Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

Hyper-G高機能電源走行試験 SL編

前回に続きSL編です、DLは常点灯電圧がDC同等でSLと若干加速特性が異なりますが、SLに近いので割愛します。 その前に現物確認で新たに解った事と対策です。


2.常点灯調整範囲が狭い!
①常点灯調整Maxで走行開始せず
前回更新のDC走行試験時にアレレという現象に遭遇しました。

【パネル組込み時の常点灯調整上限値】
設計初期の常点灯調整上限電圧目標値は2.8V-3.0Vでしたが、パネル組込み確認時は2.32Vでした。 オペアンプ交換や常点灯電源発振、その他様々な問題を乗り越えてきた結果で、余裕は少なくても走行開始電圧2Vより高いのでOKと判断しました。

【前回より転載】
ところがDCで常点灯1.5V調整するとボリューム目盛9.0、Maxで走行開始しません。

常点灯調整Maxは1.62V、すぐにピンと来ました、モーター逆起電力です、PWM波Lレベルが0Vでなくマイナスに振れて実効電圧を下げてると推定しました。

この推定の確認は簡単、M車を線路から降ろしT車だけにすれば逆起電力が消えます。 常点灯上限電圧は一気に2.88Vに上昇しました、逆起電力の影響や恐るべしです。 原因は解りました、さてどうするかです。


②設計変更

【『高機能電源⑱』より転載】
常点灯調整は25kΩボリュームに33kΩ2本を並列に加え調整し易い特性にしており、その合成抵抗は9.9kΩです。 常点灯調整上限電圧を上げるには常点灯調整抵抗を高くすれば良く、R62/33kΩを削除すると合成抵抗が14.2kΩに増加します。

そこで常点灯ボリュームに2本並列に半田付けしてある33kΩの1本をニッパーカットしました。 もう1CHと回路完成してる従来線用2CHも同様に修正しました、回路方式が異なるHyper-G本体は問題ありません。 また関連更新を追記修正しました。

対策の結果、常点灯調整上限電圧は1.62Vから2.25Vへ上昇し、Maxで走行開始する様になりました、ヤレヤレです。


③常点灯性能確認
Hyper-G高機能電源は走行開始直前に常点灯調整し使用する電源です、常点灯を低く調整すると速度計表示誤差が拡大するからです。 モーター逆起電力は悪い事ばかりではありません、安定出力最低電圧を下げ低電圧常点灯を可能にします、湖南電源1.3A化の影響確認を含め性能確認しました。

1.5Vでは詰所や街灯りと比較しかなり明るく点灯し、1.2Vも十分なレベルです。

0.9Vはチョイ暗目のOKレベル、0.6Vは常点灯と言える下限値です。

0.3Vは点灯しても実用外、どこまで行ける?と更に下げると安定出力下限電圧は0.2Vでした、これなら1.3A化で多少上昇しても問題ないと確認できました。


3.SL走行試験
DC走行試験と同じく先に解説を読んでから動画をご覧ください。 本項では0.5V常点灯からノッチ1及び2の加速特性を確認します、試験列車はHLが明るいKATO D51長野式集煙装置付き+オハフ33です。


①常点灯
これも予め常点灯調整を行い、ディレクションスイッチONで撮影開始します。
◆DC:走行開始電圧2.0V、停止上限電圧1.6V、試験条件常点灯調整1.5V
◆SL:走行開始電圧0.8V、停止上限電圧0.6V、試験条件常点灯調整0.5V

KATOコアレスモーター蒸機走行開始電圧は低く実用的常点灯は0.5V でした。

オハフ33室内灯はDCの0.6V並みに暗く不満が残ります、旧客らしくて良いかも(笑) 低損失ブリッジダイオード露太本線仕様でこの状態です、通常方式テープLED室内灯では暗くて実用外になりそうです。

昼景でHL点灯確認できますが室内灯点灯は解りません、速度計表示はゼロです。


②ノッチ1加速特性
ブレーキ開放しノッチ1ONすると、瞬時にロッドが動き始め走行開始します。

留置線出口ポイント通過時速度計表示は29km/h、筆者仕様ノッチ1/5Vは貨物列車専用で、湖南電源・お薦め仕様は6Vです。

小川の鉄橋通過時速度計表示は40km/hでした。

鎮守様踏切通過時速度計表示は42km/h、筆者ノッチ1は重連貨物峠越え専用、生野駅2番線を発車しループトンネル出口まで約5m、速度45m/hが丁度良いのです。

走行開始から鎮守様踏切まで41秒、ノッチ1最高速度到達時間は約65秒、この後もジリジリと加速を続け最終的に47km/hになります。 なおSL0.5V常点灯時の調整つまみ位置は写真の様に約2.1になります。


③ノッチ2加速特性
筆者仕様はノッチ2/6V、湖南電源・お薦め仕様ノッチ1/6Vと全く同特性なのでノッチ1特性としてご覧ください。 ノッチ1同様に湖南電源・お薦め仕様のノッチ2は出力電圧が1V違いますので、(7-0.8)/(6-0.8)=1.19となり動画より19%速くなります。

蒸機らしい加速で留置線出口ポイント通過時速度計表示は32km/hでした。

小川の鉄橋通過時速度計表示は47km/hでした。 ノッチ2/7V仕様なら56km/h、蒸機牽引貨物列車はノッチ1、旅客列車はノッチ2の使い方が良さそうです。

鎮守様踏切通過時速度計表示は51km/h、ノッチ2/7V仕様なら61km/hです。

走行開始から鎮守様踏切まで36秒、ノッチ2最高速度到達時間は約65秒、この後も加速を続け最終的に59km/hになります。 ここでまたアレーッ、鎮守様踏切までDCノッチ2と速度計表示10km/h違うのに到達時間1秒しか遅くありません。 個別に見れば違和感ないのですが変です、常点灯調整差の影響なのか何なのか、ヒマ見て調べます。

露太本線Hyper G高機能電源走行試験 SL編
【Hyper-G高機能電源走行試験 SL編】
試験動画です。


ではまた。

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