Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

原則中2日更新移行1年を経過して

昨年秋、楽しいハズのブログがあまり楽しくないばかりか少々苦痛になってました。 開設以来継続した隔日更新負荷が重く、新たに始めた趣味俳句との時間配分に苦労し、精神的にも追い詰められた状態でした。

【2019.11.01更新記事】
昨年10月末80万アクセス到達を契機に原則中2日更新に移行し1年が経過しましたので総括します。 それにしても毎日や週4-5回更新される方のパワーには圧倒されます、書くのが好きでネタに困らず、エンジョイされてるなら羨ましい限りですが、かつての筆者の様に更新プレッシャーで無理されてる方も居るのではと、まっ、自分で決める事ですけどね。

【始発列車】
何~て事言いながら中2日移行告知に『工作記は進んだ分だけ、記事ボリューム確保の為に頑張らない』って書いたのに、切りが悪いとつい頑張るのは何も変ってません(笑)


中2日で変わったのはIN/OUTポイントが約2割減りランキングが下がっただけ、所詮1週間で消える泡の様な物です。 猫飼ってるのでペットブログなら家の子スターにしたいと薬物に手を出す心情多少は理解できますが、鉄道ブログに蔓延る中毒患者達にはウンザリです。 心の貧しさ晒して読者遠ざけるブログに何の意味があるのでしょう?(個人的感想です)

【対前年比較】
何でも分析的に見るのが性癖になっており、この1年とその前の1年を比較しました。 完全中2日なら更新数2/3ですが、実績は時々隔日があり3/4の75%、それでも前年9ヶ月分で1年賄った訳ですからスゴイ事です。


最初の11月結果からアクセス数横這いなら万々歳と考えてたのですが、対前年比113%、月間3万ペースに伸びました。 これには『まとめページ』の内部SEOによるアクセス数増加効果が含まれてると思います。

【2019.11-2020.10月間アクセス数】
昨年12月から順次『まとめページ』を発行し、それ以降月間アクセス数が増加してる実績がそれを証明してます。 元々拙ブログはレイアウト電気関連技術技法データベース的に読まれてると思われ、『まとめページ』は全て電気関連記事をテーマ毎にまとめた物です。

【錦秋の諏訪湖】・・・10/29撮影
1年前ムラゴンマイページ週間アクセス数TOP50には、更新半年未満の最新記事が10件程度でしたが、今年の10月末には14件に増えてます。 最近半年にグーグルお薦めに掲載され多数のアクセスを頂戴した数記事が引き続きランクインしてるからだと思われます。


TOP50更新半年以上36記事中『まとめページ』とリンク記事が31を占めてます。 レイアウト製作記なのに製作記事人気は今一つ、まあ不器用で目の悪い老人の工作では参考にならないかもしれませんね(苦笑)

【中山平】
今回が通算860回目の更新です。 もう1年少々で次の節目千回更新、その頃には通算アクセス数150万に達するでしょう、その先のブログ継続モチベーション維持をどうする?と考えると自信ありません。 まっ、その時はその時考えますか、俳句も面白くなってきたし。



★この時期の庭仕事
毎年この時期定例の庭仕事があります、冷え込みがキツクなり庭土が凍り始める前にやらなくてはならないチューリップの球根植付けです。

早目に花を摘み取り太らせた球根を6月に掘り上げ、色毎に網袋に入れてストックヤードに保管してありました。 植えっぱなしだと新しい球根がどんどん地中深く潜り込み、毎年綺麗に咲かせる事が出来ないからです。


定番の赤白黄色に加え、ピンク・オレンジ・パープル、グラデーションもあります、堀り上げ時に混色した病気と育ちの悪い球根処分しても総数200以上、一日仕事になります。

球根彫り上げたチューリップ畑には晩生枝豆を撒き10月初旬に収穫しました。 3ヶ所の畑を耕して肥料を入れ下準備、ここは多数派の赤一色で植付け準備が整った処です。

耕して柔らかくなった土に15cmほどの蛸壺状穴を掘り底に球根をしっかり植付け最後に土で覆います、浅いと凍み上がる時期に地表まで球根が押し上げられてしまいます。


間もなく立冬、11月句会は冬の季語です。 コロナ騒ぎで冬の季語『マスク』は一年中使って良いと変わりました。10月句会提出句から一句。
ハロウィンやカーテンレジのマスク魔女  ロフト


ではまた。

TOMIX腕木式信号機の切替制御 まとめ

腕木式信号機のTOMIX推奨条件は、コンデンサ充放電エネルギーが切替必要パワー下限値4.32倍、切替波形有効パワーが下限値6-7倍のオーバーパワーと解りました。 ハイパーポイント電源ポイント切替同等か以上のストレスで寿命に悪影響が出ると考えてます。 

シリーズ最後のまとめとして、TOMIX腕木式信号機の動作確実性と長寿命を両立させる用法について解説します。 なお推奨用法は可能な限り追加実験で検証しますが、採否については自己責任でお願いします。


8.TOMIX腕木式信号機の高信頼性用法
8-1.純正SWを使わずレイアウト組込の場合
操作性を優先しトグルSW切替で腕木式信号機をレイアウトに組み込む場合は、切替確実性と長寿命を両立可能な当社延伸線仕様コンデンサ切替式をお薦めします。

推奨回路は以上の通りで、ポリスイッチは低電圧駆動で最適品がなく使いません。 ただし安全に長く使う為に、以下3点を遵守してください。
◆アルミ電解コンデンサは以下推奨の高信頼性品を使ってください。
◆定位(停止表示)がコンデンサ放電になる様に配線してください。
◆レイアウト電源切断時には腕木式信号機を定位にしてください。

電源は9V/1.5A以上が使用可能、秋月調達なら上記を推奨します。

アルミ電解コンデンサはサイズ優先なら上記を推奨します。

筆者はコレを採用します、低コストでポイント切替との共通化狙いです。

【『TOMIX腕木式信号機の切替制御 その3』より転載】
TOMIX推奨条件サイドコネクター切替時の約1/3、コンデンサ切替下限値の2.2倍パワーになり、動作確実性と長寿命を両立できます。


8-2.純正SW使用の場合-1
純正SW使用時長寿命化策の一つは、直流低電圧駆動です。

【『TOMIX腕木式信号機の切替制御 その2』より転載】
従来線改修は7V採用ですが、触った事ない電子部品回路製作は抵抗があると思いますので、市販ACアダプター使用可能な6Vをお薦めします。 自社7V採用での6V推奨は奇異に聞こえると思いますが大丈夫なのです。

単動なら6Vで下限値1.5倍以上でOKですが、2ヶ所の連動マージン確保の為に7Vを採用しました。 従来線改修工事時に連動含むSWボックスは7V、単動のみSWボックスは6Vにして切替特性データを公開予定です。

電源は6V/1.1A以上が使用可能、秋月調達なら上記を推奨します。

出力コードを切って被覆を剥き、芯線プラスと平編み線マイナスを半田付けします、半田付け方向により定位/反位切替レバー位置が変わります。


-3.純正SW使用の場合-2  連動のススメ
前項で6V直流駆動を解説しました。 長寿命化は良いけれどACアダプター調達や半田付けも面倒くさい、もっと簡単な方法はないかという方に腕木式信号機連動をお薦めします。

サイドコネクター出力で従来線連動信号機切替時の駆動波形です。 8-1.項コンデンサ切替推奨条件の1.5倍切替パワーで確実性OK、ストレスはTOMIX推奨条件の半分になります。 オン時間不定粗悪SWなので3回目の計測で画面からはみ出さない48msecになりました。

面倒な事一切なし、サイドコネクターにポイントコントロールボックスN-Wを装着し、腕木式信号機2基を接続して連動させます。

交換駅なら場内/出発信号機を連動させます。 列車交換ない場合は一方が不要な進行表示になりますが、双方距離は離れており写真/動画撮影に問題はなく、むしろSW数削減による操作性向上効果があると思います。

優等列車が走る幹線通過駅なら場内/通過信号機を採用したらいかがでしょうか。 通過信号機は場内信号と共に前方出発信号表示を事前告知する信号なので実物も連動してます。


9.総括
従来線信号機が始めて破損し延伸線建設を決めた2016年から、いつかTOMIX腕木式信号機電気特性を定量的に解析し、最適制御法開発が必要と考え今回ようやく実施できました。


TOMIX推奨サイドコネクター腕木式信号機切替は信頼性(寿命)に悪影響与える程オーバーパワーで、1/3のパワーで十分な切替確実性が得られると解かりました。 推奨条件は64PSで十分な軽自動車に200PSエンジン積む様な物で、適正化による改善をお薦めします。


★余話
連動のススメ書く前にTOMIXがすでに推奨してるかもと調べました。

【TOMIX HP情報より加工】
使用例に掲載された用法はポイントコントロールボックスN-W開発コンセプトの様です。 ハイパーポイント電源必要な注記もなければ、腕木式信号機連動に使え長寿命化可能な事にも触れてません、ご存じない様です。
用法①:個別制御
N-W必要なくN-Sで可能、1出力遊ばせて置く用法です。
用法②:待避線両側連動制御
制御機器サイドコネクターでは確実動作せず、別売ハイパーポイント電源が必要です。
用法③:片渡線連動制御
同上。
用法④:両渡線制御
同上、後でハイパーポイント電源必要と知るお客様をどう考えてるのですかTOMIXさん。

【TOMIX HP情報より加工】
上記用法③はハイパーポイント電源が必要、つまり制御機器装着可能なポイントコントロールボックスN-Wが切替パワー不足で使えないとTOMIX自ら認めてます、アホ臭いですね。


TOMIX腕木式信号機の切替制御シリーズを露太本線ブログINDEX-1:Nゲージポイントに追加収録しましたのでお知らせします。


ではまた。

TOMIX腕木式信号機の切替制御 その4

前回腕木式信号機コンデンサ切替制御開発実験で信号機破損事故を起こし意気消沈気味です、9V電源が手元にあったので実験を開始します。

【月夜の中山平】
新たに設置した従来線南基台のテープLED部分照明は、ストラクチャ照明と同電源別SWでオンオフ可能です。 夜景にしてこの部分照明点灯すると、レイアウト北部が薄っすら明るくなり月夜の雰囲気になりました。


5.切替必要パワー下限値の計測 コンデンサ切替編(cont.)
16番用ポイントマシンダミー負荷をTOMIX腕木式信号機に繋ぎ替えます、単動/連動双方あるので単動信号機で試験します。

SW切り替えても腕木式信号機は全く反応しません、また破損?とドキッとしましたが、オシロスコープ切替波形出力見てホッとしました。 ダミー負荷よりソレノイド抵抗が高いので電圧低下がゆっくりになってます。 ピーク9.4Vで切替可能下限電圧の倍近くあっても4.8V以上4.2msecでは切替必要パワーが不足し無反応になってます。

そこで1000μFにもう1個1000μFを並列に付け2000μFにすると、パチパチと百発百中で切り替わりました。 容量2倍で充放電時間2倍が理論値ですが、4.8V以上は4.2msec倍の8.4msecでなく7.8msecでした。 また1000μFでのピーク9.4Vは9.2Vに低下してます。

1000μFと2000μFの間に切替必要パワー下限値容量があると解りました、手持ちコンデンサ組合せで以下容量を計測します。 右下3300μFは今回出番がなさそうです。
◆1800μF:1000μF+470μF+330μF 3個並列
◆1660μF:1000μF+330μF+330μF 3個並列
◆1470μF:1000μF+470μF 2個並列
◆1330μF:1000μF+330μF 2個並列

実験結果は以上の通り、コンデンサ切替式は切替パワーが一定、かつ腕木式信号機はポイントと異なり切替必要パワーが一定で非常に再現性が高く、10回試験全て同じ結果でした。


Peco/KATOポイント切替試験より再現性が高いのには驚かされました。 これはトング等を動かすポイントより負荷が軽く、ソレノイド特性がそのまま出るからと考えられます。

TOMIX腕木式信号機切替時には、可動部永久磁石がソレノイドに引き寄せられて当たる「カチッ」と、リンク/矢羽根動作「チッ」の2種類の音が重なって聞こえます。 上表の様に10/10切替可能でも容量で動作は異なり、切替必要パワー下限値容量1470μFと解りました。

切替必要パワー下限値1470μFの切替波形はピーク9.2V、4.8V以上6msecでした。 偶然の一致かもしれませんが、サイドコネクターポイント切替波形8.58V以上も6msecでした、TOMIX製品ソレノイドは切替可能電圧を6msec以上超えないと応答しない様に見えます。


6.TOMIX推奨条件は適正か?
延伸線仕様決定の前にTOMIX推奨条件を検証します。 本シリーズその1ではTOMIXサイドコネクター切替特性にポイント切替波形を代用しました、実は腕木式信号機切替一度もやってません。 それでは比較評価できないのでTOMIX推奨条件波形観察を実施しました。

固定したTOMIXポイントSW取り外しに手間が掛かり後回しになりました、先に実施してれば破損事故を防げたと思います。

ピーク10.7Vでポイント切替と変わらず、4.8V以上時間は切替必要パワー下限値9V/1470μF時6msecの5倍近い29msecでした。 4.8V以上の切替波形面積(=有効パワー)は下限値9V/4700μFの6-7倍に達し、かなりオーバーパワー状態と波形からも解ります。


コンデンサ充電エネルギーは高校物理で学習し、以下の式で表されます。 直流駆動で4.8Vだった下限値がコンデンサ切替式は9V/1470μFと解りましたので、この式で比較します。

【コンデンサ充電エネルギー比較】・・・容量はmFで計算してます。
コンデンサ充電エネルギー計算結果は切替必要下限値の4.32倍でした、ソレノイド非作動領域(無効電力)を除いたオーバーパワー度は更に拡大し波形推計で6-7倍です。 ソレノイド巻線仕様等が不明なので推奨条件の信頼性影響は不明です。


4.32倍の数字見て連想したのはギリギリ切替しかできないポイントを力技4倍パワー24Vで捩じ伏せるハイパーポイント電源です、で、筆者結論。

何と言ってもトップメーカー推奨条件なので数百回切替で壊れる事はありません。 ただしハイパーポイント電源自体が応急絆創膏的後出しジャンケン製品で、常に同等か以上のストレスに晒される腕木式信号機が通常工業製品保証並みの寿命5万回以上とは思えません。


当社従来線では6.25倍使用条件で2/8基(ストレスの軽い連動4基除く)破損しました、推定切替回数千回前後です。 TOMIX推奨条件寿命は不明ですが、切替必要パワー下限値の2倍前後(通常設計条件)で使用すれば最低1万回以上の寿命があると筆者は考えてます。


★参考:破損事故時のコンデンサエネルギー
ピーク電流2Aでの断線事故でしたが、1回だけ切り替った動作の検証です、計算すると、1/2x1x12.8x12.8=81.9で、切替必要パワー下限値62.2を越えてました。


7.延伸線腕木式信号機コンデンサ切替仕様の決定
実験結果とTOMIX推奨条件検証結果に基づき、延伸線腕木式信号機コンデンサ切替仕様を9V/3300μFに決定しました。

9V/3300μF仕様は切替必要パワー下限値の2.25倍です、2700μF/1.84倍の選択もありますが、入手容易なアルミ電解コンデンサはE6シリーズ(10/15/22/33/47/68)で、手持ちがある3300μFを選択しました。 TOMIX推奨条件約半分の充電エネルギー、1/3のストレスでピーク電流も少なく、切替確実性と信頼性バランスを両立する駆動条件だと思います。

確認試験で出番なしと思ってた3300μFを使います、Pecoポイント切替試験用50V耐圧品でデカイですが、本番は低耐圧小型品を使います。

腕木式信号機はカチッカチッと気持ち良く切り替わります。 ピーク電圧9.2Vは変化なし、4.8V以上は切替必要パワー下限値6msecの2倍強13msecになりました。 これで実験目的①~③完了、次回まとめとTOMIX腕木式信号機採用者への情報提供④を行います。


ではまた。