Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1967年10月号➊

暑いです、標高900m高冷地でもエアコンのない自室工作は無理ましてや屋根裏はです。

【TMS1967年10月号表紙】
前回の『TMS買物帖』も6月24日公開『機関庫の小アクセサリー』もTMS1967年10月号からの紹介でした。 同号掲載の他記事紹介です。


1.天賞堂モデラーズサロン
天賞堂開催イベント出展作の紹介です。

同じ鉄道模型マニアでもライブスチーマーは一種独特な存在です。 蒸機を蒸気機関で走行させる事が最優先課題なので、実車のスケールやディテールは後回しになります。 昔から別人種だと思ってました。(ライブスチーマーを差別する意思はありません、念の為)

5インチゲージ4-4-2、『フライング・ジロー号』として各地イベントやTV出演も果たした有名機関車で、製作着手から完成まで13年を要してます。 牽引力約1tとありますので、ボギー台車数両に十数人の子供達を乗せて、元気に煙を吐いて走り回った事でしょう。

45mm軌間1番ゲージなので台車に人を乗せて走るのは難しかったかと思いますが、運転士だけ横転しない様に”乗車”し、走行操作しないとライブの楽しさないと思えます・・・。

上写真4-6-2のキャブに圧力計ありますから、やはり乗車運転です。

アルコール燃料の1番ゲージ4-4-2タンクロコ、他の石炭燃料機関車より燃焼効率が良く蒸気圧を得易かったのは解りますが、そこまでライブにこだわる理由は理解できません。

本号発行3年前1964年完成の最新モデルです。 Oゲージが驚きですが、世界最小ライブスチームはマツモト模型創業者松本正二氏のC62がギネス世界記録に登録されてました。。


2.組立式レイアウト『私の国鉄』
表紙を飾ったレイアウト紹介です、作者は根っからの国鉄ファンで『私の国鉄』と命名した16番組立式の大型レイアウトです。

中学生時代に鉄道模型に夢中になり、組立式レイアウトを何度も作っては壊して現在に至ると書かれtます、写真の様子からして30年近いレイアウト歴の結晶なのでしょう。 それにしても縁の丸いブラウン管とガチャガチャ回す機械式チューナーTV、懐かしいですね。

作者の作り壊し経験は様々な部分に出てます。 線路は全て100mmの高架線、1m単位でユニット化し、フィーダー/ポイント制御/照明配線は全て高架下のコネクタ接続、10分間で組立運転準備完了できるそうです。

底板のないコの字型ユニットの特徴を活かし、運転終了後は押入に重ねて収納されます。

高架下コネクタ配線なので組立式にあり勝ちな配線だらけにならず、スッキリまとまってます。 キャプションにある様に手前が東京駅、奥が品川電車区、その境界から左にカーブするのが東海道本線です。 エンドレスのないエンドtoエンド線路配置のレイアウトです。

東京駅ホーム風景、細かい部分まで作り込んでます、組立式でもユニット化すれば固定式に引けを取らないストラクチャ製作可能の好例です。

全線高架線勾配なしなのでガード下の商店街を製作してます。 自分の店をレイアウトに設置する遊び心が良いですね。 筆者も写真館ウィンドに家族写真を飾ってます。

東京駅を発車する153系、急行『せっつ』か『よど』でしょうか。 でもほぼ直線域に入った先頭車がこれだけ傾くカントは過大の様です。

品川電車区入口詰所奥にはダミーレールにED14とタンカーを固定配置してます、言わば車両のストラクチャ化で同志向筆者は共感します。

全体は6畳二間サイズで、中間駅名古屋と終端駅大阪/奈良があります。 16番スケールではこれだけのスペース使っても各駅ホーム有効長4両、作者は6両欲しかったと思います。

名古屋駅を発車する新幹線、ホーム上もガード下も作り込まれてます。 終端東京駅なら上野-福島-仙台/山形でも良かった?と思いましたが、新幹線走らすには東海道しかありません。 それに交直両用電車の模型車両がほとんど市販されてない事もあったでしょうね。

 

大阪駅は駅ビル方式ですがホーム上屋もありません、奈良駅は写真掲載もなく名古屋以西は目下建設中なのでしょう。 『レイアウトに完成なし』は昔も今も同じの様ですね。

記事によるとトランジスタコントローラー製作の自信がなくモーター駆動式を採用したそうです。 ノッチオンでモーターでドラムを回し出力電圧上昇、ノッチオフで定速走行、ブレーキでモーター逆転、モーター駆動電圧可変で減速率変化可能だったかもしれません。


最初の写真のTVチューナーとの類似性にク思わずスリとなりました。 昭和50年頃、最初の米国市場向けTVリモコンは、機械式チューナーにモーター付けてガチャガチャとアップダウンしてたからです。


3.581系登場
この当時実車紹介は鉄道P誌と鉄道ファン誌、TMSが新型実車を扱う事は珍しかったのですが、世界初の寝台電車581系となると話は別でした。

著者も『最近マンネリ気味の国鉄電車の中にあって』と書かれてますが、先日紹介した国鉄第3次5ヶ年計画進行中、電車は115系/165系/181系を標準化した、同じ顔の0Hz/60Hz新型車連発中だったので無理もありません、サハネ/モハネの形式名が新鮮でした。

1等座席者も1等寝台もない全2等寝台の思い切った設計です。 従前の2等寝台は昼間使用時6人掛けシートでしたが、寝台向きを90度変更し、昼間使用時はゆったりした4人掛けシートになるのも目新しい点です。

当時の新型電車の標準仕様MMユニットです。 最初の運用は昭和42年10月ダイヤ改正で、大阪-九州間の寝台特急『月光』と昼間座席特急『みどり』と解説されてます。 関東地方の登場は翌年ヨン・サン・トウ大改正後上野-青森間の『ゆうづる』だったと思います。


車輛寸法図が掲載されてます、新型車が出ればすぐ模型が発売される事はなく、一番乗りを目指すモデラーが多数存在してたからと思われます。

貫通扉を持ちながら高運転台の正面は斬新なデザインで、JR化後の351系『スーパーあずさ』に一脈通じる物を感じます。

乗客全てが2等寝台のモノクラスは581系が国鉄初だったのではないでしょうか。


ではまた。

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