Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

PWM電源後方HLチラツキ 番外編③

本件番外編は②で終りの予定でしたが、その後解った事があるのでまとめます。

【中山平郵便局】
右隣は中山平駅進入列車撮影用カメラ台として空き地になってます、淋しいので生野北町通り商店長屋不動産屋の売地看板を立ててあります。


8.新たに解った事
N-1001-CL逆起電力保護ダイオードを低損失大電流容量SBM1045VSSにすれば、後方HLチラツキ問題が劇的に改善するという期待は見事に外れました(汗) 波形と症状は改善しましがホームラン狙いがファールチップで終り、ガッカリして片付けてると・・・。


8-1.計測場所で大きく違う波形

標準品N-1001-CLに戻そうとSBM1045VSSを外す為、フタを空けて半田外しをする前にふと思い立ち、オシロスコーププローブを繋いで見ました、するとビックリ。

最後に計測したキハ52がレール乗ってます。 車両から50cmのレールで計測した波形と全然違います。 整った矩系波でHレベル12V、Lレベル0.8Vでほぼフラットです、この波形が車両に供給されれば後方HLチラツキ問題は発生しません。

コアレスモーターで逆起電力が大きいDD51に乗せ換えてみました。 Lレベルが-0.9Vになっただけで整った矩系波は同じです。 一体何が違うのでしょう?


8-2.電源出力で効果確認
まずは送電経路影響を排除し、電源出力でSBM1045VSSの効果を確認しました。

リードが十分長いのでプローブを付ける長さを残しニッパーカットしました。

通常モーターキハ52ではLレベルが-1.3Vから-0.8Vへ0.5V改善してます。

コアレスモーターDD51ではLレベルが-1.3Vから-0.9Vへ0.4V改善してます。 電源出力を計測する事でSBM1045VSSの効果をダイレクトに確認できました。 さてそれでは何故電源出力と車両入力で波形が大きく変化してしまうのか?です。


8-3.原因は送電経路にあり
N-1001-CLディレクションスイッチ入力の逆起電力保護ダイオードと、逆起電力発生源のモーター間には往復約10mの送電経路があります。 送電経路の直流抵抗が電圧低下原因となり、交流抵抗、正しくはリアクタンス(コイル成分)が波形変化原因になります。

実験システム送電経路はこの様になっており、逆起電力発生減の車両まで往復10m、波形差異は計測ポイントまで往復9mで起きてます。 KATOサービスinfo.によるとフィーダー給電距離はMax4mで、実験システムは1.8mなので問題ありません。

露太本線幹線配線(左下)は容量5Aです、KATOフィーダー配線は電材屋調達の3A配線と同じで多分容量3Aです。 KATOポイント切替配線はフィーダー配線より若干細く2Aと推定、ソレノイド4個入り両渡りポイントでは約2.5A流れます。 それに比べてTOMIXフィーダー線の細い事、電源容量1.2A、ポイント切替1.5Aホントに流せますか?。

TOMIX電気設計を全く信じてない筆者は、純正を切って2/3の70cmにしたフィーダー単体波形変化を確認してみました、片道4.5mの70cm、16%です。

結果は70cm先でHレベルが1V傾斜し、Lレベルが0.5V下がりました。 TOMIX配線選定の拙さもありますが、例え露太本線幹線配線を使っても3-4mで同じ事が発生します。 つまり、電源特性とモーター種別と同等以上に送電経路影響が大きいと解りました。


8-4.再まとめ
モーター逆起電力は非常に大きい
電源特性とコアレス/通常のモーター種別により程度の差はあるが、PWM制御すると、後方HLを点灯可能な逆起電力が発生する。 完全解決には車両のPWM電源専用改造しか方法がない、ある意味PWM制御の宿命とも言える。


後方HLチラツキ改善の処方箋
a.電源逆起電力保護ダイオードに低損失大電流容量ショットキーダイオードを使う。
b.フィーダー配線を太く短くし配線抵抗を減らす。
c.フィーダー数を増やし車両への給電距離を短くする。(レール抵抗を減らす)


この追加整理により、本件にご協力いただいた方の情報に納得できました。

『ぎっしゃ』さんのレイアウトは完成しており、個人レイアウト最大クラスです。 自作電源特性を云々する以前に、レイアウト走行条件では送電経路が必然的に長くなるので、後方HLチラツキが頻繁に発生していると思います。

【『がおう☆』さん確認実験画像】
一方、旧タイプN-1001-CLをお持ちの『がおう☆』さんにしていただいた実験では発生してません。 湖南総合運転所は建設中であり、実験線を使われた様ですので、送電経路が短く逆起電力影響が少なかったと思われます。


ではまた。

×

非ログインユーザーとして返信する