HOナロー転車台の実用的設計
HOn2 1/2レイアウトの設計記事で、以下図面を使い市販品とは異なる転車台の制御法を解説しました。
【過去記事より転載】
市販転車台の転車台独立フィーダーと専用ディレクションSWを設置し、リバース線制御を行う方法は非常に使い難い。 転車台主桁フィーダーFTTは入庫線に従属させれば操作が簡単で解り易いという筆者の考え方を表わす、電気特性説明図として掲載した図面でした。
ところが説明が不足で、N用転車台を自作された『ぎっしゃ』さんから、『主桁電源をバネ摺動で供給するのは信頼性に欠けるのでは?』のコメントを頂戴しました。 全くその通りで車両走行電流0.3-0.4Aに図示の方法では通電不良確実です。 文書でコメント回答しましたが、同様な疑問を持たれた読者も居ると思いますので、実用的設計を行いました。
主桁はピット内をスムースに回転する必要があり、ピット中心の主桁軸に主桁か固定されてます。 主桁軸は3mm径の中空パイプで主桁フィーダー線を通します。 主桁軸のピット下には不均等長のアームを取り付け、アームとストッパーにより、主桁は1時から11時方向の300度しか回転できず、主桁フィーダー線の捩れを制限してます。
ではアームの長い向きに着目し、前図を10時方向とした場合、180度回転した4時方向はどうなるでしょうか。 主桁と入庫線の極性変化はなく進入可能、つまり『主桁の方向性なし』です。 アーム先端が6時方向通過時にFTT/F1b切替SWを切り替えてるからです。
駅構内レールは基台天板上25mmの設計なので、そのスケールでの断面図です。 6時位置の6端子2ポジション(中点OFFなし)トグルSWでFTTとF1b接続を反転します、この方法なら通電不良は発生しません。 ここでポイントになるのがアームの素材選びです。
アームはトグルSWつまみ先端2mmの長さです、接触してトグルSW切り替えた後はアームが撓ってSWつまもを乗り越えて大きな抵抗なく主桁が回転しなければなりません。 丁度良い素材があります。 レイアウトルームの7mm厚床マットを使います。 トグルSW切替後つまみを乗り越え、10mm程度重なればストッパで確実に止まる剛性だからです。
前図は6時方向からの断面図ですが、主桁回転機構図は9時方向からです。 小型で反対側に庫もなく、また制御盤なしの簡素な制御装置を採用するので、電動なんて面倒な事しません。 レイアウト手前基台端に近い場所に転車台があるので、手動操作にしました。
主桁軸を基台天板を貫通させた裏にギアボックスを設置し、16番用ウオームギアで台枠端面からつまみ付ダイアルを回して回転させます。 16番電車用13:1ウオームギアを使い、ダイアル6回転半で主桁が180度回転し、ギア比分の操作力が軽減するので使えると思います。 回転ロック機構アイディアもありますが、目視合わせでも行けると考えてます。
★市販転車台は使い難い!
市販転車台の使い難さ=設計の不味さについては以下記事で指摘してますが、電気設計の話は難しく、十分理解されなかった様です。
今回転車台設計したので、改めて解説します。
【KATO転車台取説より】
転車台は180度回転毎に主桁レールの極性が反転します、その結果、
①主桁方向をモーター室位置から確認必要。
②極性を合わせる為に、TTCのディレクションSW操作が必要。
③転車台入庫線にはショート防止ギャップが必要。
上記①~③は以下変更を行う事で全て不要、無駄なのです。
たったこれだけの変更で格段に使い易くなります。 ①は筆者作例ではトグルSWをアーム先端で切り替える原始的方法を採用してますが、主桁方向が0時-6時か6時-12時かの検出信号でリレー切替で簡単に実現できます。 模式図で視覚化して説明します。
転車台フィーダーFTTは180度回転で極性変化しない様に、主桁角度で順接/逆接切替素子を介して入庫線フィーダーから供給します。 市販転車台には同方向に回転し続けてもFTT給電線が捩れない接続素子が使われてるので、ストッパーによる回転角制限は不要です。
この設計で考えるのは左から右へ移動する入庫か、逆方向の出庫かだけで、それは入庫線フィーダーのディレクションSWで決まります。 主桁方向、入出庫蒸機が順行か逆推進か、転車台で方向転換するか否かも一切無関係で、格段に使い易くなります。
【過去記事より転載】
こんなユーザビリティが劣悪な転車台が市販されてるのは、先行したTOMIX設計者が上記発想で設計したからで、発想力・設計力貧困と言うしかありません。 KATOさん、いくら後発でも、劣等生の答案を丸写ししたら落第ですよ。
ではまた。







