Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

CLK講座 8の字エンドレス設計

前回予告した運転重視主義製作者にも満足して貰える『8の字エンドレス』の設計を行いました。 筆者としては気乗りしませんでしたが、『線路密度の低い風景重視コンセプト』を押し付けないと宣言した以上、魅力的な線路配置を提案する責任があると考えました。

【TMS表紙を飾ったレイアウト】


★8の字エンドレス設計

今回の設計は経済性を考えた以下制約条件を予め設定し、それを守って行いました。

曲線レールは本線エンドレス使用R282/45度と、4番ポイント付属で駅構内使用のR481/15度の2種類に限定、直線レールも駅構内使用のS248・S124・S62,及び端数レールS33・S38(各2本セット販売)、4番ポイント付属で余剰になってるS64だけで設計します。


他のレールS186やR315/45度使えば設計自由度向上しますが、いずれも4本セット販売で、敷設完了後の余剰レールが無駄になるからです。 当社従来線設計時も余剰レールが少ない設計をしました。 小型レイアウトでは、敷設コストを抑える重要ポイントです。

左右ループ線B案ベースで設計着手、最初は右ループ線の解体と移動です。 右端から右上に至る本線のS38を撤去し、R481/15度とS248を接続します。 右ループ線はR282/45度3本撤去し、S62・R481/15度Sカーブと共に左へ4mm移動しました。

変更部分を拡大すると上図の通りで、中央駅から右上を回った本線は、移動したループ線の下を潜って、右上から左下へ30度の角度で出てきます。 A案・B案で奥の直線をS33x2で寸法合わせしましたが、ループ線の左4mm移動でS66⇒S62に変更されてます。 この場所の立体交差はA案・B案と同じくトンネル内で行うので、他にトンネル設置できません。

移動した右ループ線先に930mmの長い直線を接続しました。 本線と接続した左ループ線を複線間隔33mm下へ移動して切り離し、右側と同じく8本の円から3本を撤去してます。

左上部分を拡大すると上図の通りで、右下からの長い直線とは15度角度が異なり、このまま接続できません。 ここから先どうするかで長考になりました。

悩んだのは制約条件❺『線路だらけ風景』を避けるで、左上コーナー部に線路が2本並ぶのをどう処理するかです。 単線区間に線増して複線化した区間、東北本線奥中山や碓氷峠の様な雰囲気にできないかと、複数案を検討しましたが、帯に短し襷に長しで・・・。

【当社従来線東基台複線配置設計図】

当社の750mm幅東基台南部は折り畳みエンドレス3線処理に苦心しました。 1本は図面下スイッチバック本線、残り2本を完全複線配置して『線路だらけ風景』を回避してます。

【折り畳みエンドレス複線配置】

小型レイアウトで使用曲線限定してるので、ここまでは無理にしても、線増複線化区間では上下線が間隔保って並行してない風景は良くあるからです。

最終的に930mm直線を62mm短縮してR481/15度で繋ぎ込む案を選択し、他にも案がありますが、中央部繋ぎ込み都合と敷設時の勾配やカント設計を考えての最善に近い妥協案です。 左ループ線出口に、1番線ホームを逃げるR481/15度を接続してます。

左上コーナー部分を拡大すると上図の通りで、この区間の2線間隔は最小37mm、最大54mmで並行します。 この2線は共に左上から左端を通り中央駅まで下り勾配なので、標高設計を工夫すれば、峠を越える複線、正に奥中山か碓氷峠の雰囲気を再現できます。

最後は右上から左下への30度直線と、左下から右上への45度直線を伸ばした交点をR481/15度で接続しました。 左ループ線出口はS64を挟んだS字カーブで右上から左下への直線と接続可能です、と言うよりここにS62またはS64使える様に左上コーナーを設計でした。 設計ツール上で接続する右上からの直線長は388mmになりました。

【TMS表紙を飾ったレイアウト】

ココまで来ればできたも同然388mmをどう達成するかです。 とは言え388mmはS248+S124の372mmで16mm足りず、更にS62加えた434mmでは48mm長過ぎる中途半端な寸法です。 ここにも端数レールが必要で、S38x2とS64で388mmになりました。 基台に線路配置をケガキ、誤差なく敷設するのが基本ですが、長さが合わない事もあります、2mm余剰はS64をS62へ、逆に2mm不足はS64をS33x2に替えれば合わせ込めます。

高架線の線路を入れ替えて立体交差図面にしてあります。 見える場所の交差なのでトラス橋下を通過する形にしてますが、まだ検討の余地があります。 デッキガーダー橋は橋下のクリアランスが必要なので、勾配設計で再検討します。


気が進まず着手した8の字エンドレス設計でしたが、定尺小型レイアウトとしては運転重視主義製作者にも満足して貰える線路配置ができたと思います。 後は勾配設計の工夫で魅力的な線路配置に仕上がれば良いのですが、疲れた~、フーッ。


ではまた。

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