Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

模型照明の電気講座②LED使用法 基礎編

模型照明の電気講座第2回はLED使用法基礎編です。 専門的な解説は抜きにして、使用する上で頭に入れて置くべき特性と用法を解説し適用事例を紹介します。


2.LEDの特性と用法
2-1. 基本的な特性・・・最低限知っておくべき事
解説には図表が必要です、解り易くを心掛けていますが、それでもグラフを見ると頭痛がする方は文章だけお読みください(笑) 前回LEDは新品乾電池1個1.5Vでは全く点灯しないと書きました、それはLEDに電圧ロスがあるからです。

図の様に2V強まで全く点灯せず、2.4V付近で薄っすら明るくなり始めます。 模型照明として使う電流範囲0.1mA-20mAでは2.6-3.2Vの電圧ロスです。 照明設計は厳密さを求めませんので、LED1個の電圧ロスは3Vと覚えれば十分です。


もう一つ重要な事があります、模型照明に使われる小型LEDの最大定格は30mAです。 図では3.4Vです、それ以上例えば5Vにすると大電流が流れピカッと光り破損します。
LEDは電流を決める部品と一緒に使うと覚えてください、計算式?必要ありません。

LED電流と明るさの特性図です、明るさの単位はルーメン(lm)=全光束ですが、見た目の明るさは指向性や色温度で大きく異なるので基準化しています。 単位の理解には意味がありません、電流2倍で明るさ2倍の正比例と覚えれば十分です。


なあ~んだ単純だ、そう単純なんです。 でもね、電気が少し解る人には不思議な特性なんです。 白熱球の様に明るさは青点線消費電力(W)に比例、つまり電流2倍で明るさ4倍の方が解り易いのですが、LEDの明るさは電流に正比例しています。


2-2. 筆者の失敗・・・ディレーティング
ここで先に筆者が犯した失敗事例、LED不良の話をします。 前項図に部品の推奨条件を記入しましたが、この条件の使用はお薦めできません、これで痛い目に逢いました。

《訂正2019.08.24》残数14中、改修不能な2ヶ所を除き6mA/11mAに改修でした。
レイアウト着工前先行ストラクチャ製作時、半田付け容易な砲弾型白色LEDを20個調達し、直列470Ωで推奨20mAにしてガラスにオレンジマーカーを塗って組込みました。 指向性が狭いのでKATO構内建物サイズでも明る過ぎる事はありませんでした。


その後、ホーム上屋や跨線橋など砲弾型で対応できないストラクチャでチップLEDを採用し、少ない電流で十分明るい事から指向性の差に気付きました(遅い!) そして砲弾型20mA仕様が1年半頃から立て続けに5個昇天し、原因究明と対策を実施しました。

不良原因はディレーティングでした、温度が上昇すると電流上限値がどんどん低くなります。 20mA/25℃で1,000Hの寿命は8mA/85℃で100H、真夏のレイアウトルームは35℃以上、狭い場所に押し込んだLEDは52℃を越えればアッと言う間に寿命を迎えます。

生野駅構内詰所群は全て砲弾型20mA仕様でした。 ここは2棟組で並列接続を直列接続に変更し6mAにしました、1/3弱は目視で輝度低下が解りますが実用上OKでした。 他は直列抵抗を追加して6mAまたは11mAに改修し、以降不良発生はありません。

どうでしょうか?、2棟は直列接続で明るさ1/3になりましたが暗過ぎる事はありません、余った給電端子で信号梃子小屋、時計台、物置入口照明を増設しました。

【笠松信号所建屋・・・砲弾型LED20mA+色差し】
一番困ったLED不良は笠松信号所建屋です、基台最奥部に33‰勾配ホームと一体化固定でした。 引き剥がして照明補修、再設置と周辺地面再製作の大工事になりました。

【笠松信号所建屋・・・3528チップLED2mAx2灯+色差し】
3528チップLED直列2灯に3kΩで2mAに置き換えました。 1/10の明るさ2灯ですが建屋全体を照明できています。 今にして思えば、取り外したついでにホーム照明を増設し、タブレット授受器が良く見える様にすべきでした。


★筆者失敗の教訓
模型照明用LEDは推奨条件電流の60%以下使用で十分な寿命が得られる。 3mm砲弾型と3528チップなら12mA、1608チップなら3mAまでに抑えるのが安全です。


2-3. 明るさを決める
LEDの明るさは電流に正比例すると解説しました。 では電流はどうやって決める?、LEDと直列に部品を入れて決めます。 安くて信頼性が高い抵抗と少し高いけどお手軽なCRD(定電流ダイオード)があります。

LED電流制限抵抗関連情報が数多くありますが、明るさ10-20%差は目視で解らないので神経質になる必要ありません、明確に差が解るのは2-3倍です。 筆者照明設計基準0..1mA-10mA3倍毎の部品仕様を表にしました、部品は5種類あれば何とかなります。


2-4. 適用事例
では視覚的に理解していただく為に、0.1mA-10mA各条件の適用事例を紹介します。
★0.1mA

県道沿い民家の門灯が1608LED0.1mA仕様です。 点灯してる事が解る一番暗い照明、前掲構内時計や電話ボックスの様な極小ストラクチャ照明への使用条件です。


★0.3mA

前項用途例と矛盾しますが、田舎道街灯は40W白熱球のイメージで1608LED0.3mA仕様です。 街灯がお寺山門を照らし、山門下は山門2階に仕込んだ白熱球の温か味のある光です。 前掲の機関区信号梃子小屋と物置入口照明は0.5mA[2/2訂正]仕様です。


★1mA

生野北町商店街の街灯が3528LED1mA仕様です。 直視ではかなり明るく、路面の広い範囲を照らしてます。

コントロールパネル前産業道路と線路奥生野南中へ続く道の街灯は、夕陽ライト用に調達した小さくて薄い3014チップ(推奨80mA)を1mA仕様+色差しで流用しています。


★3mA

中山平の小型ストラクチャ郵便局と床屋が3528LED3mA仕様です。 郵便局は電球色のまま蛍光灯のイメージ、床屋は色差しで赤味を持たせています。

3528LED3mA直視は非常に明るく、生野駅舎両脇と大通り街灯がこの仕様です。 ちなみに交通信号機は1608LED0.3mA仕様です。


★10mA
砲弾型は別にして、チップLED10mA仕様は特殊な用途に限定されます。

北町通り米屋が3528LED10mA仕様です、全然明るくない?、そうなんです、このストラクチャは導光板方式なので照明効率が悪く10mAでようやくこの程度です。 北町商店街外れの文房具屋も導光板方式で10mA仕様にしてます。

県道沿いの民家Aは最小電流0.1mAの門灯と、最大電流11mAの間仕切り壁透過居間照明が並んだ例です。 一方県道沿いの民家B居間は当初2mA仕様で完成しましたが、民家群バランスで1mAに半減しました、それでも十分明るいと思いませんか。


以上紹介した様に模型照明としてLEDは十分に明るく、用途に合わせ電流=明るさを調整して使う部品と筆者は考えています、面倒な遮光もその方が楽になります。


★諏訪湖の御神渡最新情報
2/1朝の計測で氷厚9cm、湖上に細かな亀裂が走り2/2朝に御神渡出現の確認と、出現した場合には拝観式が行われます。 2/1夜は大雪警報発令、すでに15cmの積雪です。


ではまた。

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