Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-Gテスター動作確認法②

[2020/02.12改訂]・・・青字部分追記改訂しました。
前回の続きです。

【下り列車到着】


2-3.三角波発生回路
この試験もテスターは直流電圧計測モード(DC V)で使います。

黒プローブをGND端子、赤プローブを次の3ヶ所に接続して電圧を計測します。
①NJM4580DD7番ピンに接続されたジャンパー線。
②NJM2403D6番ピン。
③NJM2403D2番ピン。

(改良部品配置採用の場合は1⇒7番、2⇒6番、3⇒5番ピンと読み替えてください)

12V/3A電源①~③計測結果は全て5.76V、電源電圧の47.1%でした、矩形波出力電圧より若干低ければ5-6VならOKです。 ①~③が同電圧でない場合は必ず半田付け不良があります。

以下から不良箇所を発見し補修後同電圧である事を確認してください。
①電圧計測したジャンパー線右側。
②上図長丸で囲ったジャンパー線3本の両側。
③NJM2403D6番ピン及び2番ピン足。


三角波発生回路出力計測結果が、前項矩形波出力(6.2V)より若干低い(5-6V)計測結果でない場合は正常動作してません。

以下から半田付け不良または半田ブリッジ箇所を発見し補修後再確認してください。
①NJM4580DD1番ピンに接続された2.7kΩ2本のリード線。
②上図赤長丸で囲ったジャンパー線2本の両側。
③NJM4580DD6番7番ピン足。
④上図黄長丸で囲った10kΩ及び0.01μF(103Z)リード線の両側。

(改良部品配置採用の場合は1⇒7番、2⇒6番、3⇒5番ピンと読み替えて該当箇所を確認してください)


計測結果が5.76Vになる背景説明の為にオシロスコープ計測波形を使います。

正常動作時は矩形波を積分した三角波が出力されてます。 作例は2.1V-9.2V間の三角波で、テスター計測結果は実効値5.76Vを表示してます。
[註]2.1Vと9.2Vの中間はi5.65Vですが、三角波の微少な歪みで5.76Vになってます。


前項と同じく16V/3.75A電源でも計測しました。

計測結果は8.10V、電源電圧の48.9%でした、矩形波出力電圧より若干低いのは12Vと同じです。

16V電源正常動作時は2.9V-12.8V間の三角波が出力されており、テスター計測結果は実効値8.10Vを表示してます。 正常動作してない場合の症状と対処法は12Vと同じです。


2-4.速度・常点灯調整ボリューム組立
速度調整ボリュームと常点灯ボリュームを使って、出力回路速度調整が正常動作する事を確認します。 その前に・・・。

回路図はあっても始めて部品に触るAさんにはどうすれば良いか解りませんので、ここで接続法を解説します。 基板に実装されていない赤点線四角内の2部品です。

①使用する小型ボリューム3端子を回路図に対応するとこの様になってます。
②ボリュームつまみを反時計回り一杯に回し速度調整ゼロ側にします。 反対方向にすれば左利きの方用に速度調整逆回転も可能です。(高速側・低速側配線が逆になります)
③中央端子がVcompです、左端子(表から右)間が100kΩ側なので高速側、基板の電源側に接続します。
④右端子(表から左)間が0Ω側(計測値0.7Ω)なので低速側、常点灯ボリュームに接続します。

写真の通り配線します。 解り易い様に速度調整100kΩボリューム電源側に赤、Vcompに灰のリード線を半田付けしました。 常点灯調整50kΩボリュームは中央端子とGND側端子を接続するので、被覆を長く剥いた黒のリード線を半田付けしました。
[註]いずれの配線も微少電流なので電流容量を気にする必要はありません。


正しく配線されてる事をテスターを抵抗計モード計測で確認します。
①赤と黒リード線にプローブ接続し常点灯ボリュームを回して、約100kΩから150kΩに変化する事を確認し、確認後常点灯ボリュームを反時計回り一杯に戻してください。
②灰と黒リード線にプローブ接続し速度調整ボリュームを回して、0から約100kΩに変化する事を確認し、確認後速度調整ボリュームを反時計回り一杯に戻してください。


2-4.出力回路
組み立てた速度・常点灯調整ボリュームを使い出力回路の動作確認をします。

DCジャックプラスとボリューム電源側(赤)を電源入力へ、DCジャックマイナスとボリュームGND側(黒)をGND端子へ、Vcomp(灰)をVcomp B端子へ半田付けします。 最終完成位置と異なりますが、ブロック毎に動作確認する為この様にしてます。

Vcomp AとVcomp Bには自作LED室内灯で不要になった0.8mm真鍮線廃物利用でピンを立てました、基板穴にピタリ入る太さです。

テスターを直流電圧計測モードにしGND端子と電源出力にプローブを接続します。 12V/3A電源を接続して速度調整ボリュームを回し、おおよそ回転角度1/4~3/4の範囲で0V~電源電圧(16V仕様も同じ)まで連続的に計測値が変化すれば正常です。


初期値が電源電圧または速度調整ボリュームを回して0Vのまま変化しない場合は、半田付け不良または半田ブリッジがあります、以下手順で確認補修してください。

電源出力に接続されていたテスタープローブをチェックポイントに繋ぎ替え、速度調整ボリュームを回して計測します。
A.電源電圧のまま変化しない場合:
以下から不良箇所を発見し補修後 Bの様になる事を確認してください。

①NJM2403D1番ピン足、及びジャンパー線の両側
②電源に接続された33kΩリード線の両側
③トランジスタ2SC1815の3本足。


B.速度調整ボリューム回転に合わせ電源電圧から1V未満に変化する場合:
上記Aは正常です、上図オレンジ四角2SA1359周辺に半田付け不良個所があります。 電流容量強化部の半田ヒゲショートにご注意ください。 不良箇所を発見し補修後 出力回路が正常動作する事を確認してください。

次に速度調整ボリュームVcompをVcomp BからVcomp Aに繋ぎ替え、A CHの動作確認を同様に行います。 チェックポイントと確認箇所は上図の通りです。


2-5.速度調整回路及びゼロ調整
速度・常点灯調整ボリュームを最終完成位置に取り付け動作確認とゼロ調整をします。

速度・常点灯調整ボリューム配線半田付け端子にもVcomp同様に0.8mm真鍮線のピンを立てました。 写真右は前項A CH出力回路に続き、速度調整回路動作確認、ゼロ調整を完了し、ボリューム配線とVcompをB CHに付け替えた状態です。

速度調整ボリュームを回し、出力電圧が0Vから電源電圧まで変化する事を確認してください。 0Vまたは電源電圧のままの場合は速度調整回路に半田付け不良があります

各CHゼロ調整ボリューム(203)足3本と、周辺に配置された抵抗3本両側から半田付け不良箇所を発見し補修後再確認してください。 なお出力電圧が変化するのにゼロ調整ができない場合はオレンジ部ジャンパー線が半田付け不良です。

速度調整ボリュームを反時計回り一杯、常点灯ボリュームを反時計回り一杯から約30度(目盛1/10)回し、ゼロ調整ボリュームを回して微電圧出力がないギリギリの位置に調整します。 遊び設定は好みですが、温度変化を考慮するとこの程度の余裕が必要です。


写真はゼロ調整後常点灯ボリュームを回し出力1.5Vの状態です。 公開したHyper-G設計記事は全て23.5Ωダミー負荷条件でした。 基板単体は2.7kΩ、4.5mA/12Vの軽負荷ですが、安定出力最小電圧約0.5V、1.5Vでは理想形に近い矩形波出力でした。 


★お知らせ
2回に渡り解説した『テスター動作確認法』で正常動作すると思います。 開発者/推奨者責任として、拙ブログ記事を参考に部品調達しHyper-G製作に挑戦された方のサポートをできる限りさせていただきます。 正常動作しない場合は、コメント欄へ連絡先添付(非公開)の上状況をお知らせください。


ではまた。

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