Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

御柱祭関連記事改訂再公開について

拙ブログ4月初旬及び5月初旬の御柱祭関連記事掲載画像が、5月9日から非表示になっていた事にお気付きの読者も多かったと思います。

【生野機関庫】
その背景や経緯については別途お話しますが、非表示画像を含む以下4更新を加筆改訂し再公開しましたのでお知らせします。

【2022/04/04更新】
内容は変わりませんが、記事タイトルを変更し掲載画像に合わせ本文も変更してます。

【2022/05/04更新】
画像の一部を変更してます。

【2022/05/05更新】
掲載画像に合わせ本文を一部変更してます。

【2022/05/07更新】
掲載画像に合わせ本文を一部変更してます。


ではまた。

半世紀前のTMS1967年3月号➊

先日TMS1967年3月号からK氏執筆の釜石線陸中大橋駅を題材に『昭和のローカル駅事例研究』を公開しました。 今回は同号掲載のその他の記事について紹介します。

【TMS1967年3月号表紙】
ダイポール凸電を鏡の上に置いて撮影した表紙写真です、本文に製作記がありませんので少し前の号で発表された作品だと思われます。


1.巻頭グラフ作品と製作記
当時のTMSは車両にしろレイアウトにしろ作品発表の晴れ舞台で、巻頭グラフを飾るのは一流モデラーの証の様な位置付けでした。


1-1.13mmゲージC62
拙ブログ5月30日更新の『半世紀前のTMS1967年7月号➋』で紹介した特急列車の牽引機です。 機関車だけ4ヶ月先行して完成してた訳です。

作者は13mm D52とE10を製作してTMS誌上に発表しており、C62が三作目になります。

日本最大の蒸機ですから模型でも威風堂々としてます。 実は筆者はC62が好きではありません、誤解を避ける為に書き加えると、現役時代に馴染みがないから懐かしさを感じる事がなく、興味も薄いの図式です。


無煙化後ニセコを牽いた時期がありましたが、カメラ砲列の中を着飾ってスター然として走る姿を蒸機と認めるには大きな抵抗感がありました。 目立たない場所で煤と油にまみれ黙々と働いている姿こそ蒸機だと思うからです。 年寄の郷愁と嗤わば笑えですな。

13mmの最大メリットはこのアングルからの狭軌感に尽きます。 N蒸機のガニ股には閉口してますが、軌間6.5mmに改造するウデがないのでない物ねだりです。 空いた煙室扉から見えるのは西独製発煙装置の解説があり、国内入手可能だったのか並行輸入か不明です。

【蒸気機関車スタイルブックより】
C62全幅は2800mm、16番スケールで35mmです、ランボード幅はそれより若干狭く31.6mmです。 16番の場合動輪フランジオーバーサイズにより動輪幅は約20mm、すなわち片側5.8mmがロッドや補機類に使えるスペースで、かなり窮屈な設計を強いられます。

一方13mmでは片側1.75mm、5.8mm⇒7.55mmと30%も増え(と言うより本来のスペース)実物に即した設計配置が可能になり、横から見た時の奥行感、スッキリ感が改善します。

しかし良い事ばかりではありません、この作例ではフランジだけでなく脱線防止対策でリムもオーバーサイズの動輪とボイラーが干渉し、ボイラーを削って逃げてます。

ディテールにこだわってるのもこの作品の特徴でキャブ下の出来栄えにはウットリさせられます。 通常イモ付けするパーツ類をスッキリした仕上がり優先で、穴開け差し込みして裏面から半田付けしてます。

テンダーも手抜きはありません、右のキャブ側台車取付穴を長孔にして600mm半径カーブを通過可能にしてます。


1-2.キハ05とキニ05
もう一つの作品グラフ/製作記は旧型気動車キハ05とキニ05です。 著者は毎年3回ほど作品発表してた常連のN氏ですが、記事に記載されてませんが、どうやらご自身意思の工作ではなく、TMS編集部に依頼されての製作記執筆ではなかったかと推定できます。

キハ41000は昭和8年登場のガソリンカー、戦後ディーゼル換装され形式名変更でキハ05になった車両で、筆者世代は馴染みが薄いですが、N氏を含めた昭和30年前後に旅をした方々には馴染み深い車両です。

狭い窓と特異形状の台車が特徴の15m級気動車で、単行運転(統括制御なし)でローカル線輸送に従事してました。 しかし狭い窓と自作しかない台車がネックになってモデル化例がない状態が続いてましたが、サンゴ模型から車体キットと台車が発売されたのです。

【サンゴ模型キハ05車体キット】
これがその車体キット、真鍮製車体窓打ち抜き済で全面Rも加工済、ウィンドシル/ヘッダーのリベット加工もされてます。 N氏は半田付けができれば初心者にも組立可能、中級者の息抜きに丁度良いと書かれてます。 また同時にキニ05車体キットも発売されてます。

これからこのキット組み立てる人への教科書的製作記をTMSから依頼されたと考えた方が自然だと推定しました。 現在ならYou Tubeにこの手の情報が氾濫してますが、当時は非常に有用な情報だったのです。

製作記は打ち抜き時にできた側板歪み(上図シワ)修正から始まります。  厚手ボール紙に側板裏を上にして挟み、木槌で叩いて修正、キットのドアは大き過ぎるので周辺カット等、懇切丁寧な製作法解説です。


更にシル/ヘッダーなど薄い材料切断には歯科医用金冠鋏が良いとか、その半田付けには先に半田メッキして大容量半田ゴテで上から押さえるのが失敗を避けるコツとか、正に先生が生徒に使用工具や工作法ノウハウを伝授する教科書の様な製作記です。 そうでした、筆者も30Wと100Wの半田ゴテ2本持ってました、それが当時の常識だったのです。

小さな模型店のキットにありがちな事ですが、初期製品は妻板幅が大きく加工が必要でした。 薄板を切る際は木材に貼り付けて木材ごと切るも一般化してたノウハウでした。

初心者には電気が苦手な人がごくまれに居たので、その辺りも指導が行き届いてます。

同時製作のキニ05は全く知らない車輛でした。 記事により新型DC増備でキハ05から荷物専用気動車に改造され、四国内だけで運用されてたと知りました。 筆者が知ってる10系気動車から改造され四国で活躍してた湘南顔のキハユニの先輩だった訳です。

キニ05組立上の注意点は別にまとめられてます。 シル/ヘッダーを全長に半田付けしてからドア部切断とか、引っ込んだドア取付時の治具使用とか、言われてみれば成程でも、教えて貰わないとどうしたら良いか解らないのは現代のNでも多々ある事です。

珍車なので図面も掲載して置きます。

塗色を変えた事もありますが兄弟同士の2連なのに手をつないでも全く似合いません、キニの方が車長短く見えるのは錯覚なのでしょう。


ではまた。

倉元駐泊所ユニット構想➎地面基準面

今回はKATOユニトラックとPecoコード55が混在する駐泊所ユニットの路盤構造を決定し、機関庫設置高と置くだけ給電方式構造を決めます。

従来線の路盤構造は上記の通りで、基台に騒音防止2mmコルクシートを敷きユニトラックを敷設、レール天面は基台から9mm、コルクシートから7mmです。 犬走りからレール天面までを実感的にする為、2mmコルクシートを貼り5mmにしてますがまだ高過ぎます。

延伸線の路盤構造は上記の通りで、基台に騒音防止2mmコルクシートを敷きPecoコード55を敷設、レール天面は基台から5.4mm、コルクシートの犬走りから3.4mmと実感的に変更してます。 レール天面高3.6mm差は従来線/延伸線接続トンネル内で合わせ込んでますが、駐泊所ユニットは見える場所での合わせ込みが必要です。


駐泊所ユニットのユニトラック敷設部にも2mmコルクシートを敷きます。 騒音防止に加え給電線逃げスペースに使うからで、従来線路盤構造と同じです。 レール天面はコルクシートから7mmになります。

Pecoコード55敷設部は基台上2mmコルクシートにもう1枚コルクシートと0.8t板紙2枚貼り重ねて合わせ込みます。 従って駐泊所ユニット地面基準面は基台から5.6mmです。

地面基準面が基台から5.6mmに決まったのでユニトラック敷設部もそれに合わせ込みが必要で、上図の様にコルクシートと0.8t板紙2枚貼り重ねて同じ高さにします。 コード55敷設部と同じくレール天面から犬走りは3.4mmになります。 さて機関庫設置高の検討です。

非電化区間建築限界は上図の通りです。 重要なのは上部はレール天面から4400mm、スケール換算29.33mm、機関庫入口はこれ以上必要、また左右はレール中心から1900mm、スケール換算12.67mm、ホームや給水/給炭作業台はこれ以上離れてなければなりません。

倉元機関庫建屋入口高は33mmで、基台から5.6mmの地面基準面に設置した場合、入口高は基台から38.6mmになります。 レール天面は基台から9mmなので機関庫入口はレール天面から29.6mm、実寸換算4440mm、何と建築限界+140mm、地面基準面設置に決定です。


この機関庫は駐泊所単線機関庫として小型化を意識して設計しましたが、機関庫土台を埋めたり嵩上げする必要がないドンピシャ寸法選んだのは全くの偶然に過ぎません。 なお左右入口幅29mmの建築限界余裕は片側1.83mm/275mmしかなく運転中の人の通行不可です。

TMS1965年7月号掲載の鍛冶屋原駐泊所の再スキャン画像です。 注目すべきは機関庫内外で地面高に変化がない事、その地面からレール天面は薄いバラストと低規格レールもありますが20-25cm程度です。 模型の世界で機関庫内外地面高はどうなってるでしょうか。

KATO木造機関庫は矢印3部品が建屋土台と同時に庫内床を5mm嵩上げし2mm高の♯80レール下面に揃えてます。 ユニトラックに機関庫設置時、床面よりレール天面が7mm/105cmも高くては実感に乏しいからです。

【改修設置したピットが良く見えます】
その結果本記事冒頭に紹介した2mmコルクシートを貼った機関庫外地面と庫内床には3mmの段差が生じてます。 45cmなら階段が必要ですが有りません、道床付きレール利便性と機関庫内風景整合性を優先した結果の、大きな違和感ないけれど変な部分です。 さて倉元機関庫、庫内外フラットにするとレール天面まで3.4mm/51cmは少々大き過ぎます。

そこで庫内だけ1.6mm/24cm床を嵩上げする事にしました、階段1段分なので違和感ないと思います、床面はレール下面の0.2mm上になります。 機関庫内外の高さが決まったので、嵩上げして給電線穴空けて接着すれば最終形、でも置くだけ給電方式採用があります。


この置くだけ給電には、機関庫内レールメンテの都合と、後からアクセサリー追加自由度を残す二つの目的があります。 さて機関庫を置く位置決めをどうするかです、機関庫内1.6mm嵩上げを使う事も可能ですが少々高さ不足、もっと確実な方法が必要です。

機関庫4方向の隅に3mmプラ角棒5.5mm長のダボを接着し、路盤に4mmx6mm深さ3.6mm(コルクシート+板紙2枚)の穴を作り、ダボが嵌り込む構造を採用しました。

反対側はダボ部が給電線引出口になりますので、路盤穴の内側を少し広くし逃がします。

機関庫電極位置と給電バネ位置は、機関庫自重で安定給電しかつ傾かない為に、機関庫重心の中央部に電極を取り付ける必要があります。

給電線を約70mmに切断して10mm強被覆を剥き、半田上げしました。

電極には給水塔照明ポールに使った1.2mm真鍮パイプを予定してたのですが在庫がない!、調達に1週間~10日必要なので急遽1.0mm真鍮パイプに変更、半田上げした給電線を差し込んでパイプを半田ゴテで加熱、給電線挿入口から半田流し込んで接続完了しました。

➊電極を取り付けるのは側壁下部のH材、深い凹部を1mmプラ角棒で嵩上げしました。
➋1mmプラ角棒に両面テープで電極を仮止めし、両端に瞬着流して固定しました。
➌H材凹部に給電線を瞬着固定し、余りを壁中と屋根へ送り込みました。
➍電極は側壁H材からわずかに突出した高さになります。


ではまた。