Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

TOMIX『完全選択式』は凄いかも…

前回記事公開後もう一度考え、TOMIX『完全選択式』は、通電不良・切替不良がなかったら『誰でも簡単に遊べる』コンセプトを実現する素晴らしい方法だと理解できました。 現状は貴重な宝物を持ちながら、劣悪な製品品質と顧客対応の拙さで宝物をドブに捨ててます。 新ポイント調査の前に、何故『完全選択式』が素晴らしいと考えたかを解説します。

【2/07記事にリンク貼ってあります】
この記事に書いた『ポイントはトング側から給電』原則を前回KATOポイント解説図に反映してます。 『ショート事故を防止し、常にポイント開通方向の列車だけが走行し、他列車が暴走しない』からです。 レイアウト線路配置展開図で確認すれば解ります。

【フィーダー基準の線路配置展開図】
左右任意のAXとBXを接続しエンドレス複数でも大丈夫です。 Pecoの場合はAX/BX接続部にギャップ設置必要ですが、『非開通内側レール非給電式』のKATOと、『完全選択式』のTOMIXは直接接続で問題ありません。 電源2台の場合は、上記展開図を電源フィーダー毎に作成し、双方電源のフィーダー給電境界部にギャップを設置すれば良いのです。


以上原則は高校生に理解できても、小学生の理解には無理があり、TOMIXは2線式鉄道模型発祥以来継続遵守されてきた『ポイントはトング側から給電』原則を果敢に無視しました。 何故なら誰でも簡単に遊べるTOMIXコンセプト実現にはこの原則が邪魔になるからです。

【ダブルスリップポイント】
ダブルスリップポイントは、レイアウトスペース有効活用の『魔法の杖』的存在で、PecoとTOMIXから販売されてます、KATOは原則守ると平均的ユーザーには使えない事と道床内スペース不足で諦めてます。 両社製品を比べると、設計コンセプト差が良く解ります。

KATOの2番Y字ポイント2個をトング側同士接続すると、機能的にダブルスリップポイントと同じになるます。 『ポイントはトング側から給電』原則に従うと、接続部にフィーダー設置が必要です。 老舗鉄道模型用レールメーカーPecoから見ていきます。

【Pecoダブルスリップポイント】
赤と青の長丸部は電気的に一体化されており、『ポイントはトング側から給電』原則に従いフィーダー用給電線が出てます。 左右にトングスライダーがあり、上下方向にトング2個連動で切り替えます、ポイントマシンは2個必要です。

裏側から見ると赤青長丸部に加え、左右フログからも給電線が出てます。 一体どうやったらこのポイントを列車が通過できるのでしょう、大人でも頭を抱えたくなる難題です。

4本の給電腺はPecoダブルスリップポイントが4電気区間で構成されてるからで、ポイントマシン2個切替に合わせ、フログ極性も切り替える必要がある超複雑ポイントなのです。 KATOが製品化諦めたのも無理ないと思います。

ポイントマシン2個とフログ極性切替4モードで、列車通過が可能になります。 十分過ぎるほど複雑で、とても小学生どころか電気が苦手な大人にも歯が立ちません。 誰でも簡単に使える様にする為に、TOMIX は二つの大きな変更を加えました。

【TOMIXダブルスリップポイント】
変更点-1:ポイントをトング側とフログ側双方から給電可能にする。
TOMIXダブルスリップポイントにはフィーダーがありません、フログ側給電で動作するからです。 このフログ側給電を可能にするのが『完全選択式』なのです。 つまり配線方法が解らない人の為にフィーダーを削除し、外部給電で動作する方式に変更したのです。


変更点-2:4モード切替を『直進』と『スリップ』の2モードにする。
ユーザーから見たダブルスリップポイントは直進かスリップかの二者択一で、Peco4モード切替は原則を別にして難解で使い難い製品です。 TOMIXはユーザー感覚に合わせ2モード切替で、電気知識不要で使える製品です。 その構造と電気特性は以下の通りです。

トングスライダーはPecoと異なり、上側左右と下側左右をセット化し両セットをポイント中央側へ引き寄せて『スリップ』、外側へ押し開き『直進』になる2モード化してます。 トングスライダー2個安定切替にはポイントマシン2個必要ですが、道床内収納する為に1個のポイントマシンで2個のトングスライダー同l時切替してます。 ぽピントマシン負荷2倍の苦しい構造設計が、切替不良多発の原因になってます。(仏造って魂入れずです)

トングスライダーを外側へ押し開き『直進』モードにした時の、ポイント各部の導通は上図の様になってます。 ポイント中央部縦に4ヶ所ギャップがあり、ポイント内部スイッチで接続を切り替えてます。 ポイントにフィーダー設置しなくても、左右方向の一方から及び左上右下方向の一方から、ダブルスリップポイントへ開通時に給電されて動作します。

続いてトングスライダーを内側へ引き寄せ『スリップ』モードにした時の、ポイント各部の導通は上図の様になります。 ポイント中央部4ヶ所ギャップ接続をポイント内部スイッチで切り替えてます。 フィーダー不要のフログ側給電方式は『直進』モードと同じです。 なおフログはPecoと異なり電気的に分離されており、フログは非給電無電区間です。


以上解説した様に、PecoとTOMIXダブルスリップポイントの使い易さは天地ほどに違い、それを実現したのが『完全選択式』ポイントによるフログ側給電と、切替モード2モード化です。 『完全選択式』メリットは他にもあります、レオアウト製作が楽なのです。

【当社従来線ギャップ・フィーダー・電気区間図】
レイアウト線路配置が決まったら、通常は何処にフィーダー設置し、何処を絶縁ジョイナー接続してショート防止ギャップを切り、電気区間区分を決める電気設計を行います。 当社はデュアルキャブコンなので、線路敷設前の電気設計に1ヶ月以上を要しました。 多くのレイアウト製作者が同じ手順だと思ってましたが、TOMIXならもっと手軽にできます。

唯一注意すべきは2電源2列車運転の境界部、例えば複線エンドレスそれぞれに電源接続し、連絡用渡線を設置する場合で、TOMIXでもギャップ設置しないと電源がショートします。 ポイント2個片渡線でなく両渡線使えば、ポイントにギャップがあり、何もする必要ありませんが、両渡線中央クロス部が無電区間なので、高速通過する必要があります。

TOMIXなら線路配置設計完了後すぐレール敷設しても大丈夫です。 『ポイントはトング側から給電』原則を守る必要がなく、かつフィーダーは後で位置決め可能な形状なので、電気が苦手な人でも『不走行』と『暴走』が発生しない場所を試行錯誤で探せば良いのです。 この方法でレイアウト製作されたTOMIXユーザーも多いのではないでしょうか。


電気知識不要で手軽にレイアウトを楽しめる様になったのは、一重にTOMIXの功績で良い事だと思います、そう考えるとTOMIX『完全選択式』は凄いです。 鉄道模型を走らす為に中学生になったばかりで一生懸命電気の勉強したのは昔の話、現代は難しい事、面倒な事は全部人任せにし、利用価値だけを楽しむ時代に様変わりしてますね。


ではまた。

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