Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

地球時計の針 後編

前回の続編、地球時計最後の20.7分です。

【表紙画像:下り勾配疾走】


◆地球時計(cont.)
前回紹介したカンブリア紀からデボン紀までが地質時代区分の古生代、恐竜絶滅の白亜紀までが中生代、地球時計最後の20.7分が新生代です。

【前号より転載】ウィキペディアより
地球時計23.39.3-23:52.8の14.5分間が古第三紀、地球時計23:52.8-23:59.2の6.4分間が新第三紀、2009年に古と新に分割されました。 大陸はプレートに乗って移動衝突し、アルプス山脈やヒマラヤ山脈を形成し、大陸上では被子植物が繁栄、ツンドラや森林、草原や熱帯雨林が形成されました。 大陸分裂で動物進化がより一層多様化した紀です。

【マンモス】ウィキペディアより
地球時計最後の48秒間が第四紀、260万年前から現在まです。 他の紀境界が大量絶滅発生の大変動基準に定められたのに対し、第四紀は人間の時代として定められました。 象と同じ祖先から枝分かれしたマンモスは400万年前に登場し、1万年前に絶滅してます。 絶滅原因は人類に狩り尽くされた説と、最後の氷河期後の温暖化による食糧不足説があります。


地球の気候は火山活動や大陸移動による氷床面積の変化などで大きく変動しており、第四紀だけで10-40万年毎に4回の氷河期があった事が地質や化石調査で解明されてます。 さて第四紀は人間の時代を追います。

【霊長類の進化】・・・ウィキペディアより
人や猿が属する霊長類進化は、恐竜が跋扈してた白亜紀末期約6500万年前に始まったとされてます。 最近の遺伝子研究で更に遡る事が可能になり、現存生物ではネズミやウサギが共通祖先から分岐してます。

【同上右下部】・・・ウィキペディアより
人類に至る進化の長い歴史に分岐があり、その年代推定は次の通りです。
★テナガザル科分岐:2000万年前、地球時計23時53分44秒
★オランウータン科分岐:1400万年前、地球時計23時55分37秒
★ゴリラ属分岐:1000万年前、地球時計23時56分49秒

★チンパンジー属分岐:700万年前、地球時計23時57分48秒
いずれも新第三紀です。 チンパンジーが人類に近い事は違和感ありませんが、オランウータン(森の人)はゴリラより近いと思ってたので、先に分岐したとは少々驚きでした。


その後も進化の分岐は続き、『二足歩行』『石器使用』の特徴を備えたホモ・パピルス登場が260万年前で、第四紀人間の時代の始まりとされてます。 しかしオランウータン・ゴリラ・チンパンジーは現存するのに、その後の分岐で生き残った種は現在の人類だけです。

  

ホモ・パピルス以降も進化の分岐は続き、筆者世代が歴史で学んだジャワ原人やネアンデルタール人が登場します。 現在の人類ホモ・サピエンス登場は諸説あり、最新分岐が起きたとする16万年前アフリカ説を取ります。 地球時計23時59分57秒、現在の3秒前です。

人類の進歩と繁栄が順調だった訳ではありません。 最終氷河期の原因になった7万年前の火山噴火に伴う寒冷化で世界に広がってた人類の大半が死滅し、絶滅寸前になった事が人類遺伝子研究から推定されてます。 面白いのは人類寄生虫の虱(シラミ)が毛虱と衣虱にこの頃に進化分岐してる研究結果から、間接的に人類の衣服着用開始時期が解った事です。


◆地球時計遊びに想う事
現在の3秒前に登場し、ドバ事変と氷河期を生き延びた人類が、言語/文字・農耕技術を獲得して最古の文明を築いたのは高々4-5千年前、地球時計最後の0.1秒未満に過ぎません。

人間は人類に到達する為に生物進化の歴史があったと考えたがりますが、疑問-1の答えはNoです。 地球時計で太陽系寿命はまた1日近く残っており、赤色巨星化した老年期太陽が地球をBBQするまで少なくも15時間はあります。 現在の3秒前に登場し0.1秒前に文明を築いた人類は一瞬時点の到達点に過ぎず、今後も進化の分岐は続くと考えるのが自然です。


疑問-2は難しい問題を含みます。 地球時計スケールで見れば隕石衝突や大規模火山活動は日常茶飯事で、7万年前のドバ事変で絶滅寸前だった人類を含め自然に翻弄され大量絶滅した種より知恵があるだけ有利ですが、答えの鍵は人類自身が握ってると言えるでしょう。

最後は筆者の夢想100万年後、地球時計翌日0時00分18秒のお話です。


★考古学者は何処に居る?
月/火星/木星衛星上都市・宇宙船内・他恒星系植民惑星などの可能性が考えられます。
★地球が不毛の惑星になったのは何故?
地球が養える個体数限界を越えた人類が温暖化を暴走させ地球を壊したのか、狂信的独裁者が核のボタンを押したのか、あるいは細菌(コロナとは限らない)が人類を絶滅させ、細菌が排出するガスで大気組成が大きく変化したのか、これも様々な可能性が考えられます。
★考古学者は何者?
一番興味深い予測で、現在遅ればせながら始まった数百年単位で発生する環境激変説を除外します。 理論も学説もない筆者個人の思考ゲームに過ぎないとお断わりしておきます。

映画になりそうなシナリオです。 生き残りは物理/生物学者や宇宙飛行士の人類エリートですが、地球に残された技術や智の蓄積大半が失われます。 教育の問題もあり、数十世代数百年は一時的な退化が起きますが、人類は再び発展し新天地で繁栄すると思われます。


でもこのシナリオには無理があります、例え智の蓄積が失われてもホモ・サピエンス大部分絶滅の重大事件が伝承されないと考え難く、百万年後の考古学者が悩むとは思えません。

40万年前や16万年前の様な進化分岐が将来起きるシナリオです。 人類は新しい種から旧時代生物と見做され、生活圏が重なれば人口制限や居住地制限を受けるでしょう。 そして新種が危険と考える疫病(例:鳥インフルエンザ・豚コレラ)が人類に蔓延すれば、現在人類と同じ様に容赦なく殺処分にするでしょう。 種の保存より安全重視は当然の選択です。


近い種を絶滅させた記録は罪悪感があり残したくない物で、百万年後に伝わるか疑問です。 氷河期に入る4万年前にネアンデルタール人が絶滅してますが、寒冷化で狩猟の獲物が減り、知能が優れる人類が彼等を絶滅させた、獲物にして食べた可能性も否定できません。

最後のシナリオは霊長類完全絶滅です、文字や知能を持つ生物が地球から消え去ります。 人類絶滅の激変から生き延びた種が進化分岐を繰り返し、地球上に全く新しい生物が登場発展するシナリオです。 百万年18秒では難しですが時間はまだあります、仮に哺乳類ネズミが生き残れば午前1時、1億9千万年あれば十分可能な事を過去の進化史が証明してます。


そしてこのシナリオの場合は考古学者の居場所が地球でも成立します。 人類には耐えられない程温暖化しようが、核で汚染されようが、大気組成が変わろうが、環境順応した生物が生き残り進化発展する事を地球の歴史が証明してるからです。 以上初夢ならぬ筆者の夢物語でした、読み物として楽しんでいただけたなら幸いです。


ではまた。

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