Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

機関庫の小アクセサリー

今回はTMS1967年10月号から機関庫の小アクセサリーの紹介です。 機関庫は駅構内奥にあり、中を覗き見る機会はありませんでした。 様々な物が一見雑然と置かれてる様でも実は整理整頓されてるイメージで、倉元機関庫アクセサリーは現時点で何もなく、その材料漁りを兼ねてます。

著者は本文書き出しに『城新鉄道の工事も少しずつ進み、』とある事から解る様に、16番レイアウ城新鉄道製作者で後にエコーモデルを創業されたA氏です。 作例と図面は1/80ですが物によってはNに応用可能です。


➊作業台
工具や部品の一時置場、工作台、高所ペンキ塗りの足場などの用途に使う多目的台です。

A氏はこの様なアクセサリーは決まった寸法がないので適宜決めてくださいと書かれてますが、材料制約は今も昔も尺・間で同じ、作業台実寸56x200x104cmは、60x180x(210)x90cmと考えるべき(105cmは高過ぎる)で、N換算では4x12(14)x6mmになります。


図面に1mm角とか1.5mm帯とか書いてありますが、コレ全て真鍮材で半田付け組立です、天板のみ0.3t真鍮板に1mmバルサ材を貼ってます。 『熱が回ってバラバラにならない様に』って、Nスケールでは至難の業、筆者には16番でも絶対無理、最初からプラ材です。


➋庫内工作台
名前と用途が違うだけで作業台と似た台です。

運んで使う用途込みの作業台より奥行きと長さが大きくなってます。 でも35mm、1間半2.7mは4本足では長過ぎ、Nスケールなら5x14x6mm、事務机幅でキッチンシンク高だと思います。 足は0.8mm角(12cm)が最適、1mm角(15cm)は若干オーバーサイズです。

作業台(左)は台形側面斜め材あり、庫内工作台は一回り大型で角々と表情に差を付けてるので並んでいても別物に見えます。


➌馬
冷房の利いたオフィスで働いてる方は馬と言ってもピンと来ないかもしれません。 筆者もその口でしたが、御柱の綱打で『馬を当てろ』の指示を聞いて何を指すのか知りました。

A氏は現在の通行止柵タイプの馬を真鍮材半田付けで製作してます。 現在の標準的馬は30cm幅1.5m長天板裏に折り畳み足が2本あり、組み立てると75cmの高さになります。


➍脚立
駅構内小物のハシゴは当り前でも脚立は馴染みがなく違和感がありましたが、作品が置かれたレイアウト画像を見ると、高さがあって斜めラインに存在感があり良いと思いました。

2個同時製作され最初の台と同じく材料・構造・サイズに変化を付けてます。 大型の方は0.6mm真鍮線に0.5mm真鍮線を嵌め込む構造、小さい方は0.8mm角線に0.5mm真鍮線を半田付けする構造で、ガラス板上で図の様に左右一体U字型に曲げ固定して組み立ててます。

大型・小型と言っても現代の脚立からすれば踏み台程度のサイズで各1.6m/1.2m高です。

前出の馬と一緒の写真です。 単なる箱や板やパイプでない外観で存在を主張するこれらの小物が機関庫回りを含めた駅構内の賑やかさ・実在感を盛り上げてくれるのが解ります。


➎ハシゴ
現在のNは各社から単品または付属品として様々なタイプのハシゴが販売されてるので自作の必要性がほとんどありません。

作例は2間(3.6m)ハシゴで、0.8mm角線と0.6mm真鍮線の半田付けです。 図円内の様に大型脚立で採用した嵌め込み構造にすると製作が面倒なので小型脚立と同じ構造です。


➏バケツ
オーバースケールに寛容な小物ですが、A氏は自宅にある数種のバケツを採寸し、どうせ作るならと最小サイズを選んでます、直径30cm深さ20cmのブリキ製小型バケツです。

製法は外径4mm内径3mmパイプに3mm丸棒を1mm挿入半田付け、突出量1mmで切断します。 それをドリルレースでテーパー状に加工して2.5mmで切断、更に4mmドリルで浚ってパイプ肉厚0.5mmを薄くし0.3mm真鍮線加工の把手を取り付ける超マイクロ工作です。

塗装完成すると1mm挿入した3mm丸棒がバケツに張った水面になる仕掛けで水道配管/水栓と共に詰所の細密感を引き立ててます。


➐ザル
今回紹介してる小アクセサリーのほとんどは現在も形や素材を変え駅構内に生き残ってますが、唯一姿を消したのがザルかもしれません。 ザル自体は民具として残っており、我家にも梅干や切干用60cmサイズがあり、農家軒先に置くと引き立つアクセサリーです。

枠は0.5mm真鍮線径7.5mmリングで、本体は極く細かい目の真鍮網と書かれてます。 図面や完成写真見るとザル直径に20本前後の網目が見えるのでピッチ約0.3mm、すると網目使用線材は0.15mmほどになります。 そんな網目材が存在してた事も驚きですが、網を型押し整形して0.5mmリングに半田付け、余分切り落としてヤスリ仕上げには言葉を失います。

1/80フィギュアと組み合わせると絵になり雰囲気向上効果がありますが、Nではザル製作困難さとフィギュア品質双方で無理だと思います。


➑スコップ
駅構内何処にあってもおかしくなく、機関庫回りではアシュピットや灰置場必須アイテムスコップの実感的市販品がないのが不思議でした。 特徴的な把手Nサイズは0.3mm一辺1mm相当で自作は困難です。 KATO線路回り小物セットに5本くらいあってら良いのですが。

1/80スケールなら作り易くなるとは言え、把手と柄は0.3mm真鍮線、把手はそれを潰して裂いての細密加工です。


➒溶接用ボンベ
駐泊所には不要ですが機関区や機関支区では小修理を現場で行っており、溶接作業用のボンベとホースを製作してます。

現在は16番/Nに係らずプラ部品ランナーから簡単に作れますが、3mm丸棒をドリルレースで削り、0.5mm真鍮線を埋め込み半田付けし、ホースにはエナメル線を使ってます。


❿ホウキ
駅構内に係らずスコップと同じく重宝なアクセサリーで、Nでは付属品に存在しますが実感的とは言えず、当社では県営住宅軒先に置いてます。

作例は0.5mm真鍮線の軸に面相筆を分解接着剤固着した穂先を取り付け、極細線を巻いて締め付け半田付けの工程で製作してます。

スコップ・ボンベ・ホウキの集合写真、径3mmのボンベからサイズ感が解ると思います。


⓫万力台
そう言えばあるよねのアルアル感満載の万力台です。

虎縞のカバーを掛けた姿の再現で下からハンドルが見えてます。 万力は工作台取付で使うと思ってましたが、作例は地面埋め込みタイプです。


⓬オイル缶
一斗缶と通称された灯油や機械油を入れる18リットル缶です。

使える真鍮角棒が手許になく木材を使用してます。 Nストラクチャ付属品に一斗缶があり、当社でも詰所前や駐在所横など数ヶ所設置してます。


⓭消火用砂入
小型携帯の消化器が広く普及したのはいつ頃からだったのだろうと思わされる小物です。

半分に切った一斗缶に砂を入れた物で3mm木製角棒の工作です。


⓮工具収納庫
庫内で点検や小修理に使用する工具類の収納庫です。

木片にぺーパーで縁取りし0.3mm真鍮線製の把手が付いてます、Nでも作れそうです。


◆小アクセサリーのある機関庫風景
個別に見てきた小アクセサリーを配置した機関庫風景がどの様に変化するでしょうか。

番号が紹介した解説文に対応してます。 小アクセサリー配置効果は非常に大きく活気溢れる現場の空気感が伝わってきます。

こちらは詰所でなく物置裏手の様です、そうそうザルは作例中の天秤棒で人が担いでなくても、こんな場所や農家軒先にさりげなく置かれてるだけで十分役割を果たしますね。


さて小物がない倉元機関庫、最低でも作業台や工具収納庫を外から見える庫内に配置したい処です、できれば庫外に脚立も、どうなることやら。


ではまた。
と1mm挿入した3mm丸棒がバ

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