Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

電源電流容量について考える その1

N車両消費電流計測結果を基に、電源電流容量を検討します。


★小さな春Vol.2
八王子に出掛けた3月2日は好天で、梅が見頃を迎えてました。

我家の梅はまだ蕾が膨らみ始めたところです。(3月9日)

例年梅より10日ほど早い小梅がほころび始め(3月9日)、春は近いと思ったら・・・。

3月11日は南岸爆弾低気圧が雪を降らせ冬へ逆戻りでした。


1.列車消費電流をシミュレートする
実際に非現実的高速走行させるかどうかは別にして、最大電源電圧12Vで電流容量不足や保護回路動作が起きない条件で検証を進めます。


1-1.貨物列車
実在した貨物列車で模型再現したくなる最大消費電流列車は蒸機三重連だと思います。 古くは東北本線奥中山、蒸機末期には播但線D51三重連が有名でした。

【D51三重連貨物列車】
無煙化後はDD51やED/EF級電機重連、EH級電機牽引の2M貨物列車が想定されますが、消費電流の観点では蒸機三重連3Mで検証すれば十分だと思います。

結果は3M+HL+緩急車(TL込み)で990mA/12Vと1Aをわずかに切りました、貨物列車は緩急車を除き室内灯がないので消費電流では有利になります。


1-2.旅客列車
電源納入先『がおう☆』さんへ最長編成は?と質問すると、トワイライトエキスプレス10連+機関車が答えでした。

【トワイライトエキスプレス】・・・ウィキペディアより
本州内牽引機は電機でも、北海道内は北斗星の様にDD51重連だったと思われますので、その想定で消費電流を検証しました。

室内灯はテープLEDで今後装着予定との事なので、一般的ダイオードブリッジと高電流タイプ市販テープLEDをそのまま組合せ使用する条件で900mA/12V、1Aを切りました。


1-3.EC/DC編成
EC/DC優等列車編成セットは基本セット7連、増結セット4連などを良く見ます。

【1日1往復の露太本線DC特急】
嫁入りした183系グレードアップあずさも7連1Mでしたし、露太本線在籍キハ181系も7連1Mで4%勾配を苦もなく登るので1M6Tは問題ない様です。 増結セットにM車が含まれるかどうか知りませんが、8連以上は2Mの前提で検証します。

在来線特急列車フル編成12連で990mA/12V、これも1A未満です。 湖南総合運転所中央駅ホーム有効長は9-10連の様ですが、より厳しい条件で検証しました(笑)


1-4.意地悪なローカルDC編成
消費電流が厳しくなる意地悪なローカルDC編成を考えてみました。 例えばキハ10系、20系、55系各1M1T2連からなる混成6連です。 分割併合を行う線区で実際にありましたし、在籍DCでローカル編成組んだら3Mになっちゃったという想定も含みます。

さすがに3M+室内灯は厳しい条件で1,110mA/12V、1Aは超えてもHyper-G仕様1.2Aにはまだ余裕があり、1.2A超えには最低でも3M9連が必要です。 テープLEDを抵抗変更し、10mA/両に輝度適正化すれば都市近郊フル編成3M15連でも1,080mAです。
[註]テープLED抵抗を330Ωに変更すると10mA/両でピッカピカを改善できます。


ここまでの検証結果で、LED室内灯使用条件で以下の結論を得ました。
①市販品利用で2M12連まで消費電流1A未満で電流容量1.2Aで十分。
②テープLED輝度最適化すれば3M15連でも電流容量1.2Aの90%に収まり使用可能。


2.市販電源電流容量の落とし穴
ネット上には1.2A市販電源で何両まで走行可能か?のQ&Aや、KATO Hyper DXキャッチコピーには「室内灯点灯しても余裕の2A」なんて書いてあります。 筆者はHyper-G設計初期に2A仕様を視野に入れましたが、設計過程で1.2Aで十分と思い直しました。 何故市販1.2A電源で電流容量不足問題が発生するかについて本項で解説します。


2-1.純正白熱灯室内灯の存在
TOMIX、KATO共に純正室内灯として白熱灯とLED双方を販売してます。

【KATO純正室内灯】
LEDは倍近い価格で、色味が旧客や旧型車両に似合う白熱灯を筆者もHyper-G製作前まで使用してましたが、常点灯できないのでテープLEDに変更しました。 白熱灯室内灯は『その1』で計測した様に約60mA/両の消費電流です。

前項トワイライトエクスプレス室内灯を白熱灯に置き換えると、900mAが1,170mA=1.17Aに増加し、1.2Aに対しほとんど余裕がなくなってしまいます。

同じくEC/DC特急列車室内灯を白熱灯に置き換えると、990mAが1,350mA=1.35Aとなり容量オーバー、3両減らした9連で1.2Aに収まります。 では上記2編成は1.2A電源で走行可能でしょうか?、多分突入電流で保護回路が動作すると思います。

速度調整MaxでディレクションスイッチOFFからON急発進の乱暴な運転は通常しませんが、仮にやった場合の編成突入電流ピーク値は7.7Aに達します。 ACアダプタ供給能力上限電流が流れ、ほぼ間違いなく保護回路が動作しリセットが必要になります。

でも速度調整1/3、電源電圧4Vの低速域でディレクションスイッチOFFからONしたり、ディレクションスイッチ切り替えて速度調整ダイヤルをグイッと一気に1/3回す事はあるのではないでしょうか?、その時の編成突入電流ピーク値は2.5A以上です。


もちろんこの電流は一瞬、すぐにフィラメントが赤熱し抵抗値が上がり電流は減ります、その前に保護回路が動作するかどうかは応答速度次第で何とも言えません。 

従って白熱灯室内灯編成を1.2A電源で走行させる場合、2M室内灯7両計1,050mA/12Vが上限と考えて良いと思います。 市販1.2A電源の電流容量不足を引き起こす要因はまだ他にもあります、その話は稿を改めてします。


★お知らせ
明日、明後日と今度は右目の手術です、頂戴したコメントへの返信は3月15日夕方以降になりますので予めご了承ください。


ではまた。

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