Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

KATOスタンダードSXの性能評価 その1

電源製作の番外編です。 出力デューティー5%前後未満で安定出力が得られない件につき、12V/16V兼用仕様KATOスタンダードSXの性能評価をしたいと考えてました。 市販品より高性能な電源を誰でも作れる様にするには欠かせないステップだからです。

それがこの度、oomoriさんとのコラボレーション企画で実現しました、筆者が購入して性能評価した後、同製品購入予定だったoomoriさんへお渡しする業務提携です。


1.準備と外観から解る事

ポチッした翌々日7月10日に届きました、12日開催予定の高齢者クラブ主催イベント準備で忙しく、作業開始は同日夜になりました。

KATO電源プラグは非標準、嫁入り前の娘をキズ物にできないので、性能評価用ツールを準備しました、これで半田ごてを使わずに評価できます。

開梱すると大き目の個装箱が現れました、サイズの割に軽量です。 個装箱が大きいのはACアダプタセット販売を行う際の共通化が目的と解りました。

現れたスタンダードSX、何か違和感、電源スイッチがありません、速度調整ボリュームとディレクションスイッチ、パワーインジケータとリセットボタンだけです、常点灯調整ボリュームも省略されてます。 コスト削減低価格訴求仕様ですが、電源プラグ抜かないと完全OFFにできないのは用法によっては不便だと思います。

背面を見るとKATOの生真面目さが表われています。 内部回路ロスを補償し12V出力を得る為に13.5V、16V出力を得る為に17Vの特殊な専用ACアダプタを用意してます。


この12Vで1.5V、16Vで1Vの電圧差にはピンとくる物がありました。 電源製作⑦で解説した様に、共通設計すると電圧低い方が内部回路ロスが大きくなり易いのです。

法律で義務付けられた原産国表示、中国だろうなと底面確認したら国内生産でした。

小型時計用マイナスドライバーで両面テープ接着ゴム足を外すとケース止めネジ穴が表われました。 4本のネジを外してケース分解、評価開始です。


右上部に吸気口があります、前面上部排気口から排出するエアフロー設計で機内温度上昇を抑えます。 この空気流路がないと内部温度が50℃を越えてしまいます。
[註]電源自作される方へのご注意として記しました。


2.12V仕様の性能評価
KATO純正13.5V電源がないので12V/3A電源を使用し、0.5A/12Vのダミー負荷接続で評価します、実用に近い試験条件でないと真の性能が見えないからです。 現在製作中電源と同条件で評価し市販品より高性能である事を証明する目的を兼ねています。


2-1.発振周波数
最初に発振周波数と波形確認です、出力電圧5Vで計測しました。

発振周波数は従来品5倍の105kHzになってました、周波数が高いと狭いパルス出力が難しくなります。 後半がサドル状に下がった波形で、ピーク電圧は12.8Vでした。 コストダウン目的の選定と推定しますが、KATO設計技術者に聞かないと解りません。

安定出力が得られる下限近い出力電圧0.7Vでは発振周波数が若干高く111kHzでした。 波形は後半の低下が大きくなり、ピーク電圧も11.6Vに低下してます。


2-2.内部回路ロス
高価な純正ACアダプタでなく汎用ACアダプタを使う方が多いと思いますので、その基礎データとして0.5A負荷時の内部回路ロスを計測します。

出力12V/0.5A負荷で0.42Vの電圧低下、1.2A定格負荷で約1Vになると推定されます。 純正ACアダプタ使用時は13.5V入力で12.5V前後の出力が得られると思います。


2-3.安全性保護回路
速度調整ボリュームMaxで出力をショートさせ保護回路動作を確認します。

ほぼ瞬時(0.2秒未満)に保護回路が動作しインジケータが緑から赤に変わりました。 ショート解除してもその状態を保持、リセットボタンで復帰します。 ハイパーDと同様なラッチ回路(評判悪かった)が入っている事が解ります。


2-4.速度調整ボリューム制御特性
oomoriさんが最近入手されたスマートコントローラ+非純正ADアダプタでボリューム1/3回さないと走行開始しないと聞いていたので特性確認しました。

速度調整ボリュームMaxから徐々に下げると10段階目盛8.6で電圧低下開始しました。 ハイパーDの9.5より悪く、N-1001-CLの8.0より良い微妙なところです。

更に速度調整ボリュームを下げると目盛3.0で出力2.0Vの走行開始電圧、oomoriさん情報の1/3で走行開始はACアダプタ仕様は関係なく、元設計がそうなってると解りました。 常点灯調整省略の影響ですが、速度調整有効範囲3.0~8.6は狭いと思います。

更に出力波形を確認しながら下げてゆくと目盛1.2、出力0.61Vが安定出力下限値、その下目盛1.2~0.5は不安定な微電圧出力があり、0.5~0は0Vの不感帯でした。


2-5.常点灯性能評価
ハイパーDXに続き常点灯仕様になったスタンダードSXの実力を評価します。

出力電圧1Vでピーク電圧低下がなくなりました、この点はTOMIXより優れています。 しかしピーキーな波形により、純正LED室内灯は問題なくても、テープLED室内灯の場合はTOMIXに優位性があり、出力1V常点灯実用域の総合性能は同等だと思います。

安定出力下限0.61Vでは、ピーク電圧が若干低下しますがTOMIXの様に大きく低下せず、スタンダードSXの方が常点灯域が広い事が解りました。


次回16V仕様の評価とまとめをします。 とりあえず12V仕様では常点灯性能(明るさと広さ)、速度調整のやり易さ等全ての項目で設計回路が上回りホッとしてます。 しかしスタンダードSX本体は3千円以下で手に入ります。 高性能でなくとも必要十分な性能を備えたコストパフォーマンスが非常に優れた電源だと感じました。


ではまた。

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