鉄の履歴書-15 自作ブレーキハンドル
高校生になって昂進したレイアウト熱を癒すには資金が必要でした。 1年冬休みから親の許可を得て長期休暇毎にアルバイトを始めました。 時給100-120円でしたが、部品や車両を増やすには十分な収入になりました。 比較的安価なスロ(リクライニングの特ロ車、51?)、ナハ10、ナハフ10を手に入れ、オハ35と合わせ急行編成にしました。
【生野南中通学路】
雑誌記事を参考にパワーパックを改造して「脈流スイッチ」を取り付け、ロッドの動きが見えるスロー運転を楽しみました。 セレン整流器を半波整流にしてPWM的効果を出す方式ですが、モーターがかなり唸りました。 いつかは自作トランジスタコントローラで実感的運転を楽しみたいという思いが、電気工学への進路を決めたのかもしれません。
更に実感的にとこだわって自作したブレーキハンドルです、自信作だったので残してありました。 握りは鍋の取っ手か何か、レイアウト素材になりそうな物は何でも貯め込んでいました、例えば鉛筆削りのカス、ジオコレも植物素材もなく自作する時代です。
ハンドル本体は取っ手に木材削り出し部品をつなぎ、先端部は裁縫糸ボビンにビス止めして、加工したフィルムケースをかぶせています。 底にUFO型の穴を空けてあります。
ハンドル受け部です、ラッカー空缶を糸鋸で加工した本体に、16番車軸を加工して割りピンを入れた軸をワッシャを介して中心に取り付けてあります。 割りピン部がUFO形の穴に嵌合する仕掛けです。 缶内径とフィルムケース外径が丁度良い寸法でした。
裏側は真鍮製ギアを缶底に半田付けして軸受にしています。 ブレーキ回路用ボリュームとジョイントか虫ゴムで連結して作動させる設計でした。 100W半田ゴテでこれでもかと半田を盛ってあります。 現在でも開放から停止までスムースに回転します。
組み合わせた状態です、実物同様停止位置でハンドルを取り外せます。 ハンドル取っ手から先と受け部は鈍い光を放つ金黒で塗装する計画でした。 ロータリースイッチ軸取付用マスコンハンドルも製作しましたが、気に入らず整理時に処分されてしまいました。
コントローラを製作しなければ無用の部品ですが、将来の夢に向け今できる事は何かと、真剣に考えていたのは事実です。 御座敷運転用電源でも製作し活かさないと、昔の自分に申し訳ない様な気がします、技術ある、時間ある、お金も何とかなる範囲ですから。
ではまた。