エコーヒルライン
先日のレイアウトスペースを考える関連テーマとしての紹介です。 作者は中学2年で鉄道模型を始めると同時にレイアウト製作に手を染め、900x1800mmに線路を敷き詰め、脱線に次ぐ脱線で廃線になったそうです。 線路敷設技術が未熟だったからでしょう。
2代目レイアウトは改築時にできた屋根裏部屋、サイズは1500x3000mmに広がりましたが、ポイント脱線、ショートや走行停止、今度は電気知識の未熟さが原因だった様です。 このレイアウトは高校生作者の3作目、息子の金喰い道楽を許す家庭環境だったのは間違いありません。 3代目レイアウト製作に当たり定めた目標は以下の通りです。
➊2-3列車同時運転。
➋17m級車両5両以上収容ヤード3本以上。
➌リバース線を有する。
➍最小曲線半径R550。
➎四方の壁を背景に利用する。
スペースが広いのでかなり欲張った盛り沢山の仕様です。
この要求仕様を充たすプランは2000x3950mm屋根裏部屋一杯にオープントップ基台を設置し、中央2ヶ所に穴の開いた眼鏡型敷地に、オーバルエンドレス3本とリバース付き8の字エンドレを配してます。
設置場所が屋根裏部屋、敷地面積、周囲4面壁と当社従来線とほぼ同じ基本仕様ですが、16番とNで実質1/3.5のスペースに、当社の倍以上の線路を引き回してます。
一つだけの窓が右端に見えてますが、この面も背景になります。 レールは全て洋銀製フレキレールで、合板基台に直接敷設してます。
停車場は2面5線駅です、ポイントマシンは全て裏面でなく表面に設置してます。 裏面工作とメンテが難しい基台構造だからでしょう。
線路配置図左下停車場出口側は4本のレールが並んでます。 線路密度が高いので、エンドレス半分強をトンネルで隠してます。
作者はTMS誌上に度々登場した米国ロッキー山脈越えレイアウトの風景に魅了され、岩山の風景再現を目指し垂直に近い崖を3面に作ってます。
紙帯の上に下地ハトロン紙を3枚貼り重ね、その上から新聞紙を3枚貼り重ねた処です。 1m近い天井近くまでのほぼ垂直な崖で、この上にプラスターを重ねます。
3面の大きな崖なので使用プラスターは半端な量ではありません。 壁上塗り用プラスター25kg入りを3袋、75kgも使用してます。
崖の岩肌表現は、ナイフで削ったり引っ掻いたり、固まったプラスターを砕いて埋め込んだりと様々な工夫をしてます。 しかし残念ながら筆者も見たTMSで紹介された米国レイアウトのダイナミックさには遠く及んでません、その理由は地形製作法にあります。
3面全て1mの崖で線路面をゼロとした上一方向の造形だからです。 線路面を+25cm程度にして、線路より低い崖も作り、オープントップ基台一部を切り欠いて、深さ30cm程度の木組鉄橋でも作れば、地形が立体化して変化に富み、実感的になったと思います。
レイアウト中央部終端駅付近を製作中です。 岩山に囲まれた鉄道なので、米国スタイルの森林鉄道です。
トンネルポータルは自作で、レンガ積や木製タイプを数個製作し、数が多いので他は岩をくり抜いたタイプにしてあります。
プラットフォームは米国型の低いタイプで、上屋はありません。 また全線見える部分にはバラストを撒布してます。
樹木は雑草の若芽をラッカー固着で大量生産し生やしてます。 ポプラに似た樹形の針葉樹に見えます。
崖がないのは停車場のある面だけです。 目標だった3列車運転は5A電源では容量不足気味で、2人で一杯のスペースで何故3列車運転だったのか、疑問が残ります。 3列車運転の為のエンドレス4本だったとすると、やはり線路密度が高過ぎたと言えると思います。
それに、これだけの大型レイアウトなのに風景の見せ場がありません。 手本にした米国レイアウトの様な、岩山の間を結ぶ雄大な木製鉄橋を盛り込む事ができたハズです。
ではまた。















