昨日3月21日の最高気温は+1℃、あと少しで真冬日の寒さでした。 今朝の予想最低気温は-10と真冬並み、暑さ寒さも彼岸まで何て『嘘だろ~』と言いたくなる気候です。
1963年鉄道の話題最終回は北海道・東北・甲信越編です。
◆北海道編
動力近代化の波は北海道にも押し寄せてました。
北海道の蒸機牽引急行列車は2本にまで減っており、その内の1本『大雪』が5月一杯で廃止されてます。 最後の蒸機『大雪』の札幌駅出発式の様子です。 花束を受け取る手前から機関士、車掌、食堂車ウェイトレス(面白いですが食堂車消えるからでしょう)、その奥は札幌駅長でしょうか。 キャブ窓から顔出してるのが機関助士だと思われます。
その翌日、DC急行『はまなす』が『大雪』に名称変更されました。
根室本線は滝川-釧路間が本線で釧路-根室間は花咲線と呼ばれ支線扱いでした。 札幌-根室直通急行『阿寒』が誕生し、その出発式です。 キハ27系5連とあり、1等車含む3両は釧路止まり、根室行は2両です。 エンジン1基DCで狩勝越えできたのでしょうか。
『エルム』は季節限定の全席指定臨時準急列車として函館-札幌間で運転してました。
北海道最古の客車が準鉄道記念物に指定され、その寄贈式のニュースです。 所有者は定山渓鉄道、コロ1の形式名から小型軽量2軸車で、3等級時代の2等車だったと解ります。 若い頃覚えた客車自重のコホナオスマカや、貨車積載量のムラサキがまだ残ってます。
◆東北編
仙台電化が完成し盛岡へ向け工事が進んでた時期で、電化関連の話題が届いてます。 その前に1963年開業路線として三江南線/会津線/日南線/指宿枕崎線/岩日線/能登線の6線を紹介しましたが、もう1線ありました。
10月15日に阿仁合線阿仁合-比立内間が延伸開業し、鷹ノ巣駅で祝賀列車出発式が行われてます。 国鉄自身の責任と言うより政治の責任ですが、地元選出議員の顔を潰さない為に莫大な国費の無駄遣いだったのは明らかで、命を縮める新線建設になりました。
5駅13kmの延伸開業です。 阿仁合線の救いはその後角館まで全通し、秋田内陸縦貫鉄道として現存し、三江線/岩日線/能登線の様に全廃されて無駄に終わらなかった事です。
仙台で電車基地の建設が進んでました。
153系ベースの交直両用451系が前年登場し、主電動機をパワーアップした453系がこの年に臨時急行『みやぎの』で運用が始まりました。
客車急行だった『あおば』も電車化されてます。
電化されたので電車区増設だけで良さそうですが、仙台客車区も新設されてます。 既存施設が狭かったか、構内電化が難しかったのでしょう。
急行『みちのく』は上野-青森間常磐線経由の昼間急行で、食堂車が併結されてました。 このニュースからすると、仙台-平の非電化区間はそれまで蒸機牽引だった様です。
◆甲信越編
甲信越と一括りに言われるのでその順番に従い山梨からです。
この時点の中央本線は甲府-上諏訪間電化工事が未完成でした。 急行はキハ58系、新宿-甲府間準急『かいじ』に165系が先行投入されてます。
除雪車の分解整備の珍しい写真です。 飯山線森宮野原は日本一雪深い駅として知られており、飯山線や信越本線長野以北、更には北陸本線まで出張する冬に向けた準備です。
整備完成写真があって始めて前写真がロータリー式除雪車と解ります。
この年の信越本線電化前はキハ58系2連の乗入れでした。 電化後165系に置き替えられたので、その最小編成単位3両で試運転が行われてます。
営業運転は10月ダイヤ改正からです。 大幹線以外特急が走ってなかった時代に東京から最速新鋭車両急行列車が片田舎の温泉町に直通するのは、さぞ誇らしかったと思います。
鉄道P誌裏表紙は大手私鉄広告が多かったのですが、長野電鉄も頑張ってます。 ここにも自動車化の波が、長野電鉄が上野から志賀高原直通バスを運行してます。 特急バスと銘打ってますが、関越高速道も上信越道もない時代、所要時間は9時間前後でした。
長野から県境越えた新潟でDC準急が増発されてます。 信越本線電化で余剰になったDCと思いきやキハ55+キハ26です。 翌年松本電化で信州の急行はキハ58系から165系に大きく様変わりしました。 信州のキハ58系はその後どこへ流れて行ったのでしょう。
以前ブログに書いて、現在は復元され梅小路に保管されてますよと教えていただいたC51 239が準鉄道記念物に指定されてます。 新潟教習所教材として内蔵見せてた姿から、梅小路に旧お召機として栄転する間にこのステップがあったのだと納得できました。
上越線は信越本線より先に電化され、前年から特急『とき』が運転されてました。 しかし急行『佐渡』は客車編成のままで、ようやく165系に置き換えられました。 『これでも急行か』の悪口があったという事は、1/2等車のみで食堂車もなかったのでしょう。[完]
ではまた。