じた出逢いのファインプレーでした。


ではまた。

×

非ログインユーザーとして返信する