Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

CLK講座 スタイロフォーム基台の設計と製作

予告したスタイロフォーム使用基台の製作法解説です。 筆者はスタイロフォーム使用経験はありますが、レイアウト基台製作経験はありません。

【延伸線エリア天井断熱DIY施工】

使用経験は屋根裏レイアウトルーム断熱工事で40mm厚スタイロフォームを使用しました。

それで基台製作法解説は乱暴な話ですが、『一読者』さんコメントや寄せられた情報から、基台製作選択肢からスタイロフォーム使用を除外すべきでないと考え直したからです。

【積層削り出し地形製作事例】

当社は固定式なので強度を優先し、強度を犠牲にした軽量化は必要なく、地形製作の手間を省く手段として部分採用してきました。 この用途には必要十分な強度がありました。

【小さな沢地形製作事例】・・・路盤は4mm合板+2mmコルク

木製骨組+プラスタークロス、ボール紙骨組+ボンド水新聞紙等、昔のTMSに掲載地形製作技法を従来線建設時に試しました。 スタイロフォームは地形製作素材として加工性に優れ軽量ですが、頭をぶつけた天井に貼った断熱用スタイロフォームが凹んだまま元に戻らないのを見て『こりゃ基台には無理』と除外したのは、最新動向に疎くなってたからです。

【TMS表紙を飾ったレイアウト】

『一読者』さんに続き『oomori』さんからもコメントが届きました。 所属クラブ員全員がスタイロフォーム基台使用者で、レイアウト/モジュールを製作されてるそうで、木製基台製作法解説してた筆者は時代遅れの浦島太郎か?と思いました。


★構想と資材調達

2013年~2014年のレイアウト製作事情調査時にスタイロフォーム基台は既に多く存在し、使用材料記載のある事例は40mm厚または50mm厚でした。 手前中央駅構内30mm嵩上げを含め、スタイロフォーム側面に合板を貼って強度確保する方法で設計しました。

【50mm厚定尺スタイロフォーム】

『一読者』さんは60mm厚スタイロフォーム採用ですが、50mm厚を採用します。 60mm厚のネット最安値は¥6,930、空気を送るに等しい送料込みで非常に高価です。 どこでも入手可能な標準品50mm厚を選びました、これを基台のコア材に使います。

【過去記事より転載】

中央駅嵩上げ用と地形製作素材として30mm厚スタイロフォームを1枚調達します。

【過去記事より転載】

側面用は重量と強度のバランスで4mm厚合板(千円前後)を使います、スタイロフォームと合わせ約5千円です。 カットサービスで以下素材を切り出して貰います。


◆4mm厚合板縦置きカット

❶255mm幅カット2回:255x1820 AB材切り出し

❷95mm幅カット:95x1820 C材切り出し

❸60mm幅カット:60x1820 D材切り出し

❹15mm幅カット2回:15x1820 EF材切り出し

スタイロフォーム側面材として幅広な255mm材は、側面補強材・トンネル内点検口・背景板設置支持構造の一体化が目的で、木製基台と異なり強度のある側面材で処理しないと後で困ると考えたからです。 カットサービス利用で高精度パーツ入手を強くお薦めします。 約215x1820の残材が出ますが、4mm厚スペーサー等、様々な利用法があります。


◆A材横置きカット

❶910mm幅カット:255x910A1A2材切り分け

A材を同寸A1A2の2枚にするのが目的です、全長確認してから切断寸法を決めます。

【小型L字金具4個セット】

定尺スタイロフォームに定尺合板切り出し側面材では、側面材同士はバラバラです。 強度向上に使います。 4mm厚合板に効く10mm木ネジも一緒に調達しましょう。

【DAISO30mmキューブ材】

資材調達の帰りに百均に寄り30mmキューブ材2袋を調達します。 寸法精度が高く、木材としては軽いので、レイアウト製作便利グッズとして常用してます。 10年前は確か10個入り、写真8個入りは1年前調達品なので、現在は6個入りに減ってるかもしれません。


★30mm厚スタイロフォーム切り出し貼付

最初はスタイロフォーム貼り合わせからです。

C材(95x1820)を定規に使い、30mm厚スタイロフォームから145x1350サイズを大型カッター刃を垂直に立てて切り出し、50mm厚スタイロフォーム左下基準で重ね、ボンドをたっぷり塗って接着し、完全乾燥するまで放置します。 瞬着はスタイロフォームを溶かす物があるので使用を避け、圧着もできませんので梱包用テープ仮止めが良いでしょう。

30mm厚スタイロフォームは中央駅スペースの一部で、1//2番線や駅舎は含まれてません、後で必要箇所に貼り足します。 木製基台は天板貼り付け後に不要部分を切除できますが、スタイロフォーム基台は接着後の不要部分切除が不可能だからです。


4辺側面板の材料加工

スタイロフォーム接着乾燥待ちの間に基台側面板4枚を加工します。 結構細かく面倒臭い加工になりますが、後を楽にする仕込み作業です。

【奥側面用B材加工】

最初は奥側面用B材、基台外側から見た図面で青がカットラインです。 トンネル内点検口位置をケガキ、4隅に1.5~2mm穴を空けます。 切り抜き部材が点検口蓋になるので、薄刃木工用か金工用糸鋸刃で切り抜きます。 85x1440mmを図面指示の様に切り取ります。 切り取り部材(B2材)は後工程で別用途があるので、点検口蓋と共に保管してください。

【右側面用A1材加工】

続いて時計回りに右側面用A1材の加工です。 ここにもトンネル内点検口があるので、奥側面B材同様に糸鋸で切り抜いてください。 左側は図面指示の様に切り取ります。

【前側面用C材加工】

前面用C材加工は2ヶ所、中央下側を15x220mm凹型切り欠きと、右上を図面指示の様に切り取ります。 凹部切り欠きは点検口と同じく下穴開けと糸鋸加工が必要になりますが、切り抜いた部材は使用予定がありません。

【左側面用A2材加工】

最後の左側面用A2材は75x310mmを切り取るだけです。


4辺側面板貼付

複雑な形状加工した4辺側面板の貼付は前面から行います。 基台強度と精度を決める工程ですので慎重に作業を進めてください、特にボンド固着時間は余裕を見てください。

平坦な床に30mmキューブ材をスペーサーとして並べ、貼り合わせたスタイロフォーム裏50mm厚を上向きに置きます、上面は床上80mmの水平です。 スタイロフォーム前面全面に木工用ボンドをたっぶり塗り、前側面材裏にも塗ります。 幅の位置合わせをして圧着、前側面板前に重量物を置いてズレを防止し、半日以上放置乾燥固着させます。

【前側面板貼付後】

前側面板接着乾燥後の側面板は、貼り合わせ段差部を除き上面がスタイロフォーム同一面、下面は側面板が15mm張り出してます。 この張り出しには三つの役割があります。

第一に足使用部品とスタイロフォームを接触させず、4辺側面板に台枠機能を持たせます。 第二に配線類の引出し口と照明電源入力及びSWを一体化した小型パネルを設置します。 最後に基台裏配線スペースを確保し、使用予定のフィーダー分岐も収納できます。

前側面板接着乾燥後天地返しして基台表面上向きで裏側面板接着へ進みます。 この時正確に15mm厚(±0.2mm程度の精度)のスペーサーが最低2個必要になります。 一度だけ使用なので、本でも床マットでも厚さ保持できる物なら何でも良いので探してください。


上図の様に前側面材で位置決めし、スタイロフォーム側に木工用ボンドを十分+α(側面板にも塗る場合は先にケガキ線を入れる)塗って裏側面板を位置合わせし圧着します。 十分な乾燥固着時間確保と、重量物を置いてズレを防止するのは同じです。

【奥側面板貼付後】

接着乾燥後裏から見るとこんな位置関係になります、裏側面板はスタイロフォーム基台下に15mm張り出してます。 裏側面板が乾燥固着すれば前後側面板で基台は自立可能になりますが、強度確保できてないので取り扱いに注意してください。

【左側面板貼付後】

自立させた基台に、前と奥側面板基準で位置合わせし、左側面板を木工用ボンドで接着固定します。 接着注意事項は同じで、十分なボンドを塗ってください。 左側面板と前および奥の側面板はコーナー同士が接してるだけで重なってません。

【右側面板貼付後】

左右側面板は同時に接着固定でも大丈夫です、位置合わせ・ボンド塗布・圧着で、ズレがない事を確認しながら両側に重量物を置いて、乾燥固着を待ちます。


ここまで頭の中の設計構想を図面を書いて確認しながら解説を進めてきましたが、間違いに気付いて図面修正もあり、とても1回ではまとまりません。 以下は次回にします。


ではまた。

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