Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

物価高騰雑感

今日は雑談にお付き合いください。


★床屋からカットハウスへ
1983年に諏訪へ転居して以来2004年まで、長年馴染みの床屋へ通い髪を整えてました。 店主と無駄話の小1時間は結構楽しい時間でした。 2004年から退職する2010年までは東京単身赴任で、金帰月来でしたがタイミングが合わず、初めて¥1,000のカットハウスに入りました。 10分少々で完了、見栄えも悪くない、これで十分と見直しました。

2004年諏訪の床屋の料金は¥3,900でした。 洗髪と髭剃りなしのカットだけで価格1/4、時間1/5、理容師は技能職で若い人使えば十分利益が出せると納得しました。 退職後は馴染みの店に戻らず、地元¥1,000カットハウスに通ってます。 消費税改定の度に¥1,100、¥1,200と値上がりし、今月初めに行くと¥1,300へ値上げしてました。

【利用店HPより】
聴けば今年は31年振りの5%超えの大幅賃上げ、それでも物価上昇に追い付かず実質賃金はマイナスだととか。 年金生活者に厳しい世の中になってきました。 公的年金は年額150万円少々で、コレだけで生活するのは無理です。 企業年金と退職金一部を積んだ個人年金があり、レイアウト製作や俳句にお金遣えるのは恵まれた環境だと思います。

【20年間通った床屋】
20年間通った床屋の店主は筆者より一回り以上齢上で、引退あるいは亡くなり、息子の代になって建て替えられました。 今のご時世ネットにHP公開してますが、2004年¥3,900だった料金が今どうなtってるかは掲載されてません、多分¥5,000前後なのでしょう。 現役時代の毎月を2ヶ月に1回、カットハウスで床屋代を1/8にマネーセーブしてるワクです。


★1967年57年前との物価アレコレ比較
先日紹介のTMS掲載広告に興味を持ち調べました、床屋の話は枕です。

【TMS1967年2月号】
この号が発売されたのは東京オリンピック開催と新幹線開業で戦後復興が一段落し、3年後の大阪万博開催へ向けて、日本が経済大国の道を歩んでた頃でした。 筆者はと言うと、春から高校3年生、学園紛争が始まり『悲しき受験生』の境遇で、憂鬱な気分でした。


1. 収入はどれだけ増えた?
この時代から現在まで収入はどだけ増えたのでしょうか。 この号発売の冬休みにアルバイトしました、時給¥100で10日働き¥8,000手に入れました、今年最低賃金が¥1,000に到達したので、最下層労働者賃金は10倍に増えてます。 大学卒初任給も比較します。

統計資料左端は翌1968年、右端2017年までしかありません。 1968年は¥29,000程度に見えます、毎年インフレで上昇率が高く、1967年は¥26,000前後と推定できます。

一方で今年の大学卒初任給は23万円余で8.9倍、世代間格差是正で1990年代から初任給を押さえる傾向が定着したので、入社後3-4年目で比較すれば10倍に増えてます。 つまり過去57年間で収入は1桁増えました。


2. 物価はどれだけ上昇した?
一方で物価はどれだけ上昇したのでしょうか。 例えば鉄道初乗り運賃は¥10から15倍に、封書¥10葉書¥5の郵便は11倍、17倍に、煙草は11倍に上昇してます。 全ての物価が10倍以上ならば、57年前より可処分所得が減り、生活は貧しくなってます。 地方では1人1台車を所有し、毎月高額なスマホ費用を負担してる現在、そんな事は有り得ません。


物価比較には何らかの指数比較が必要で、大学卒初任給統計の貨幣価値換算赤ラインが使えます。 このデータを基に計算した結果は、以下の通りです。(計算省略)


過去57年間に物価は7.5倍上昇した。

7.5倍の物価上昇を身近な例で説明します。 高校で帰りが遅くなると空腹に耐えかねて、学校最寄駅の食堂で時々¥60のラーメンを食べました。 イラストより粗末な素ラーメンで¥100かつ丼には手を出せませんでした。 7.5倍するとラーメン¥450、かつ丼¥750、メニュー多様化し、安値チェーン店もありますが、実感に近いと思います。


7.5倍の物価上昇に対して収入が10倍に増えた訳ですから、生活の豊かさは10/7.5で1.33倍、33%改善に見えますが、実はそうではありません。 衣食住の生活基礎費用を除いた可処分所得は1.33倍でなく2倍前後に増えており、生活の豊かさ実感に繋がってます。 豊かさにすぐ慣れ、更に更にの欲望が強くなるのが人間なので、満足はしてないと思いますが。


3. 鉄道模型に関する物価変化
では鉄道模型に係る物価変動はどうなってるでしょうか。

【TMS1967年1月号裏表紙】
まずTMSから、1967年2月号は¥180です、定期購読始めた頃は¥140、バックナンバーで揃えた一番古い1961年3月号は¥100でした、6年間で1.8倍になってます。 東京オリンピック前後のインフレの影響です。

【書籍通販サイトより】
現在の価格を調べると7.5倍¥1,350より安い¥1,100、6.1倍でした。 上質紙カラー印刷満載でこの価格なのは、出版不況で価格抑えないと書籍が売れない世の中だからでしょう。

発売されたばかりのNゲージ初の国鉄電機EF70は¥2,950、当時は16番に対して非常に安いと驚きましたが、7.5倍すると¥22,125になり、現在の感覚では非常に高価です。

ところが現在の同時代同クラス電機は、はるかに高品質化してるのに当時の1/3の価格です。 可処分所得が2倍増えてる事を考え合わせると鉄道模型は6倍買い易く、鉄道模型の大衆化が図られ、誰でも気軽に楽しめる様になりました、ご同慶の至りです。


一方で16番主流当時の状況、筆者がレイアウト製作を目指し悪戦苦闘してた頃のハードルの高さを振り返ります。

比較的安価なモデルを販売してた鉄道模型社のC62が¥56,000、EF58が¥45,000、電車ファンが153系TcMM'Tc4連欲しければ、¥71,625で、学生は手を出せませんでした。

多少高品質モデルを販売してたカツミの一番安い国鉄蒸気はD51の¥85,500、これも高値の花でした。 筆者がこんな話をするのは昔を知る者として、現在は何と恵まれた趣味環境なのだろうと思うからです。 それが当り前と育った若い方は有難みは無関係ですが。


ではまた。

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