Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

国鉄黄金時代回想録⑨ターミナル駅今昔

随想連載で一向にレイアウト製作ブログらしくない状態が続いて申し訳ありません(汗) 本シリーズは東北地方を終了し、さて次をどうするか、関東?関東甲信越?括り方が難しく、とりあえず東海道/中央本線を除く関東上信越でスタートする事にしました。

【1964年9月時刻表復刻版】


4.関東上信越編
東京起点方面別に括ったらどうかと考え、東京のターミナル駅について考えてみました。
4-1.消えたターミナル駅
東京のターミナル駅と言えばまず東京駅、そして存在感は低下しましたが上野駅もまだその機能を果たしてます。 当時の新宿駅は中央本線と小田急箱根へのターミナル駅でしたが、成田空港開港NEX運転開始から守備範囲を広げ、現在は伊豆方面や東武日光方面優等列車始発駅になってターミナル駅機能がより大きくなり、今後下がる事はないでしょう。


また当時は山の手都民乗換え便宜を図る為に一部の急行と準急停車駅に過ぎなかった品川に新幹線駅が設置され、リニア始発駅になると新たなターミナル駅機能を発揮するでしょう。 そんな中1960年代のターミナル駅で,、その機能を完全に喪失したのが両国駅です。

【1960年代の両国駅航空写真】・・・国土地理院DBより
当時の両国駅は上野駅の規模を小さくし左右反転した配置で、下側高架2線の国電ホーム、上側地上部分に4線の総武/房総方面列車始発ホームがありました。 その奥にはかなり広いスペースの留置線や貨物扱い所がありました、現在国技館/江戸東京博物館の場所です。

ターミナル駅両国を支える機関区は新小岩にありました。 東京の反対側に8620/C57が居た訳ですが、住んでた目黒から見ると隅田川の向こうは特別な用事でもなければ行く事のない遠い場所でした。

歴史を紐解いて見るとターミナル駅両国黄金時代は90年前の昭和初期、次第に地盤沈下してたのが、総武/房総地区気動車集中投入とDC優等列車増発により、1960年代は消えゆく前の最後の輝きを放った時代でした。 現在は総武線快速が通過するただの各停停車駅です。

現在の両国駅付近地図】・・・国土地理院DBより
現在の両国駅付近は旧終端ホームの場所から総武快速線が隅田川の下を潜り、東京駅地下ホームへ向かってます、そして終端線が1本残ってます。

【両国駅3番線ホーム】・・・ウィキペディアより
それが3番線ホームで定期列車発着はなく、イベント会場や団体列車用に利用されてる様です、大相撲観戦ツアー列車が使うのかもしれません。


4-2.総武/房総方面の旅
東京生まれ育ちで近いのにNEX除くと、この方面への鉄道旅は3回しか経験ありません。

【拙ブログ2020.06.02更新】
初の総武/房総方面の旅はこの記事の1961年夏、千葉まで国電で10系気動車に乗り換え両国始発ではありませんでした。 目的地は東浪見、大網で進行方向逆転の記憶があります。

【1964年9月外房線時刻表 午後分】
ほとんどのDC普通列車が千葉始発で接続国電時刻掲載ですが、外房線午後に4本の直通列車があります。 準急『外房4号』は新宿始発で秋葉原停車、『外房3号』『外房5号』と勝浦行221レ蒸機列車の3本が両国始発です。 進行方向逆転する大網停車時間が長くなっており、221レは11分停車、機関車はどうしたのでしょうか。

【1960年代の大網駅航空写真】・・・国土地理院DBより
両国駅付近航空写真を使ったDBで確認すると千葉方面は緑矢印、東金方面がオレンジ矢印、外房方面は黄色矢印で進行方向逆転でした。 駅構内拡大しても転車台見当たらず、新小岩8620かC58が本務機では逆推進運転は困難、交替機関車が待機してたのでしょうか。

【現在の大網駅付近地図】・・・国土地理院DBより
東金⇔外房直通列車がないので、現在は駅舎位置を変更してY字型駅になってます。 このDBで昔の空撮画像眺めるのが楽しくなり、同様な駅舎変更した塩尻も眺めてみました。

【1960年代の塩尻駅航空写真】・・・国土地理院DBより
中央下に旧塩尻駅、右下新宿方中央東線。直進する左下が名古屋方中央西線、上に伸びるのが松本方篠ノ井線です。 当時は中央東西線直通列車が少数運転されており、名古屋⇔松本/長野間は塩尻で進行方向逆転してました、スイッチバックではありません。

【現在の塩尻駅付近地図】・・・国土地理院DBより
現在は中央西線⇔篠ノ井線直進線路を追加し、塩尻駅が移動してこの様になってます。 団体専用列車用旧線を1本残しデルタ線になってます。

【1964年9月成田線時刻表部分】
2度目は1963年正月。3日ではなかったかと思います。 中学で知り合った鉄仲間と上野からC58牽引823レで成田へ初詣に出掛けました。 この上野発蒸機列車は1970年代初頭まで運転されてた様で通常はC57、代替機C58で、何故かC57には縁が薄かったです。

【1964年9月常磐線時刻表部分】
順番前後しますが上野⇔我孫子間は本線列車なので国電駅は汽笛鳴らし通過です。 時刻表の昼行急行『陸中』はDC『みちのく』は客車編成、電化された平までの準急『ひたち』と普通列車は電車、そして水郡線準急『久慈川』併結水戸行準急『ときわ2号』はDCです。


国鉄変化発展途上の様子が見えるカオス感がこの時代の時刻表の魅力で、パターン化した最近のダイヤは読む楽しみがありません。 解り易いのは確かでそれで十分ですが(苦笑)

【内房線海水浴臨時列車】・・・鉄道P誌より
両国始発唯一の乗車経験が3度目1966年、前回紹介した東北旅行前に級友と行った内房勝山海水浴1泊旅行で利用した蒸機列車『勝山海水浴号』でした、この写真の1年後です。 前回東京オリンピック時に上野/両国にはまだ蒸機の煙があったと思うと何だか痛快です。


4-3.東京ターミナル駅今昔
消えたターミナル駅両国を肴に総武/房総方面の旅を振り返ってきましたので、東京の他のターミナル駅について当時と今を見てみましょう。
◆東京駅
まずは東京駅、現在から遡ります。

【2020年の東京駅航空写真】・・・国土地理院DBより
左端に皇居お堀、中央左に東京駅、右上日本橋アングルの現在の姿です。 当時の東京駅は1-15番線、八重洲側に2面4線、16-19番線を新設して新幹線開業しましたが、現在どうなってるか全く解りません。 最後の利用は2009年八戸業務出張の際でした。

【2020年2月時刻表より】
従来線/新幹線再配分では足らず1/2番線高架化工事を2000年前後実施したのは知ってましたが、現在在来線10線、新幹線10線まで拡張してるとは知りませんでした。 地下ホーム加えて28線とはスゴイ物です。

【2020年の東京駅航空写真】・・・国土地理院DBより
部分拡大すると高架1/2番線の下に3/4番線が隠れてるのが解ります。 またホーム上屋長で国電11両220m、在来線15両300m、新幹線16両400mの列車有効長差が良く解ります。

【1960年代の東京駅航空写真】・・・国土地理院DBより
1960年代後半の航空写真の様で、東京駅構造は変わってますが、2本の新幹線ホームがありますし、首都高速建設後で大きな変化ありません。 全体に建物が小さい程度です。

【1950年代の東京駅航空写真】・・・国土地理院DBより
更に10年遡ると70年前です。 東京駅に新幹線ホームはなく、右上日本橋も首都高速に上空を塞がれる事なく見えてます、早く発展した首都中心部の差が解るのは大昔です。


◆新宿駅
次に上野駅と思ったのですが、航空写真で見る風景変化も地上駅部分の変化も少ないので割愛する事にし、新宿駅を見ます。

【2020年の新宿駅航空写真】・・・国土地理院DBより
左に副都心高層ビル群、中央右に新宿駅、右下新宿御苑アングルの現在の姿です。 2004-2010年単身赴任で高層ビルの一つが職場だったので馴染みの街です。 当時いつ終わるとも知れなく続いてた駅改修工事が終わり、現在は駅半分以上がビルの下に隠れてます。

【2020年2月時刻表より】
一番下中央・総武緩行下り線は1960年代から長らく10番線でした。 現在16番線になってるのは1-6番線がそれ以降割り込んだからです。

【1980年頃の新宿駅航空写真】・・・国土地理院DBより
新宿は変化が大きかったので段階的に40年前1980年の姿を見てみます。 駅に覆い被さるビルはなく、左手高層ビル群完成は1/3ほど、都庁ビルは敷地確保だけで建ってません。

【1960年代の新宿駅航空写真】・・・国土地理院DBより
1960年代、駅に大きな変化ありませんが左手は淀橋浄水場で、この跡地が高層ビル群になりました。 左下に見える2基の丸いのは初台の伯母の家に行く際に見た大型ガスタンクで、現在の球形でなく円筒形タンク周囲を鉄骨櫓が支えるレーダーサイト状の建造物でした。


実家からも環状6号線南にあった同形状ガスタンクが見えましたが、貯蔵量でタンクが上下し、貯蔵だけでなく圧を掛ける機能もあった様です。 『三丁目の夕日』には欠かせない時代を感じさせる背景でしたが、1970年代初頭に姿を消した物の一つです。


◆国土地理院DB・・・無断リンクを控えます
今回記事に使用した航空写真並びに地図データは皆さんもご覧になれます。 筆者が住む昔山だった片田舎は1978年頃と2007年しかありませんが、実家東京のデータは戦前からあります。 昔の我家、生まれ育った家や当時の空撮写真を眺めるのは楽しいですよ。  


ではまた。

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