ナローの魅力 祖師谷軽便鉄道
今回は前回沼尻鉄道を訪問取材した作者のナローレイアウト祖師谷軽便鉄道の紹介です。 作者は最初に何分の一スケールで製作し、何mm軌間レールを走らせるか悩んでます。
当時ナローの世界の趨勢は米国ではHOn3、915mmの1/87で10.5mm軌間レール、欧州ではHOn2 1/2、762mmの1/87で9mm軌間レールが主流で、高価でしたが輸入品HOn3用10.5mm軌間レールも入手可能でした。
一方国内のナロー主流は日本独自の16番と共存させる目的で1/80スケールにHOn3用、10.5mm軌間レールが主流でした。 16番自体が16.5mm軌間レールに1/87米国型HO、1/76英国型OO(ダブルオー)と一緒に国鉄車輛(新幹線は夢だった時代)、軌間が異なる京急/京王車両も走らせる為の規格でない『約束事』だった事による混乱を引きずってました。
762mmの1/80は9.5mmですが、本線が13mmなら兎も角、ガニ股16.5mmではバランスが取れません。 そこで『16番ナロー』と言うべき1/80、10.5mm軌間が採用されてた訳です。 作者は16番と共存を考えなければ国際規格に準拠すべきとHOn2 1/2を選びました。
HOn2 1/2は以下3点で有利だからです。
➊縮小率が大きい方がスペースを有効に使える。
➋KATO9mmゲージのレール/ポイントが使える。
➌ストラクチャ類を1間=20mmで設計製作できる。
9mmゲージレールが使えると言っても、そのまま使える訳ではありません。 枕木を間引きし、角が落ちた状態にする為、半田ゴテで角を溶かす加工をしてます。 当時販売されてた曲線線路R270/R300も同様に加工し、更に急曲線にもフレキレールとして使ってます。
枕木間を紙粘土と砂で埋めると、通行人に踏み固められたナロー軌道が出来上がります。
ポイントは糸鋸でマシン部を切り取り、マッチ棒を継ぎ足した枕木に錘付き転轍器を設置してます。 ポイント切替は裏から16番用マシンです。 枕木間引きについて書いてませんが実施したと思います。
沼尻鉄道川桁駅の給水タンクを小型化して製作し設置してます。
転車台は川桁駅より大型、カメラフィルターケース利用の50mm径ピットで、小型DLが乗るサイズです。
180度毎極性反転仕様で、転車台奥に庫がない場合は使い易い設計です。
取り外した転車台、何とも小型です。
木製橋脚の橋梁はナローならではです。
交換施設のない停留所タイプの駅です。 低いけれど立派なホームとオープンタイプの待合室が設置されてます。
カプラーはベーカー型に似たEggerタイプを採用しており、解放ランプを設置してます。
構造は線路間にスプリングベルトで張った薄板を、基台端面からレバー操作する方式で、16番レイアウトにも応用可能な方式です。
沼尻鉄道車両をプロトタイプにした客貨車を製作配備してます。
マッチ箱の様な車両を、マッチ箱の様な小型ロコが牽く風景です。
祖師谷軽便鉄道は砕石輸送鉱業路線の想定で、2軸の客車で旅客輸送もしてます。 ロコは2軸DLの他にB型蒸機も現役を続けてます。
配置図がないので詳細は解りませんが、2重に折り畳んだエンドレス+リバースの本線と、手前右端転車台から左端砕石ホッパーまでの貨物引込線で2列車運転する配置の様です。 16番では1200x1800mm、4倍のスペースが必要な事が、HOn2 1/2だとスケールは1/80と1/87の1割差でも、軌間の狭いレールと小型車両で収まってしまうが不思議です。
ではまた。

















