Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

火の見櫓の調査結果

自宅から車で20分圏内にある30ヶ所近い火の見櫓の調査結果を紹介します。

【火の見櫓の役割は終った?】

火事を半鐘で報せ、望楼から火元確認し、風向きを読んで消火・避難活動指揮所になる火の見櫓の役割は、通信技術発達に伴い次第に薄れてきた様です。 筆者が住む地方都市では、市街中心部から火の見櫓は姿を消しています、絶対必要な施設ではなくなっていると思われます。 一方、古くからの部落には必ず火の見櫓があります、本来の役割に加え、防災無線放送塔として長年活用され、放水訓練後のホース干場として重宝しているとも聞きました。 調査主目的の高さについては、立地条件により実に様々でした。

望楼まで鉄鋼クロス6.5スパン、基台面積が広く推定高15mの大型タイプです。 丘陵傾斜地部落の中央より低い場所にあり、高台側の見通し確保のため高くした様です。 半鐘は望楼ではなく、約半分の高さに設置されています。 スピーカーは1基のみ、防災無線戸別受信機設置済み部落なので、市広報と時の鐘チャイムを流すのに使われています。

平地の住宅街に建つ、望楼まで鉄鋼クロス6.5スパン、推定高12mの一番数が多い標準タイプです。 ここも半鐘は低い位置にあります。 スピーカーは設置されておらず、この部落も防災無線戸別受信機設置済みで、取り外されたのかもしれません。 なお、鉄骨クロスは望楼内の腰の高さまであり、床面下は0.5スパン短く見えている様です。

同じく住宅街に建つ、望楼まで鉄鋼クロス6.5スパン、推定高12mの標準タイプです。 均整が取れた外観で、情景小物火の見櫓のモデルになった様なタイプです。

半鐘は望楼内に吊り下げられており、スピーカー4基が設置されています。

やはりスピーカーがあった方が昭和の火の見櫓らしくて良いと感じました。

市街地から離れた部落中央に建つ、望楼まで鉄鋼クロス6.5スパン、推定高12mの標準タイプです。 情景小物火の見櫓と同じ矢羽根の風見がありました、今回調査で風見付は3ヶ所、他はすべて避雷針だけでした。 ここの半鐘も中段、スピーカーはありません。

交通量が多い街外れの交差点に建つ、望楼まで鉄鋼クロス5.5スパン、推定高10mの小型タイプです、奥に見える電柱の方が背が高そうです。 半鐘はここも中段、望楼内よりも低い位置が多いのは、早く報せるためかもしれません。 スピーカーはありません。

部落の高台に建つ、望楼まで鉄鋼クロス5.5スパン、推定高9mの小型タイプです、部落内を見渡せれば、高くする必要はないということなのでしょう。 望楼サイズに対して櫓が寸足らずでアンバランスに見えます。 半鐘は望楼内吊り下げ式で、スピーカーは2段8個の重装備です。 奥に防災無線アンテナポールが重なって見えています。

調査対象外ですが、平成3年に建て替えられた火の見櫓がありました、機能的過ぎて面白味がありません。 高さ9mほどの小型ですが半鐘は中段に設置されています。


【調査で解った事】

①鉄骨7または6スパンの櫓を組み望楼を乗せている、高さ10-12mが標準的サイズ。

②役割変化により、かつて設置されていた風見やスピーカーが取り外された例が多い。

③半鐘の取り付け位置は望楼内より中段が多い。(45年前どうだったかは不明)


以上の調査結果に基づいて、火の見櫓再製作の方針が固まりました。

①鉄骨クロスを0.5-1スパン短く改造し、高さを5-10mm低くする。

 (低くし過ぎて立ち姿を悪くしてしまったら元も子もない)

②望楼屋根裏を照明スペースに使い、半鐘は中段ハシゴ脇設置に変更する。

 (調査結果の事実に基づいて半鐘と照明の干渉問題を回避する)


ではまた。

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