Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

蒸機常点灯に万歳!

今回は「コンデンサ外し業務委託」「Hyper-G高機能電源完成」「レールクリーニングと走行試験」の3条件クリアで実施可能になった蒸気常点灯写真撮影の話題です。


1.蒸機常点灯夕景

これまで蒸機列車は昼景、またはレール絶縁による客車室内灯・尾灯点灯撮影でHL点灯撮影は不可能でした。 従って夕景・夜景の蒸機は後ろ姿ばかりになってました。

それができる様になり嬉しくて夕景を撮りまくりました。 使用機はHL輝度が向上した長野式集煙装置付きD51、先輪隠すスノーブロワの広軌感軽減効果もグッドです。

たかが小さなライトの点灯/非点灯でも実感には非常に大きな差になります。

蒸機ディテールにフォーカスした1枚です、田舎道の凸凹感も良い味出してます。

トンネルから出る蒸機HL非点灯は間抜けの極み、蒸機とグラマラスなコンクリート擁壁双方が際立つ様に夕陽ライトの当て方工夫して撮影トライ、でも難しい・・・。

ご覧の様に常点灯で後続客車室内灯が十分でなくとも許容レベルで点灯します。 しかし調整はピンポイント、当社は低損失テープLED室内灯でギリギリ実用レベルになり、これで進めますが、通常テープLED室内灯は?、改善策はないか?と考えてみました。


2.常点灯性能向上の方策検討
2-1.写真撮影状態の検証
まず夕景撮影条件の電気特性を検証します。

給電経路が長い鎮守様踏切付近常点灯時の電圧波形です。 
パルス幅約2.5μsec(40万分の1秒)のシャープなPWM波になってます。
モーター負荷でピーク電圧18.5Vと高くなってます、信頼性悪影響がないと言い切れませんが、筆者は常点灯性能重視でこの状態で使用します。 心配な場合は逆起電力保護ダイオード並列に0.01μF追加でピーク値は下がりますが常点灯性能が劣化します。
逆起電力ピークは-1.7Vであり、DC走行試験で後方HLチラツキが発生しなかった事が波形からも確認できました。

この電圧波形にテープLED室内灯損失を重ねて見ると、通常のブリッジダイオードを使用すると損失が0.9V増え、輝度が半分近くまで低下する事が解りました。 写真の低損失テープLED室内灯でも許容限ギリギリ、やはり無理そうです。


2-2.常点灯性能向上策
KATO蒸機常点灯性能向上策があります。 電気的には確実ですが手間がかかり、筆者は自分のウデと相談して実施しませんが技法として紹介します。

KATO蒸機の電気配線は上図の様になってます。 オリジナルは常点灯非対応、モーター並列の平滑コンデンサ除去で常点灯対応になります。

モーター直列にダイオードを2本追加すると、走行開始電圧が上昇して常点灯輝度が大幅に向上し、同時に常点灯調整が格段にやり易くなります。 回路図はプラス側ですがマイナス側でもOKです。

PWMは低速運転でも12V/300mAなので電流容量0.5A以上必要です、秋月調達可能品からの選択がコレ、テンダー内に収納するしかないサイズです。 テープLED室内灯は低損失ショットキーを使いましたが、こちらは損失が大きいシリコンダイオードを使います。

0.3Aで0.87Vの損失です。 この改善策でKATO蒸機走行開始電圧が0.7Vから約1.5Vになります。 常点灯調整範囲が拡大し牽引客車室内灯/HL輝度も大きく向上します。


この対策は在籍蒸気全数に行う必要はありません、常点灯調整電圧が上昇し、最高速度が下がるだけで速度計表示も誤差範囲です。 ただし対策実施蒸機と未対策蒸機は走行開始電圧が異なるので重連運転ができません。

コンデンサ外しを委託加工する無精者ですのでモーター周辺配線を見た事がありません、モーター端子とHLチップ抵抗が直接半田付けされ分離困難な場合は、B案の採用をお薦めします。 HL輝度は従来のままですが、調整容易さと輝度向上を手に入れられます。

という事で、やったぜ蒸機列車常点灯、万歳!


ではまた。

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