Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

田園風景ー7 グラマラスな擁壁

工作記に一息入れて風景紹介です。 擁壁はレイアウト地形製作の常用手段になっているようです。 地上線と高架線の平行部分やトンネル出口等、自然地形法面では傾斜が急な場合の解決策として、石垣やコンクリートの擁壁は非常に重宝です。 一つ困ることがあります、曲線部分の製作法です。 素材の特性上、カーブを直線近似したペキペキ折れ曲がった平面の組み合わせになり易いですし、傾斜90度は不自然なので角度を付けると、各平面は四角形ではなく台形にしないと接合できなくなります。

露太本線ループ線の擁壁です。 石垣パネルを台形加工して並べた典型的な例です。

小川の堤防も傾斜は緩いですが同じ手法です、ペキペキ感を少しでも回避する為に台形パネル5枚構成で製作しています。

単調さを防ぐため、小川の手前は板紙で自作したコンクリート擁壁にしました。 カーブに沿って75度くらいの角度なので、展開図は扇形になります。 今回紹介する擁壁は、地形に自然に対応させるため、平面組み合わせでは不可能な複雑な形状をしています。

今回紹介する風景の線路敷設時の様子です、高架部分は全て50mm木製ブロックまたは11mm集成材路盤の剛構造にしてあります。 両渡り線の先で本線が信号所台地下に斜めに潜り込んでゆく地形です。 トンネルポータル位置と周辺の地形造形に悩みました。

トンネルポータルを手前にすると地形造形は容易ですが、列車の可視距離が短くなり、奥側から行うレールクリーニングが不能になるメンテ問題が発生します。 一番背が低いGM製非電化用トンネルポータルを設計通りの位置に設置しました。 トンネルの先が山なら傾斜をつなげ易いのですが、本例の様な台地は地形造形が非常に難しくなります。

手前から本線を進むと、右から台地が迫って傾斜が強まり、擁壁で土留めしてトンネル直前では垂直に近くなります。 左側も切り通しになり、進退極まってトンネルに入る形が自然です。 スチレンボード削り出しで地形造形して型紙に展開し、板紙製コンクリート擁壁を設置した時の状態です。 左側斜面はまだスチレンボード削り出し中です。

擁壁本体の概念図です、0.8t板紙製です。 横柱部分に切り込みを入れて膨らんだ形状を作り、2枚をつなぎ合わせて縦柱で隠しています。

完成した現在の風景です、擁壁が一番グラマラスに見えるアングルです。 トンネル出口の枕木はスペース証明用に置いた物で、普段はありません。 小川手前のコンクリート擁壁は縦横柱が太い新しいタイプ、こちらは細い古いタイプに作り分けしています。

斜め上から見るとこんな感じです。 異形コンクリート擁壁により、線路の都合で不自然な地形になることを、何とか回避できたと考えています。

角度を変えて見てみます。 トンネル上から右手の仕舞い畑方向へ、次第に傾斜が緩まり標高差が少なくなってゆく地形の様子が解ります。


ではまた。

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