Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

湖南制御⑥ローカル駅論理設計

支線制御最終回です、持ち越しになってた引込線制御とローカル駅全体の制御論理設計をまとめます。 しばらく使わなかった脳味噌フル回転です(笑)

【生野駅の列車交換】


6-3.引込線制御
それでは最後に残った引込線制御です。 引込線選択SW36に求められる機能を明確にする為、まずSW36がない前提で考えます。

SW32右行、SW33到着、SW34 1番線選択で貨物列車が副本線1番線に到着しました。 引込線にはローカル駅発貨物を積んだ貨車3両が待ってます。 さてどうしたら引込線ポイントを開通させ、機関車に給電して貨車連結できるでしょうか?

最初は1番線選択SW OFFで引込線ポイントを開通させ、駅右方から給電する方法です、推奨操作に外れた結果、信号機が異常点灯するのでこの方法は使えません。

次は左右選択SW32 OFFで引込線ポイントを開通させ、駅右方から給電する方法で信号機異常点灯は解消します。 しかし支線フィーダーブロック2個化で2列車運転可能にしたのに、入替作業中の1列車運転制約は面白くなく、出発信号機青表示も気になります。 この問題解決の為に引込線選択SW36を設置しました。

その操作と制御は以上の通りで、割込み制御で1番線ポイント非開通電気的独立区間にしてF2から給電します、SW34 ONでも問題なく動作しますが、誤操作に備えOFFを推奨します。 勿論1番線出発信号機は赤表示です。

図面化するとこの様になり、電気的にはローカル駅は2/3番線2線駅、1番線はF2の飛び地になっており、F1で支線の同時運転が可能です。 1番線従属フィーダーFJ1は左右接続に加えF2接続もあり、3個のリレーで従属先を切り替えます。

入替作業終了後はスイッチ操作回数が多く、しかも順番指定です。 でもSW33/34/35/36操作をSW32 OFFで行い最後にOFFから切り替える原則守れば大丈夫です。

引込線入替作業終了後のスイッチ操作で『出発』『1番線選択』『右行』になり、1番線右方ポイント本線開通で出発信号機青表示、貨車増結で有効長の短い1番線引込線ポイントに最後尾がかかっても脱線する事なく発車可能になります。


7.支線2列車運転バリエーション
ローカル駅制御仕様打ち合わせで『がおう☆』さんから面白いアイディアが出ました。 本線2列車非操作周回運転させて支線だけで2人で遊ぶ楽しみ方です。 解説済み中央駅発と中央駅行列車交換以外の支線2列車運転バリエーションをまとめておきます。

前項引込線選択SW36設置で可能になった運転バリエーションです。 赤字2点が条件なので、乙さん列車がF2で2番線まで乗り入れ、最初に貨物列車と列車交換も可能です。


また、乙さん列車支線周回線運転中に貨物入替作業しバリエーションAで貨物列車が中央駅に向かう列車交換や、バリエーションBで乙さん列車が先に中央駅に戻り、その際右行でローカル駅経由すれば追越運転になります

乙さん急行列車がすぐ中央駅に戻る運転ですが旅客2列車の追越運転も可能です。 このバリエーションとして、甲さん列車を終着折返し留置で急行運転時間を長くしたり、左行急行到着を待って甲さん折返し列車中央駅に向け出発のパターンも考えられます。


以上の様に単線区間でもフィーダーブロック2個化と従属フィーダー切替制御により様々な2列車運転を楽しめます、操作習熟は必要ですけれどね(笑)


8.ローカル駅の制御論理設計
支線運転制御に関し3回に渡り解説してきましたが、以下疑問に答えてません。 それに回答して本テーマを終了します。
スイッチ類をどう配線すれば良いのか?
コントローラの入力と出力、制御線は何本必要か?
コントローラの制御論理は?(Arduinoならスケッチ設計論理仕様)
コントローラ出力でポイント・信号機・リレー駆動の方法は?
8-1.制御スイッチ配線

5V電源から以上の様に配線します。 ローカル駅選択SW31 OFF時はSW36を除き操作無効です、列車来ない時にローカル駅信号機操作不要なのでこうしてます。 通過選択SW35はSW33両端子ショート、全部で7本の制御信号を出力します。


8-2.コントローラI/O

コントローラには制御スイッチの7本に左右センサー2本を加えた9本が入力されます。 出力はポイント制御7本、信号機8基2灯で16本、従属フィーダー切替7本計30本です。


8-3.制御論理

SW32/SW33/SW34の制御論理は以上の通りです、1番線通過運転はないと思いますが、禁止すると制御論理が複雑になるのでそのままにしてます。 独立制御のSW31と左右各4基信号機機赤リセットセンサー入力制御は省いてます。


最後の記載してないSW36入力時は、1番線選択SW34のH/Lに係らずLとし、F2従属制御用出力を出すだけで、他の制御には関係しません。

【『湖南制御④』より転載】
SW31 OFF及びSW32 OFF(中点)はデフォルトに戻します、念の為再掲します。


8-4.リレーとサーボ駆動
コントローラ出力信号で従属接続フィーダー切替リレー、ポイント切替サーボを駆動し、共に約150mAの消費電流です。 コントローラは建築に例えれば設計事務所で設計と検査はしても現場の力仕事はできません、このシステムにも土建屋さんが必要です。

登場した土建屋さんはHyper-G出力回路の部品変更バージョン、電子回路いじる方は覚えておいて損がない応用範囲が広い回路です。 ただしArduino PWMで走行させる場合はモーター唸り音が発生します。


8-5.信号機点灯
色灯式信号機はLEDで軽い事務作業なので土建屋さん外注不要です。 下表からお好みの明るさを選んでください、実感重視なら下2条件で十分です。

★重要な注意点
①信号機が多い場合は注意
いくら軽作業でも数が多ければ重労働です、Arduino仕様はMax50mAですが、50mA使って良いではなく50mAは余裕なしの限界と読むべきで、30mA以下使用を推奨します。
②アナログPWM出力での信号機直接駆動絶対禁止
アナログの言葉で勘違いされる方が多く、PWM出力直接LED駆動事例を散見しますが、PWMは0V/5Vデジタルなので絶対に止めてください。 LEDが先かArduinoが先かの破壊綱引きになり、筆者が知る事例では先にArduinoが壊れました。 発信者に悪意はなくとも、ネット情報の危うさを示す好例だと思います。


制御ピンが不足しアナログピンを信号機LED駆動に転用する場合は、PWM255/255設定で5V出力にし直列抵抗を付けてください。


ではまた。

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