Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

難航した交渉と問題の解析

1.難航した交渉
最初は前回紹介した湖南工場への委託加工裏話です。 無理なお願いしたのは当方ですから、往復送料負担は当然として、ご厚意に甘える訳にはいきません。

【生野駅夜景】
以前ブログに『付属品取付オプションが2-3千円で設定されれば躊躇なくそちらを選ぶ』と書きました、DC信号煙管のゴム系接着剤取付みたいな細かな作業をユーザーにやらせるなって思います。 ましてや蒸機分解再組立を伴うコンデンサ外しです。

【価格交渉難航】
高く売りたい売手と安く買いたい買手間の価格交渉が普通ですが、当方価値感で湖南工場入線計画車両を手配し送付する提案したところ、それでは高過ぎると逆の形で交渉が難航しました。 こちらも勉強になるからと固辞する工場長さんに従い、一旦は湖南工場案に落ち着きましたが、その後ある事に気付きました。

【通常方式速度制御Hyper-Gコスト集計表】
現在基板製作中の高機能電源コストは未集計ですが、2CHで速度計など追加部品含めても妥結額に及びません。 湖南工場には電源増備計画がありそれを当方で製作し、委託加工のトレードオフ納入すればWin-winでは?と提案し一発で交渉成立となりました。

納期に余裕があるので、ご希望を伺ってカスタマイズし湖南工場仕様にまとめ上げたいと思います。 自社用なら調子悪くなったらチョイチョイと直せますが、他社納入品となると緊張します、委託加工時の『がおう☆』さんの気持が少し解りました。


2.コンデンサ外し弊害の解析
2-1.原因解析
コンデンサ外しDD51走行時に後方HLがチラチラ点灯する問題を解析し、対策をHyper-G設計へフィードバックします。 DD51走行開始電圧1.7V以下では後方HLは消えてます、そこでチラチラし始める低速走行3.0V時の出力電圧波形を計測しました。

PWM出力波形Lレベルは-1.5V~-2.2V、ピークは-5Vでした。

レンジを変えてヒゲ部分を拡大すると最大-5.4Vでした。 LED応答速度は約10ナノ秒、横軸目盛の1/500です、これでは後方HLが暗く点灯しても不思議ではありません。

比較に通常モーターキハ52低速走行3.0V時の出力電圧波形を計測しました。 PWM出力波形LレベルもピークもDD51より低く、コアレスモーターの逆起電力が原因と波形から推定できます。 ならば対策は比較的簡単です。

ディレクションスイッチに逆起電力保護ダイオード1N4007を取り付けてます。

1N4007は整流用ダイオードでコスト優先の選択です、順方向電圧は0.3Aで0.84V、1Aで0.92Vです。 これを損失の少ないショットキーダイオードに置き換えれば、逆起電力の影響を改善する事ができます。 がおう☆さんから得た0.033μF交換技法は、言わば対症療法でLレベルヒゲを鈍らせ問題解消しますが常点灯性能も劣化させます。


2-2.対策と予備実験
秋月調達可能部品の候補は複数ありますが、一番効果が大きい部品を選定しました。

少々大型で値段も高いですがコレを選びました。

性能が圧倒的、順方向電圧が1/3未満になり約0.6Vも下がります。 とは言えコレ1部品で送料負担はシンドイので、湖南工場納入仕様が見えた段階で一括手配を予定します。 その前に当りだけは付けたいので、手持部品で予備実験を行いました。

【ショットキーダイオードSD103A】
手元にあったのは40V/350mA定格のSD103Aです、少し役不足かもしれませんが3.0Vなら使えると判断しました。

対策用SBM1045VSSが順方向電圧1/3未満になるのに対し、0.7倍と改善度は少ないですが、傾向を見るには十分です。 1N4007に並列に半田付けしました。

するとPWM出力波形Lレベルもピークも改善し、3.0Vでのチラツキが解消しました。

拡大するとピークは-5.4Vから-3.8Vへ改善してます。 速度調整ボリュームを回した時にフワッと点灯しますが定速でチラチラする現象は消えました。 SBM1045VSSの特性なら完全解消の見通しが立ちました、入手後蒸機常点灯性能と合わせ再評価します。


ではまた。

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