TOMIXポイント解析 完結編
2月24日更新の以下記事でTOMIXポイントユーザー読者に計測依頼を行いました。
【以下2/24更新記事】
★TOMIXポイント・レイアウト所有者の皆様へ計測のお願い
TOMIX完全選択式ポイント(レイアウト設置済可)所有者の皆様ににお願いがあります。 以下のテスター計測し、結果を拙ブログコメント欄に送付をお願いできないでしょうか。 TOMIX通電不良発生状況と原因特定の貴重なデータになります。
【対象ポイント、新旧を問いません】
◆校正
テスター導通(抵抗計)モードにしてプローブ接触し【000】表示を確認してください。
◆計測❶
ポイント直進開通状態で、下図AとBにプローブ接続し、計測値を記録してください。
◆計測❷
BのプローブをCに接続し、計測値を記録してください。
計測❶❷の結果を拙ブログコメント欄に送付をお願いします、レイアウト使用で複数個計測していただければ大変有難いです。 なお、HN含めて非公開希望の方は、その旨付記してください、失礼ながらデータを活用し、コメントは非公開削除させていただきます。
【以上2/24更新記事】・・・修正前
計測依頼に『もっぷ』さんがご協力くださり、以下計測結果を送付していただきました。
計測①は0.2Ω強で安定しており完全選択式SWの接触抵抗です。 KATO内部SWは2桁表示テスターで0.0Ω(0.04Ω以下)なので、低いからOKとは言えない数値です。 計測②に『もっぷ』さん注記があり、『コイルバネなしでも導通している』と書かれてました。
計測②はコイルバネが通電するレール間抵抗計測のつもりだったので、『そんな馬鹿な』と最初話が噛み合いませんでしたが、良く見ると筆者の勘違いでした。
『もっぷ』さんの仰る通り、両レール裏側間に金属部品がありました。 金属部品導通なら0.0Ωになる計測結果が0.05Ω~0.55Ωと10倍以上変化するのは、挟んだだけで半田付けしてないからです。 レールの裏面汚れやガタで接触抵抗が変化するからだと思われます。
購入手持ち新ポイントで計測すると、新品でも表示が0.0Ωから0.5Ωまでプローブ当て方で計測値が不安定です、プローブ接触圧で金属部品の接触抵抗が変化するからです。 わずか20mmのレール給電部ですが、こんな処にもTOMIX電気設計のいい加減さが表れてます。
TOMIXが出鱈目なら筆者は粗忽者『もっぷ』さんコメントで勘違いに気付きました、コイルバネが通電してるのは、分岐側内側レールの様に見えました。 表裏同時確認できないのでこれも勘違いでしたが、記事と計測依頼内容を変更しました。
【以下3/072/24修正記事】
◆計測❷
下図CとDにプローブ接続し、計測値を記録してください。(下線修正部)
『もっぷ』さんに再測定をお願いした処、1週間後に結果が届きました。 『もっぷ』さんも何がどうなってるか良く解らず、色々調べられた様です。
コイルバネが分岐側内側レール通電用だったら、コイルバネなし計測②は無限大になるハズなのに計測値がある事から、『もっぷ』さんが修正記事読んでないと考えコメント返しましたが、計測①・計測②・コイルバネ単体計測値を比較検討すると、どうもそうではなく、『もっぷ』さんの再計測②は、修正記事に従ったC-D間だと理解できました。
再計測①と②は、トング側両レールからバネ・基板・完全選択式SW・基板・バネを経て、直進側両レール間抵抗値計測で、バラツキありますが全て0.10Ω~0.30Ωに収まってます。 計測値は完全選択式SWの接触抵抗(挿入損失)と考えれられます。 完全選択式に必要なバネ6本が揃っており、コイルバネの役割が不明です。
【過去記事より転載】
コイルバネ単体抵抗値は、筆者計測の0.5Ωに対し『もっぷ』さん計測が0.85Ω前後なのは、筆者がバネを伸ばし切れず、2-3巻残した計測だったのが原因と考えられます。
コイルバネ設置穴の底が見えるアングルで撮影すると、明らかにレール裏面が見えており、コイルバネで給電してる様です、確認する為基板パターン配線を調べました。
ポイント表面と裏面基板の高さ位置合わせして並べました。 左基板赤丸がコイルバネ接点で、上の分岐内側レールバネ接点と同じパターン配線なので、完全選択式SW通過後です。 赤丸右横・左下黄丸が直進外側と分岐外側レールバネ接点で完全選択式SW通過後です。 赤丸コイルバネが対応するポイント表面位置は、何と非給電だと考えてたフログでした。 コレ見て『嘘だろっ』と思いましたが、それについては後で書きます。
実物のフログは一体鋳造の鋳物で、PecoもKATOも実物通り一体に作り、電気的にも一体化してます。 KATOはフログ非給電でSPポイント機能実現なのに、TOMIXはフログを直進側と分岐側に分割し、それぞれをコイルバネで給電してました。 オレンジ丸フログ交差部が樹脂で絶縁されてます。 電気音痴のTOMIX設計は何を考えてるやら理解に苦しみます。
コイルバネ穴にプローブ先端を差し込んで導通試験すると、上図赤影部5mmの走行レールと黄影部ガイドレールに導通してました。 反対側コイルバネ穴からは、フログ上半分の走行レール・ガイドレールに導通してます。 トング側進入の場合は、完全選択式で一方通電で問題ありませんが、分岐側進入のSPポイント用法ではショートリスクが高くなります。
旧ポイントの高解像度フログ部画像がないので比較できませんが、新ポイント見た時フログ部が違う、金属部分が減ってると感じたのは、SPポイント用法時のショート対策でフログ周辺金属部分の一部を樹脂で覆ったからかも知れないと考えてます。
緑矢印が両内側レールギャップ(0.2mm未満?)、青矢印が移動した両外側レールギャップ(1mm強?)、何でギャップ間隔がこんなに違うのでしょうね、『ザ・TOMIX設計』だからです。 新ポイントはフログから先を完全選択式の非給電区間に変更してます。
筆者も最初騙されたのですが、外側レールギャップ位置変更はSPポイント機能実現に不要で、設計変更せず旧ポイントからコイルバネ撤去して図灰矢印フログ部を非給電にすればSPポイント機能実現できたのです、KATOの真似すれば良かった訳です。 それにね。
この基板パターンと給電先、ギャップ位置を見たら馬鹿な事やってると気付くハズです。
この仕様なら、分岐側内側レールギャップをなくして2分割フログと一体化し、コイルバネ使わずリン青銅バネで給電すれば済みます。 初歩的ミス発生可能性として、フログ給電が追加仕様だった場合が考あり、、何故このようなバカな設計になったのか推理しました。
TOMIX初の完全選択式旧ポイント設計時、フログ非給電設計し『無電区間はクレーム多いから通電せよ』のタカラトミー出向幹部の鶴の一声に従い設計変更しました。 フログ給電には2分割しかなく、ギャップなくして一括給電に気付かず、コイルバネ給電にしました。
【TOMIX両渡線】
完全選択式旧ポイントに先行発売されてた両渡線で、Peco・KATOが通電ギャップにしてるダイアモンドクロス部(図赤影部)を手抜きして無電区間設計し、評判が悪くクレーム多発してたからです。 40mm近い無電区間は息継ぎ現象が出て、走行感覚が悪くなります。
SPポイント対応新ポイント設計時、走行レール5mm、20mm長弱のフログ非給電で実用上問題ないのに、旧ポイント設計時のトラウマで非給電にできず、コイルバネが残りました。 TOMIX製車両は問題なくSPポイント通過しましたが、他社車両(幅広車輪?)でショート事故発生が解り、泥縄的に問題箇所を樹脂モールドしました。 まっ、こんな処かな。
結局の処このコイルバネは、筆者予想の給電不良主要因ではなく、例え接触不良で非通電になってもフログ半分20mm長弱が非通電になるだけで、実用性能に影響を与えない盲腸の様な存在でした。 電気設計技術者なら絶対やらないTOMIX設計に振り回された格好です。 では原点に戻って、通電不良への影響を検証します。
『もっぷ』さん計測結果は、新旧ポイント入口/出口間抵抗値0.25Ω~0.60Ωです。 初期値0.25Ω前後で、使用や汚れによる完全選択式SW・接点バネ接触抵抗増大により、増加傾向にあります。 1M6連で室内灯・HL/TL点灯時消費電流は約400mA ですから、ポイント通過前後で0.1V(0.25x0.4)電圧ロスするだけで、その差を体感するのは困難です。
ポイント出入口の速度低下感知できなければ良いのか、そんな事はありません、KATOポイントは計測値0.0Ωの微少抵抗で1桁大きいのです。 少し草臥れ気味の新ポイントAの0.35Ωデータで例示すると、補助フィーダー設置できないヤードで7線なら1V低下します。
今回もお粗末で非常識なTOMIX電気設計の理解に苦しめられました。 電気設計を低時給の中国にでもアウトソーシングしてるんですかね。 例えそうでも、設計検証する力さえない様では話になりません。 改めてTOMIX電気関連製品は使い物にならないと思いました。
ではまた。

















