KATOストラクチャに想う事アレコレ
久し振りにKATOホームページ覗いたら面白い新製品がありました、現代型住宅各種です。 新型JR車両が次々発売され、平成後期が時代設定のレイアウトに似合う民家がなかったので良い狙い処です。 KATOストラクチャは伝統的に完成品販売が多く、これもそうです。
【通販サイトより】
令和に新築された住宅として通る外観で、庭木2本付きも親切で置くだけで様になります。 欲を言えば花壇やエアコン室外機等ディテールがあれば満点です。 ただし夜景の照明組み込みに問題があります、分解して遮光処理、LED設置が他社キットより大変なのです。
KATOは木造機関庫・構内建物・ローカル駅舎・鉄道官舎等、蒸機時代のストラクチャ多数継続販売してますが、それ等に似合う住宅や店舗群をかつては、と言ってもつい10年前まで販売してました。 当社では種類の少ない民家全4タイプ、店舗も4タイプ採用してますが、現在は何故か販売休止されてます。 夜景の使い難さを当社事例で解説します。
唯一設置済の民家Aです、キットなら部品単品で遮光可能ですが、分解し内面黒色遮光塗装が必要です。 次に光の通路やLED設置用穴加工し、室内用3灯、門灯1灯を組み込み、様子見してLED電流を調整しました。 建コレやGMの小型建物は1灯で何とかなりますが、このサイズでは多灯分散配光にしないと、照明の自然さを実現できません。
照明組み込みの他はウェザリングと県道側に泥ハネ除けフェンスを設置し、表札・ホーロー看板・屋号看板のステッカーチューンを施しただけです。 完成品分解に始まり、LED設置にユニバーサル基板を使う等、建コレストラクチャ製作数倍の手間が掛かりました。
民家Bは連子格子が美しい民家で、4棟民家の最初に製作しました。 玄関左の居間だけ照明点灯にしたので、室内2灯、門灯1灯の3灯です。 民家全室の窓が明るい夜景は実際にない不自然な物です。 県道から少し離れて設置するので泥ハネ除けフェンスはありません。
現代住宅の照明点灯隣室は真っ暗ですが、古い木造家屋は障子間仕切りや欄間があり、隣室がほんのり明るい物でした。 また室内光源から独特の角度で外に漏れ出た光が、前の道を歩く人の足元を照らしました。 LED設置位置はこの要素への配慮も必要です。
【遮光処理しないとこうなる】
遮光処理しないと壁全体が透けます。 以降内面全て黒色塗装前加工して製作してます。 GMの様に安価な未塗装キットでお好きにどうぞなら解りますが、完成品なら手軽に夜景を楽しめる様に、壁材遮光やLED取り付け場所確保等をメーカーがすべきだと思います。
民家Cも1階居間と2階1室と門灯照明で4灯組み込んでます。 1階真っ暗では不自然なので居間照明しようとしたのですが、廊下奥の仕切り板が障子ガラス部分だけ穴が空いてるだけで、障子紙部分は印刷でした。 室内点灯で障子真っ暗は有り得ず大変苦慮しました。
思い悩んだ挙句、居間廊下仕切り板を薄く削って室内から高輝度照明すれは透けるのではのアイディアを試し好結果を得ました。 夜景実現への配慮欠落の構造設計/部品設計です。 なおテープを貼った部分は、透けては困る障子建具腰板を遮光してます。
民家Dは他民家と県道反対側、倉元駅に通じる田舎道の三叉路角に建つ住居兼用商店です。 カーテンの引いてない左側が入口で、県道に面するので部分的に泥除けフェンスを設置してます。 手抜きせず店内まで作り込み、照明は1/2階と補助灯含め6灯設置してます。
完成設置後は作り込んだ店内が見える事はまずありません。 川を望む崖上に建つこの面が通常鑑賞方向なので、庭木や花壇等を作り込み、2階2室点灯で室内を見せる替わりに、1階厨房と水回りを消灯してバランスを取りました。
設置済右手前民家Aに加え、この様な位置関係で県道沿いに4棟並び、ドライブインを加えた5軒で小さな部落を形成します。 築堤上列車の車窓風景アングルです。
夜景には集合体としての輝度と色味のバランスが重要です。 単体でOKでも集合にすると部分的に明るい暗いがあり、修正し合わせ込みました。 当時の県道は街灯なしでしたが、時代考証より見た目、街灯を加えるとより魅力的な夜景になりそうなので追加します。
KATOは民家と同じ雰囲気の商店を2形式左右で4種販売してました。 当社では中山平大衆食堂として採用してますが、遮光処理してませんが漏光はありまあせん。
同じくKATOでは、もう少し新しい看板建築商店も4種販売してました。 当社では文具店と角店の米屋に2棟採用してます。 以上紹介した商店ストラクチャ1階天井にフレネルレンズ形状の導光拡散板が組み込んであり、その一端にLED設置すれば店内全体がほぼ均一に照明され、かつ無駄な方向への光束がなく、遮光処理なしでも漏光しない優れモノでした。
その他に小型で導光拡散板のない看板建築商店数種もあり、当社駅前通り呉服店と雑貨店に2棟採用してます。 建コレに遠く及ばずとも、KATOの住居と商店は充実してたのです。 蒸機時代に相応しいストラクチャ販売をKATOは何故休止してるのでしょうか。
【通販サイトより】
現在入手可能な昭和に似合うKATO商店ストラクチャはコレ1種類だけ、継続販売でなく売れ残りかもしれません。 この製品が導光拡散板付きか否かは不明で、住宅2階部分照明には遮光処理が必要になると思います。 お値段¥3,360は高価で、10年前の倍以上です。
【通販サイトより】
二世帯住宅も三階建ても現代的ですが、購入して分解調査するまで夜景照明にどれだけ配慮した製品なのか全く解りません。 昔の白熱電球照明と現代のシーリングマウントLED天井灯では、色味が違うだけでなく漏れ出る光の様子も違うのです。
KATOの製品作りには時々首を傾げたくなります。 個々の製品ポテンシャルを『1』として、ある期間の新製品10種の場合、総合ポテンシャルは『10』でなく『12』または『13』でなくてはなりません。 製品群を貫く思想や方向性の相互作用で+αを生み出すのが事業戦略です。 最近のKATO新製品群からは、目指す方向性が見えて来ません。
ではまた。














