Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

今後の設計⑥Pecoにぞっこん

延伸線用に購入したTOMIXポイント分解調査の結果、レイアウトに設置しレール塗装やバラスト撒布に耐える品質でない事が解りました。 KATOに30度クロスがなく、自動的にサーボ駆動に好都合なPeco選択となり、通販サイトで調査開始しました。 複線間隔はTOMIX37mm、Peco27mmと大きく異なり、ポイント部小型化も期待できます。


1.コード80とコード55の選択
コード80はKATO/TOMIXと同じ高さのレール、コード55はレールは同じで枕木に下部を埋め込んで低く見せ、オーバーサイズ感を緩和したレールです。 最初にスイッチバックポイントのキーとなるクロッシングを調べました。

コード80の小型クロッシングは全長91mm、クロス角25度です、設計完了したTOMIXは30度、5度浅くなっています。

一方コード55の小型クロッシングは全長104mm、クロス角20度と更に5度浅くなっています。 ダブルスリップや3枝ポイントはコード55にしか設定がありませんが、ローカル線には無縁なので小型化に有利なコード80を選択しました。 コード55は高さが低い分だけ広軌感を強調するデメリットもあると思われ、アッサリ決まりました。


2.ポイント
25度クロッシングと組合せ本線直線両渡り線を構成するポイントの検討です。

コード80中型ポイント、全長123.7mm、分岐角14度、4番ポイントに相当します。 ここでアレっ、25度クロッシング両端に中型ポイントを設置すると3度角度が合いません。 太鼓腹に膨れた線形は美しくありません。 さてどうするか・・・。

コード80大型ポイントです、全長160mm、分岐角8度、7番ポイント相当です、本線分岐ポイントにこれを使えば14+8=22(度)、両ポイント間を3度フレキで接続すれば綺麗な線形になりそうです。 本線分岐が緩やかなのは理に適っており生野駅でも採用しています、問題は大型ポイントを採用してスペースに収まるかです。


3.インサルフログとエレクトロフログ
Pecoポイントには電気的特性が異なる2種類が設定されています。

親爺ぃさんの解説を読んで、迷わず無電区間のないエレクトロフログを選択しました。 エレクトロフログは大昔の木製道床16番ポイントやシノハラフレキポイントと同じで、インサルフログのメリットはDCC化用の改造が容易である事程度です。


4.両渡り瀬配置検討

Pecoポイントは公開分岐曲線半径と実物寸法が合わないという話を聞きました。 そこで全長・分岐角度・複線間隔(対向すれば27mmになる)を基準に使用予定ポイントと25度クロッシングを作図しました。

25度クロッシング両側に大型ポイントと中型ポイントを接続しました。 しかし分岐角度の違いによりフレキを使って3度を綺麗に繋ぐことができません。

そこで綺麗に繋ぐ図面検討を行い、大型ポイントをフレキで最低20mm後退させれば良い事が解りました。 しかしこれでは両渡り線が間延びしてしまいます。

綺麗に繋ぐ方法がもう一つあります、クロッシングを短縮して中型ポイントを前進させ、大型ポイントを直接接続すれば可能です。 図面検討の結果、最低13mm短縮する必要があると解りました。 ここからは現物確認しないと設計が進みません。


5.現品調査

という事で検討用にコード80中型ポイントと小型クロッシングを入手しました。 国内調達はポイントが国産品の2倍以上、クロッシングは4倍近くと非常に高価です。

25度小型クロッシング背面です、無電区間はなく4本のレールそれぞれが3ヶ所でカシメられています。 TOMIXの金具をコイルバネ押し当て方式とは段違いの電気的信頼性、ボンド水溶液をジャブジャブかけても通電不良の心配はありません。

ポイントフログ部背面です、エレクトロフログなので無電区間はなく、通電はカシメ方式です、TOMIXで接点8ヶ所があった場所に通電不良要因はありません。 知人がKATOとPecoは模型、TOMIXはオモチャと言いましたが、それほど設計思想が違います。

ポイント反対側背面です、トングレールスライダーに通電確保バネが入っており、接点はここだけです。 スローアクションはバネなしがスムースですが絶対外せません、トングレール接触だけで通電させると、スレッジによる通電不良が発生します。


6.短縮加工検討

図面検討のクロッシング短縮目標は13mmでした。 カシメ位置よりは外側ですが、枕木位置との関係など切断位置としてふさわしくありません。 11mmなら問題なく切れそうです。 では残り2mm以上をどうする?。

対向するポイント直線部を5mm切断します。 こうすると枕木間隔の不自然さなく接続できます。 短縮量は11+5-0.5(ギャップ)=15.5mmになりました。 両渡り線の対向する4本のレールにはギャップが必要なので、双方切断部にギャップを設けます。

最後にポイントトングレール側、Pecoは完全な直線になっています。 枕木間隔はKATOの5mmに対し4.6mmと若干狭く、枕木2本分9.2mm短縮して使用する事が可能です。


電気的性能が良く、サーボも取り付け易い、その上複線間隔が狭く小型化も可能、筆者に取っては良い事づくめ、もうPecoにぞっこんです。


ではまた。

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