半世紀前のTMS 1966年12月号
前回に続きTMS1966年12月号からの紹介です。
【1966年12月号表紙】
表紙は前月号から連載されてたナローの魅力HO2 1/2祖師谷軽便鉄道です.。 同じく前号から連載の『キユ25の作り方』後半も当号です。
1.作品グラフ
1-1. 9mmゲージ米国型蒸機
最初は日本訪問中の米国人鉄道模型ファンが持ち込んだ9mmゲージの蒸機です。
サンタフェ鉄道スタイルのアトランティックで、西独ラピード社製品を改造した下回りに自作上回りを組み合わせており、テンダー台車もラピード社製貨車の物を利用してます。
作者は30年のキャリアを持つファンで、下回り改造とは言え、Nの自作蒸機は中々できる物ではありません。
TMSは米国MR誌と交流があったので、TMSの存在も米国で知られてたかもしれません。 作品グラフ掲載のみで製作記はありません。 作者のレイアウトやこの蒸機が牽く列車走行写真があればと感じます。
1-2. サドルタンクロコ
2番目は米国B&O鉄道のドックサイトBタンクロコのモデル化です。
サドルタンクは、ボイラーの上を跨いで水タンクを搭載した珍しい形式でした。 小型Bタンクロコなのでで、森林鉄道か鉱山鉄道、あるいはナローかと思い調べると、B&O鉄道は米国最古の鉄道の一つで、ボルチモア・アンド・オハイオ鉄道の略でした。
作者はこのロコの魅力に取りつかれ、金属工作初号機に選び、これは第2作の再製作です。 1/87スケーのHOモデルで、製作記は割愛します。
1-3. 山陽電鉄200型
戦前に流行し国鉄にもあった『流電』の生き残り、山陽電鉄200系のモデル化です。
全長16m弱の小型で、元はポール電車でしたが改装されてます、製作記は割愛します。
2.新製品紹介
2-1. カツミ製C55とC57一次型
カツミの高級蒸機シリーズシュパーブラインはD51からD52/D62/C53と続き、C55/C57一次型が発売されてます。
オーナーカスタマイズの為に未塗装組立キットで、追加ディテーリングの余地を残した設計になってます。
C55は特徴である水かき動輪をこのモデルの為に新製しており、力が入ってます。 出来栄えについては絶賛に近い評価ですが、ヤスリ加工しないと組めない箇所があったり、同梱された組立説明図が図解のみで解説がなく、初心者には組めない等苦言を呈してます。
真鍮製蒸機は手工芸品になっており、2011-2012年にカツミ模型店では23万円の値札が付いてました。 実に20倍です、現在は何処まで値上がりしてるのでしょうか、筆者が所有してた松本模型のペーパー車体旧客も15倍でしたので、手工芸品は貴重品になってます。
2-2. KATO トキ15000
新製品紹介欄にN初の貨車トキ15000が掲載されてました。
精巧なボギー貨車がワンコインでお釣りが来る値段だったとはチョッと信じられませんが、KATOが最初に発売した貨車です。 ボギー中心間隔はスケールより短く、逆にホイールベースはスケールより長く、全体の印象が実車と異なると指摘してます。
と言うのは台車マウントカプラーにした為で、ディテールが素晴らしいだけに、台車中心が内側に寄ってるのは何とも惜しいと評してます。
一つ前の新製品103系に対し、サイドの帯、リベット、票差し、妻板の解放テコ、床下器具やそのパイピングまで美しく再現してると絶賛してます。 当社にも1両在籍してましたが、台車マウントカプラーのナックルタイプ改造に失敗して廃車されました。
ではまた。












