Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

FさんのHyper-G製作サポート記③

FさんのHyper-G製作サポートは前回で完了です、動作確認と三角波レベルシフト改造、トランジスタ破損発見交換しました、基板返送すれば独力で完成できるからです。 今回の実態は『FさんからHyper-G設計改善サポートを受けた記』です(笑)

Fさん製作基板は三角波基準電圧がLレベルに大きく影響する事を教えてくれました。 上はラフなシミュレーションですが、三角波基準電圧33kΩを選別しないと、多分10人に1人は動作確認で悩んだり、100%性能発揮できない結果になると推定されます。

【三角波レベルシフト改造完了のFさん基板】
その選別基準検討には、三角波Lレベルが非常に低いFさん製作基板が非常に貴重なサンプルになります。 FさんにHyper-G設計改善目的の追加実験許可を求めた処、「お役に立つならどうぞ」と快諾をいただきました、大変ありがとうございました。


一番知りたいのは写真16列のオペアンプ③ピンから電源に接続されてる33kΩ、及び16列からGNDに縦付け、今回470Ωを追加した33kΩ2本の実際抵抗値です。


◆Fさんの不運は筆者の幸運
16列と17列の半田を吸い取って抵抗を外しました、470Ωは直列接続のままです。

最初に電源側33kΩを計測すると32.7kΩでした。 GND側がこれより高ければ基準電圧を上げて三角波Lレベルを上げ、低ければ基準電圧を下げて三角波Lレベルを下げます。

次にGND側33kΩを計測するとビンゴ!、0.5kΩ低い32.2kΩでした。 Fさんは全く偶然に100本の33kΩから、かなり高い1本とかなり低い1本を選び、三角波Lレベルが低くなる組合せで使用してたのです。 正にFさんの不運は筆者の幸運でした。

【470Ω追加で電源側と同じ抵抗値!】
従って筆者が行った三角波レベルシフト改造は2本の抵抗値差を補正し、基準電圧を電源電圧50%に合わせ込む作業だったと解りました。 つまり、同じ抵抗値33kΩ2本使えば470Ω不要を意味します。


◆基準電圧は50%よりチョイ高目が最適
470Ω追加で基準電圧50%補正したFさん製作基板は三角波Lレベル1.15V、テスター計測値5.06Vと正常値下限に近い数値でした。 使用オペアンプは多分バラツキの低い方だと思いますが下限の保証はなく、もう少し上げて余裕を持たすべきと考えました。

【在庫33kΩ計測の様子】
それには33kΩバラツキの抵抗値が高い物をGND側、低い物を電源側に使えば可能です。 そこで在庫33kΩから選別しようとしましたが14本しか残ってませんでした。

14本の抵抗値計測結果は以上の通りで、Fさん使用の32.7kΩ/32.2kΩは1本もなく、全てその間の32.3kΩ~32.6kΩでした。

この中から上記2本を選び三角波Lレベルを高くする組合せでFさん基板に取り付けます、計算上は基準電圧が50%⇒50.23%に僅かに上昇します。


◆効果検証
Fさん製作基板三角波Lレベルが1.3-1.4Vになれば、オペアンプがバラついても三角波Lレベルが正常値5-6Vに収まると考えられます。 万一それでも上下に外れた場合は、出力回路余剰470Ωをどちらかの33kΩに追加する今回実験した奥の手が使えます。

選別した2本の33kΩをFさん製作基板に取り付けました。

基本に忠実に非導通試験から、正常値で半田付けは問題ありませんでした。

選別抵抗使用で三角波Lレベルは更に0.2V上昇し1.35Vになりました。

Lレベル付近を拡大しても歪はなく、教科書通りの綺麗な三角波が生成されてます。

三角波発生回路出力テスター計測結果も0.17V上昇し5.23Vになりました。 オペアンプ素性確認できず断言できませんが、バラツキ下限としても上に余裕があり、更に低い物があっても5Vまで余裕があります。


◆まとめ
FさんのHyper-G製作サポートで明確になった事実を、製作法へ反映し記事改訂を予定してます。 今回の実験結果から以下選別法適用を考えてます。

また今回の事例を参考にテスター動作確認法改訂も視野に入れてます。 手元にある湖南電源基板(オペアンプICソケット)でのオペアンプバラツキ検証の必要性判断等悩んでる部分もあります。 まずは急ぐべき内容を処理します、少々時間をください。


◆19.3kΩ様々
追加実験を終了し基板返送したFさんから到着連絡がありました。 その中にこんなコメントがありました。

アララまだ非通電試験異常値、前回書いた私の推論外れてた?、でもトランジスタ破損してた、私が壊した? 謎は謎として残ってしまいましたが、もし摩訶不思議なこの異常値がなかったら、筆者は多分基板送付と解析を申し出なかったでしょう。


そしてFさんが100人に1人の確率で三角波Lレベルが低くなる組合せで抵抗使用してなれれば、三角波基準電圧バラツキ要因を見逃し設計改善に繋がる事もなかったでしょう。 そう考えると技術屋として真因解らないのは残念だけど19.3kΩ様々だと思います。 


◆謝辞
今回はいくつかの偶然と幸運が重なり、Hyper-G設計改善を行う事ができました。 長い時間試験結果に悩まれたFさんには申し訳なく、また快く追加実験依頼を応諾していただき感謝に堪えません、Fさん誠にありがとうございました。[この項完]


ではまた。

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