前回30分の時間差なら、新宿まで料金半分以下の高速バスを選び、E353系に乗る機会がないかもしれないと書きました。　今回はダイヤ改正背景にあるJRの戦略について筆者の見方を書いてみます。（あくまで個人的見解とお断りしておきます）

【2月なのに春霞？】・・・2/26撮影
季節外れの暖かさが続いてます。　山の雪が減り残雪の雰囲気、霞みまでかかり景色だけ見たら、GW前と勘違いしそうです。

【中央高速バス諏訪・岡谷線路線図】
高速バス諏訪・岡谷線は、新宿から八王子まで乗車扱、甲府線がカバーできない甲府昭和から降車扱、自宅最寄りの中央道原は15番目のバス停ですがそれでも30分差、諏訪ICから一般道に降りる上諏訪駅や岡谷駅はJRと1時間前後の差になります。

大回りで割を食う岡谷市民の為に日に数便岡谷IC経由上諏訪行が運行されてますし、茅野駅周辺住民を取り込む為に茅野駅始発もあります。　しかし所要時間ではJRに勝てないのが諏訪圏の高速バスです。　これが松本圏ではJRが非常に不利になっています。

【新宿-松本　あずさ／スーパーあずさ時刻表より】
現行ダイヤの新宿-松本間はE257系「あずさ」2時間46分~3時間1分、E353系「スーパーあずさ」2時間26分~2時間42分です。　2時間半切りは1本だけ、ヨンサントウ時代並みに新宿-八王子-甲府-茅野-上諏訪-松本と停車駅を絞って面目を保ってます。

【中央高速バス松本線路線図】
一方高速バス松本線、新宿バスタ以外の乗車扱は日野だけ、終着松本駅前バスターミナルは6番目のバス停です。　諏訪・岡谷線は特急バス、松本線がスーパー特急バスなのは、松本圏（塩尻・松本・安曇野）利用者をJRから奪う高速バスの戦略です。　新型バスを導入し回数券＋千円でプレミアムシートを用意する心憎い集客術です。

【中央高速バス松本線パンフ】・・・便数も諏訪・岡谷線より多い
2時間半チョイ「スーパーあずさ」、3時間弱「あずさ」に比べ高速バス3時間12分、やっぱり遅いじゃん？、確かに松本駅で見ればその通りです。　でも松本から大糸線・篠ノ井線を利用する安曇野市民には違います。　松本駅乗り換え時間を含めると松本ICから高速バス利用の方が早いのです。　JR駅まで徒歩なら良いですがパーク＆ライド駐車料￥500が必要なJR、利用者無料駐車場がある高速バス、コスト差が更に広がります。

【中央高速バス松本線時刻表より】
塩尻は最速「スーパーあずさ」通過なので2時間半弱、「あずさ」は2時間45分です。　新宿方にみどり湖、松本方に広丘野村バス停があり3時間弱、「あずさ」と時間差ありません、神林、松本ICバス停を使える松本南西部市民も状況は同じです。　その上、八王子まで渋滞なければ降車扱だけなので5-10分ダイヤより早着もしばしばです。

みどり湖、広丘野村利用者駐車場はいつも満杯、増便に合わせ次々と増設されてます。　帰省ラッシュ時のあずさ乗車率が他路線より低いのは、高速バスから満席になるからだと思います。　小仏トンネル30km渋滞でも1時間半程度我慢すれば済むのですから。

【前号より、全E353系全スーパー化でスピードアップするあずさ】
松本圏で高速バスに流れた利用者を呼び戻すにはスピードアップしかありません。　料金は勝負にならず、定時性でビジネス客を繋ぎ留めても、所要時間ほぼ同じで半額以下では一般客は難しいのが実情です。

【とくだ値料金表】
列車／座席数限定格安切符も設定されてますが、35%OFFでも高速バスの1.5倍です。　各駅停車より安い「かいじ切符」で高速バスとの戦い継続中の甲府圏に続き松本圏の戦いが始まります。　スピードアップによる東京滞在時間30分延長を取るか、遊びや食事に使える3-4千円を取るか、JR戦略成否の答えはGWとお盆に出ると思います。

【中央東線から姿を消すE257系】
松本圏高速バス競合により最速2時間23分の看板の為に上諏訪が犠牲になった形です。　下諏訪・富士見は昔の一部急行停車駅から総特急化の際に「あずさ」停車駅になり、本数増に見合う利用客増がなく旧に復されただけと見ています。

恐らく山梨県内でも「かいじ」守備範囲の大月停車や韮崎・小淵沢停車「あずさ」が減るのではないかと思います、まっ、利用しない筆者にはアレコレ言う資格はありません。　でも下諏訪（上下16本から4本に1/4減）や富士見の騒ぎには、車使ってるのに路線バス廃止反対運動に署名する住民と同じ論理矛盾を感じます。［続く］

★アレレ直ってる！

【2/26拙ブログマイページより】
意味のない更新頻度表示は止めて！と苦情言ったらいつの間にか直ってました。
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ではまた。