Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

雪崩覆い周辺の製作 その2

その1から半月以上間が空きました、湖南電源に手一杯でレイアウト建設余裕が持てませんでした、それに屋根裏は次第に灼熱地獄化してます。


tan20度=0.364


最初にいきなり三角関数が出てきます、角度20度は100mm先で36.4mm移動、逆数を取れば100mm移動は275mm(274.7)先です。

北基台西端背景板沿いに30mm角材、更に指金を密着させて置き、墨入れマーカーペンで基台平行線と直角線をケガキます。

ケガいたコーナーから手前へ100mm(赤丸)と横へ275mm(黒丸)にマーキングします。 十分明るくないと解り易い寸法しかスケール目盛りを読み取れません。

2ヶ所のマーキングを結びました、基台に対し20度傾いたラインです。 このライン基準でスケール幅の平行線4本を引きました。 雪崩覆い周辺路盤はこれらのラインと平行になる訳です。

従来線接続部からトンネル内R315で北基台角度15度まで線路位置が決まってます、今回製作部はその先赤色部分の路盤・線路とスカイブルーエリアの風景です。 ここが決まると県道トンネルやドライブインの位置/角度/高さ検討に進めます。

延伸線接続部は位置は決まってますが固定・線路敷設してません。 右手路盤台座が雪崩覆い周辺風景基準になり、固定すると狭い場所の作業を強いられるからです。

台座足位置をケガいて取り外し、ここから5度の緩和曲線を経て雪崩覆いエリアに接続します。 雪崩覆いユニット完成させてから台座固定、線路敷設の順番になります。

5.5mm厚75mm幅残材でベースを作りました、220mmが直線、43mmが5度の緩和曲線、R481/5度は41mmに対し少し余裕を持たせてます。
ベースは5.5mm厚2枚重ねですが、台座部分はユニトラック接続高さ合わせで1枚にしてあります。
緩和曲線から直線になる場所がトンネルポータル位置です、ベースに対しこの位置関係で設置する事にしました。
Pecoコード55路盤は2mmコルクシート28mm幅と決めましたが、GMトンネルポータル下部幅はノギス計測位置で27.3mmと路盤より狭くなってます。

ベースに路盤/雪崩覆い/トンネルポータル/緩和曲線をケガキます、左下雪崩覆いから出た路盤は28mm幅、他は26mm幅です。 雪崩覆い土台外形線をケガいてあるので、路盤との間隔は土台幅5mmでなく6mmになってます。

緩和曲線はR481ユニトラックを利用しケガいてます、延伸線カーブにR718/R481多用してるのは、従来線でカーブ感が解っている事に加え、線路敷設利便性が理由です。

使いかけコルクシートを従来線接続部線路敷設で使い切ったので、見込み発注で2013年から長期在庫してた最後の1枚を開封しました。 600x900mmサイズで、延伸線路盤はこれ1枚で足りると思います。

最初に25.6mm幅170mm長が必要です、肉眼ではこんな寸法計測無理、拡大鏡使ってマーキングしました、情けないですがレイアウトj建設進めるには仕方ありません。

25.6mm幅(多分)170mm長をトンネルポータルから雪崩覆い出口まで、路盤幅28mmを雪崩覆い出口からユニット端まで貼りました。

エバーグリーンの1mm厚2mm幅材を雪崩覆い全長163mmに2枚切り出し、雪崩覆い部路盤両端面にボンド接着します。 目論見通りなら28mm弱の幅になり、内寸法28mm雪崩覆い土台がピタリ嵌まり込むのですが結果は27.2mm、まっこんなモンです。

ガタが大きければ0.5mm厚2mm幅材貼り足す覚悟で現物合わせした処、雪崩覆い出口はピッタリ、トンネル側に多少ガタが出てます。 トンネルポータル下部は27mm弱で、路盤ガタ中央のこの位置になります。 でも何で出入口で違うのか?

で、雪崩覆い出口側再計測したら27.7mm、つまり170mmで0.5mm曲がってたと解りました。 雪崩覆い本体は歪んでなかったとホッと一息、それにしても逆に曲がらなくて良かった~、ポンコツ目玉と付き合う工作が続きます(苦笑)

雪崩覆い奥に側溝を接着します、土台とわずかな余裕を持たせ、ガタなしでトンネルポータルなければ雪崩覆いスライド可能な位置です。 反対側の位置決め兼土台隠しを考えてませんでした。 トンネルポータル袖石垣や、県道洞門に続く雪崩流路地形を自然にするには、袖石垣先から雪崩覆い足元が見えるより少し高い方が良いと解りました。

つまりそこに降った雨は雪崩覆い側へ流れ、こちら側にも側溝あった方が良いと考え側溝を追加製作し、スライド可能な若干余裕位置に接着しました。 この側溝の水を垂れ流すとドライブイン側へ降り注ぎます、排水路へ接続する必要があります。 枕木間隔が2.5mmあるので線路下を通り雪崩覆い両側側溝を合流させる事にしました、

谷側側溝と一緒に製作・塗装したパーツ現物合わせで雪崩覆い出口先路盤を欠き取ります、カッターで切り時計マイナスドライバーで簡単に剥がれます。
両側に1mm厚2mm幅材を貼った枕木下側溝パーツを接着します、雪崩覆い土台隙間をコルクシート小片で埋めました、線路敷設時に側溝が枕木間になる様調整します。
雪崩覆い出口山側ユニット端方向側溝パーツを接着しました、ユニット端側から切断した側溝で最後のパーツを作ります。
現物合わせの切ってヤスってのパーツ製作、精度云々言い出したら始まらない、それらしく見えればOK、土台と擁壁隙間埋めコルクシートも貼りました。


基台にベース固定したらとても無理な細かな作業、天井裏レイアウトの宿命です。 今回はここまでにします、正直目が疲れました。


ではまた。

災害時に見る日本人の変化に想う事

6月19日の県境を越えた移動自粛要請解除の2週間経過後から新型コロナウィルス感染者数が増加に転じ、東京は連日百人超です。 「夜の街」「若年層」集中と死者数が少なく医療体制余裕がある事から、政府は経済優先路線ですが第二波到来が心配されます。


外出自粛と休業要請で悲惨な状況だった首都圏に比べるべくもありませんが、観光立県長野の影響も深刻、老舗旅館廃業などのニュースは暇なく、県独自で県民対象宿泊費助成や小規模事業者持続化支援を行ってます。

【掲載画像は記事本文と関係ありません】・・・以下同
罰則・強制力のない休業要請と補償がセットで語られる事が多く、商店街や歓楽街の窮状を伝えるニュースを見て時々違和感を感じました。 コロナは天災、政府や自治体責任でなく救済義務もありません、あくまで経済社会活動影響を最小限に抑え、社会を維持する為に莫大な国費を投入し様々な施策を打ってます、休業補償もその一部です。 例えが適切かどうかは別として、江戸時代大飢饉時のお助け米と基本的性格は同じです。

さて支援策を受ける側の意識変化が随所に垣間見えるのが筆者違和感の正体です、コロナ休業要請関連ニュースで半数近くの方が『休業要請に従うなら補償が当然』と考え発言してました、『客来ないから店閉めて補償金貰った方が得』なんて声も聞こえます。


自分の生命/財産は自分で守る意識の希薄化、税金払ってるんだから天災含め政府援助は当然という権利意識の向上、情報インフラ整備等技術進化や生活レベル向上が背景にあると思われ、是非を論じてるのではなく、起こるべきして起きた変化と感じてます。

この傾向は世代を問いません、先日の球磨川豪雨災害時に水中に取り残された車から救助された70代男性のコメントです、『買い物へ行こうとしたら急に水嵩が増え動けなくなった、通行止めになってなかった』、危険なら通行止めにして住民の安全を図るのは行政の責任と考えてなければ出てこないコメントです。


同世代までこの変化が及んでると知り、時代の流れを感じると共に、個人的には暗い気持ちになりました。 コロナ実害些少ですが先日10万円一律給付が振り込まれ、小さく使い難い安倍マスクも届きました。 年金源泉徴収額は馬鹿にならず、特別還付金と考え有難く頂戴しました。 これら全て税金です、将来世代負担が更に重くなりました。

急カーブで増加してた外国人観光客は9割以上激減、再延期は有り得ないオリンピックは開催できるのでしょうか?、この2項だけで莫大な経済効果です。 一旦は大幅に下げた日経平均は持ち直してますが実体経済を反映しておらず、世界的に大暴落を恐れる投資家心理の反映と見てます。(筆者は老後資金一部を市場運用する極小規模投資家です)

役員を務める高齢者クラブイベント再開は目途が立たず、嫁さんの介護施設傾聴ボランティアも2月から中止のまま、地域の絆希薄化加速が心配です。 足のない高齢者病院送迎は『事故が起きたらどうする?』、独居高齢者への手作り弁当配食サービスは『食中毒起きたら誰が責任取る?』、そんな話ばかりのギスギスした嫌な世の中になりました。


先が見通せない状況の中、仕事・子育てのコロナ対応に苦慮されてる皆さんには大変申し訳なくまた後ろめたいですが、コロナ禍が現役時代でなくて良かったと思います。 日本は何処へ向かうのでしょうか?


ではまた。

湖南電源⑫配線と動作確認

着手した延伸線建設進めたいのですが、納期の迫った湖南電源片付けないと落ち着かず、ケース組立完了したので回路配線へ進みます。


◆配線
高機能基板取付操作部配線はできてますが、メイン基板と高機能基板接続を始め、電源機能発揮には多くの配線が必要で、数が多いメインCHから着手します。

最初に速度表示出力端子を橙丸で接続延長し、速度計計測入力端子黄丸へ半田付けしました、これで高機能基板と天板操作部接続が完了です。

底板にメイン基板取付用穴を空け、5mmスペーサを介しメイン基板を取り付けます。 両基板を仮止めして3mmプラ角棒で接着し一体化しました。 これで底板から外しても1枚の基板として扱え配線作業が容易になります。

まずパワースイッチからの電源入力配線をポリスイッチ足リングと基板GND耳にからげ半田消しました。
GND線2本を縒って半田上げしGND耳に半田付け、短い方は高機能基板GND端子に半田付け、長い方は9V出力と1本にまとめます。
9VとGND線は6Pコネクタの9V/GND線を必要長に切って縒り上げ半田付けします。
これを速度計電源端子に半田付してメイン基板と高機能基板を接続します。

次に6Pコネクタ12V線(黄色)を必要長に切り、余りと縒り上げ半田付けします。
縒り上げ部をメイン基板裏側電流容量強化12Vラインへ、もう一方を高機能基板電流容量強化12Vラインに半田付けします。
6PコネクタVcomp(緑色)を必要長に切り、メイン基板A CH Vcomp耳にからげ半田付けします、余りをB CH Vcomp耳にからげ半田付けしました。
B CHに半田付けした先を高機能基板Vcomp出力にからげ半田付けしました。 この高機能基板は耳なしですが、Vcompがバッファ出力で、マイナス入力と出力のジャンパー線が耳の役割を果たしてくれました。

6Pコネクタの電源出力をVcompを接続したACH出力に半田付けします、ACHがサブ、BCHがメインになりました。
BCH出力に3A容量線を半田付けします。
その反対側をメインCHディレクションスイッチに半田付けします。
最後の配線はパイロットランプ、GNDとメイン基板耳にからげ半田付けです。


◆ミニ電気講座:配線注意事項
湖南電源の配線継ぎ足しを見て長くしとけば良かったじゃんと感じた方も居ると思います。 スペース制約もありましたが短くした理由はそれだけではないのです。

6Pコネクタは[電源出力][電源GND][12V][9V][Vcomp][回路系GND]の6本です、GNDが2本、テスター計測すれば0Ω、1本でも動作はします何故でしょう?


PWM電源は12V/20kHz大電流で発振してます、帰り道GNDを1本にすると他ラインにノイズが乗り誤動作等の悪影響を与えます。 専門用語でコモンインピーダンスによるノイズ重畳防止目的で分けてます、勿論長さが短い方が有利です。

【『電源組立⑦』より転載】
この考え方は延伸線用にも適用しリボンコード採用で6本にしました、しかし別の問題が発生しました、ルーズカップリングによるノイズ重畳です。 解り易く言えば電源出力+がノイズ送信アンテナ、Vcompが受信アンテナになったのです。

【『電源組立⑦』より転載】
その時の波形でVcompだけでなく三角波先端にも影響があり速度調整段付き問題が発生しました。 オペアンプバッファで低インピーダンスVcompでこの状態、数十kΩプルダウンArduino制御端子なら盛大にノイズが乗るでしょう。

【『電源組立⑦』より転載】
対策は0.1μFパスコン、パスコンは入力端の原則に従い、コンパレータ入力に0.1μFを追加し正常動作する様になりました。 つまり高周波回路は見えない部分に回路が存在し、回路図同じでも配置配線により性能が大きく変わります。


従って、フィーダー線とArduino制御線を束ねてクランプするモジュールでやり勝ちな事は避けるべきであり、誤動作発生したら制御線入力端にパスコン追加等の対策が有効です。 以上配線に係るノイズ誤動作防止のミニ電気講座でした。


◆動作確認
それぞれ単体動作確認済みですが、まずは非通電試験から、配線に係るショート等はないとテスターで確認しました。 で恐る恐る電源オン、でも何だか様子が変です、高機能電源まとめページ記事を読み返し設計プロセスを辿りました。

そして高機能電源まとめページに収録すべき以下2記事が落ちてる事に気付きました。
◆ドツボにハマリ苦しい選択(滝汗)
◆一難去ってまた一難 道は険し
この記事に従い未適用だったVcomp発振対策100μFと速度計合わせ込み100kΩを追加しました。 後述する問題を発見しましたがとりあえず性能評価します。

常点灯調整最大値約3V、速度表示は00のままです、1.5Vにセットします。 ブレーキOFFしマスコンノッチ1で加速、出力6.2V飽和でOKです。 この時EC/DC速度表示は96km/h、ギヤ比差補正したLOCOは73%の70km/hでコレも設計通りです。


マスコンOFFで惰行になりゆっくりと出力電圧低下、ブレーキボリュームスイッチをカチッと入れると低下速度が少し早くなり、更に回してブレーキ機能正常を確認しました。

ブレーキOFFし、マスコンノッチ2で加速、出力7.1Vで飽和、経過時間はノッチ1と同じなので加速率が高くなります。 EC/DC速度表示は116km/h、LOCOは84km/hで比73%は同じです。 書き遅れましたがこの試験は抵抗ダミー負荷なのでモーター負荷走行条件では約0.3V出力電圧が低下しますが、表示速度はVcomp計測なので変わりません。

停止からブレーキOFFし、マスコンノッチ3で加速、出力8.0Vで飽和、経過時間はノッチ2より短いのでスタートダッシュの良い加速率になります。 EC/DC速度表示は136km/h、LOCOは99km/hで比73%は同じ、実用的に十分な最高速度です。

ノッチ4ぼ飽和時間はノッチ3より更に短いので加速率は更に高くなります。 出力9.0Vで飽和、EC/DC速度表示は157km/h、LOCOは114km/hで比73%は同じです。 加速して目標速度到達したらノッチOFFし惰行する使い方が主になると思います。

ノッチ5は10.8Vで飽和、急加速兼高速運転用で、実際より低速表示速度計加速率は毎秒7km/h、短距離アスリート山手線E353系の倍に達します。 LOCO速度表示142km/hは正常ですが、EC/DCの173km/hは194km/hになるハズで比82%になってます。


計測上限値付近で表示異常するほどチャチなメーターではなく原因不明ですが、究明せず許容します。 速度計は雰囲気盛り上げ機能ですし、在来線非現実的速度域ですから。


◆残された課題
その他の動作試験で納入前に解決すべき課題がいくつか見つかりました。


A.蒸機常が点灯が(多分)できない
動作確認試験で安定発振最低常点灯電圧計測結果は1.1Vでした。 同条件のオリジナルHyper-Gは0.8V、モーター負荷時は逆起電力で0.5Vに下がり0.8Vで走行開始するKATO製コアレスモーター蒸機常点灯可能でした。

【0.7V常点灯】・・・過去記事より転載
抵抗負荷1.1Vはモーター負荷換算で0.8V、不安定出力でチラチラの後、常点灯と同時に走行開始します。 原因は1.2A⇒1.3A化で出力トランジスタベース電流増やした事で、どうするか『がおう☆』さんと相談します。


B.出力ショート試験で出力トランジスタ軟破壊?
前項が性能上の課題ならこちらは信頼性の課題です。 脱線して出力ショートは想定範囲内で、保護回路動作確認含めノッチ5飽和電圧の最悪条件で試験しました。 保護回路動作でパイロットランプ赤表示、ショート解除で復帰しました。

その後動作確認試験で正常動作してましたが、突如出力が異常になり調べると出力トランジスタ異常でした。 保護素子ポリスイッチトリップ電流は2.7A、最大出力ショート試験で瞬時消費電力約30W、放置すれば発煙・焼損レベルです。 最大出力ショート試験しか思い当たりません、起こり得るケースなので何らかの対策が必要です。


C.速度計(時々)表示異常
出たり出なかったり幽霊の様な現象に手を焼いてます。 正常動作してたと思うと突如-1のオーバーレンジ表示なり電源ON/OFFで復帰したりしなかったり、どうやらこれも半導体デバイス特有の軟破壊の可能性大、電流計追加手配予定です。

【異常表示中】・・・正常時は00表示
常点灯機能実現の為に特殊電圧計を使用しており、電源GNDと計測端子-を接続してはならないと注記してあります。 通電中常点灯電源とGNDショートすればその条件になりますかそれはやってません。


考え得るのは常点灯ゼロ調整、通電し一旦調整ボリュームゼロ(0V)にしてから常点灯電圧発生しないポイントに合わせ込みます。 でも、オペアンプバッファ入ってるから直接接続ではないし、飽和電圧残ってて完全0Vでもない。 テスター正常動作なので電圧計疑うしかない、としたら¥1,000のメーター破損3個目になります、トホホ。


ではまた。