Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

ユニジョイナー経年劣化発覚!

人生に三つの坂有りという言葉があります、『上り坂』と『下り坂』そして『まさか』だそうです、その『まさか』が当社で発生しました。

【日に1本の特急がやってくる】
『アレーッ、変だな~』が発生したのは、湖南電源が完成し当社従来線生野-中山平間レール磨きをして試験運転の際でした。 『何か速度上昇がゆっくりだな』と思ったら。

右手本線から画面中央中山平駅端ポイント通過し、構内線電気区間に入るギャップで速度が急に上昇したのです、これまで発生した事がない現象です。 本線フィーダーから電気区間端のここまでのユニジョイナー接触抵抗による電圧低下が疑われます。 線路敷設以来間もなく8年、ユニジョイナー接続信頼性には良くない噂もあり、これは調査が必要です。

従来線電源は非PWMですがマスコン/ブレーキ制御で速度計付きです。 ノッチ1で最高速になるまで放置し、生野-中山平間本線フィーダー線路で電圧計測すると6.99Vでした。

その時の制御盤はブレーキオフ、マスコン1、速度計はSLモードで78Km/hでした。 ノッチ1最高出力電圧設計値6Vに比較し1V高いですが、無負荷なので高電圧が出力されてます。

中山平駅端ポイント近くで計測すると6.98V、0.01V違いますが実際は最小桁がパラパラ変動しており変化なしです。 通電不良は発生してないと確認できました、問題は無視可能だったジョイナー接触抵抗が経年劣化により速度に影響するほど上昇してる事です。

ならば抵抗値を計測すれば良いとフィーダー線路をクリップジャンパーでショートし隣のレールで抵抗値計測すると0Ω導通でした、当り前ですが1歩1歩の確認が重要です。

で、先程の中山平駅端ポイント近くで計測すると表示が安定せず計測不能でした。 そこで給電距離半分弱の小川鉄橋で計測した処、やはり表示が安定せずシャッターが切れた時は4.1Ωでした。 0Ω導通でないのは事実ですが、計測値は過大で信頼できず意味を持ちません。 どうもこの安物テスターでは10Ω未満の微小抵抗計測が正確にできない様です。

試みに小川鉄橋からジョイナー2ヶ所フィーダー寄りの南基台奥で計測すると0Ω導通、この区間に問題あるのは間違いありませんが、ジョイナー接触抵抗は負荷電流で変化する可能性が高いので試験法を変更しました。

生野-中山平間フィーダーは生野駅端ポイント先のS62Fのフィーダー線路で、構内側はポイント開通方向へ給電し、給電距離は1番線が1.47m、留置線が1.83mです。 中山平側給電距離は2.80mでKATO推奨4m未満に対し余裕あるので補助フィーダーは設置してません。


中山平-笠松及び笠松-生野間は約9mの駅間距離なので各2ヶ所のフィーダーから給電してます、生野-中山平間も2ヶ所にしてあれば今回の問題は発生せず、と言うより見逃してたハズです。 発生したのを幸い、起きてる事を解析し対策を講じたいと思います。

実使用条件に合わせた負荷試験を湖南電源設計時に使用した抵抗ダミー負荷を使い実施します、抵抗値19.5Ωなので12Vでは0.62A、1M7連室内灯装備編成相当の負荷になります。

19.5Ω負荷を中山平駅端ポイント付近にクリップで取り付けました。 抵抗の発熱で道路が溶けない様に、フィギュア台座取付用キューブ材をスペーサに流用してます。

フィーダー線路部の電圧は6.51Vで解放電圧6.99Vより0.5V弱低下しました。 この差は電源出力トランジスタ損失増加とフィーダー線路までの配線抵抗損失を加えた物です。 

次に抵抗値計測で異常値を示した小川鉄橋、給電距離1mで計測すると5.69V、フィーダー線路から0.82Vの大幅低下です。 ここから中山平まで大きな変化なければ鉄橋右側ジョイナーの接触抵抗増大が原因で一件落着なのですが、そうは問屋が卸しませんでした。

次のチェックポイント野立看板前計測値は5.13V、小川鉄橋から0.8mで更に0.5V以上の電圧低下です、どうやらどこか1ヶ所の問題ではなく、複数個所同時多発問題の様相です。

電気区間端に近い給電距離2.55mのタミー負荷接続した測定点の計測値は4.36V、フィーダーから2.15Vも低下しては速度上昇鈍いの当然です。 また野立看板から0.75mで0.7V以上の大幅電圧低下、どうやら給電距離と電圧低下の関係は一定ではなさそうです。

その関係を表にまとめると以上の様にバラついてます。 この結果からジョイナー接触抵抗増大は1ヶ所でなく数ヶ所、というよりほとんどで発生し程度もバラバラの様です。

では急に速度上昇した中山平駅構内線は何V?という疑問が生じ、負荷抵抗付け計測ました。 結果は予測に反し5.86V、生野-中山平フィーダー線路6.51Vより0.65V低い値です。 この差は制御盤からフィーダー線路までの配線長差による抵抗損失しか考えられません。 それでも直前区間の4.36Vと1.5V差ですから速度急上昇は至極当然の結果です。

念の為負荷抵抗外すと6.99Vで生野-中山平フィーダー線路解放電圧と同じ、やはり配線抵抗です。 フィーダー配線には1.5A容量線使ってますが、線路敷設時は配線して走らせて体感できる異常なければOK、車両負荷時電圧計測して確認する人はまず居ないと思います。

これから線路敷設ならジョイナー半田付けが最善策で延伸線ユニトラック敷設部は追加工します。 でなければ補助フィーダー多数設置の予防措置がありますが従来線には適用できません。 発覚したのはこの場所でもユニジョイナー接触抵抗増大は全線で進行してます。 問題が発生し、何が原因で何が起きてるか解りましたが、さてどう改善するか・・・です、


★湖南電源検収試験落第!
業務提携先の湖南総合運転所様から受託した湖南電源、先日納品しましたが検収試験をパスできず落第!、送り返される事になりました。

【『がおう☆』さん4月2日更新】
納入仕様未達の問題点3件と、使用して解った改修要望点1件です。
◆問題点-1:保護回路非動作
出荷検査で電源出力端ショートで動作確認しましたが、フィーダー配線、レールの抵抗込条件は未確認でした。 KATO Hyper-Dの鋭敏な動作が使い難かった経験から、少しダルな応答性にしたのが裏目に出た様です。
◆問題点-2:蒸機常点灯ができない
今回拙記事のユニジョイナー経年劣化が関係してそうです。 従来線上で出荷確認し狭いが実用範囲と判断しましたが、電圧低下で常点灯域がある様に見えてた可能性が高いです。 どちらにしてもTOMIX N-1001-CLに劣るなどプライドが許しません、改善します。

◆問題点-3:蒸機(ロコモード)層時計表示が非現実的
速度計表示が高過ぎる原因は色々考えられますが、低過ぎるの指摘で???です。 現品確認して何が起きてるか解析するしかありません。
◆改善要望点:ノッチ3-5の加速が早過ぎる
これはチョイ変で改修できます、何たってお客様は神様ですから(笑)


ではまた。

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