Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

空は明るくなくちゃダメ 後編

前回の続きで北基台部分照明の製作です。

4mm材定尺4カットです、右から東基台背景板延長用125mm幅、次が隙間埋め用16mm幅、追加照明ベース板65mm幅、左端が東基台コーナー及び南基台背景板用665mm幅、その間が残材約30mmです。

665mmは背景画と背景板スリット足した寸法で変更できません。 610mm幅レイアウトルーム入口から、斜めにして従来線機関庫上空間へ、スイッチバックで延伸線エリアに搬入しました、カットせずスリットに仮置きです。 手前の箱が東基台用背景画です。

65mm幅ベース板から770mm長を切り出し東側ベース板にします。 テープLED1列仕様なので取付用両面テープを貼り、木ネジ6本で梁の裏に固定しました。 北基台上に仰向けに潜り込んでの作業です。

西側ベース板テープLEDエリアは820mmですが電極取付余裕を加えて900mm長に切り出し、同じく木ネジ6本で東側ベース板に接して取り付けました。 取付はネジ穴開けが目的で作業する為取り外します。

テープLED列数未定なので最大4列まで可能な様に両面テープを2列貼りました。

接続信頼性確保と断線対策の為、0.5mm真鍮版で電極を作成しました、ネジ頭が出ない様にザグッて皿小ネジ各2本で締めました。
真鍮板は2mm下穴でタッピングで皿小ネジで固定されてます。
LED給電線を半田付けするので皿小ネジと真鍮板を半田盛りし、背景板裏に位置する真鍮板電極接続が容易な様に曲げ起こしました。
プラス側電極にディレーティング用整流ダイオード2本を半田付けしました。

残り約80セットのテープLED点検するとセット間電極3ヶ所に半田盛りしてありました 、理由はただ一つ出荷検査時のセット間断線非点灯補修跡です。 つまりテープLEDの弱点を教えてくれてる訳で、セット間電極全てに半田盛りしました。

テープLED、両面テープ双方の台紙を剥がし、ベース板反対側基準で16セット2列を貼り配線しました。

16x2x3、計96灯の細長い照明ができました。 現場確認すると予備実験期待値より明るい結果を得られましたが、西端トンネル出口付近が少し暗いのが気になりました。

西端が暗い原因は設計位置に対しテープLEDが25mm短いからです。
1セット追加して各17セットに改修しました、背景板裏など余計な場所照明したら絶縁テープでマスクします。
明るさワンランク3倍法則(当社基準)に従うと東西バランス取るにはもう1列必要、少しズラした設計位置から3列目を貼ります。
3列目は11セットにしました、西から東へ3列⇒2列⇒1列と徐々に減らし明るさの段付きをなくす目的です。

取付後の梁裏半田付け作業は不可能なので、真鍮板にギボシ端子を直接半田付けして給電します。
給電線にもギボシ端子取付、これで万一断線事故発生しても補修可能です。
1列目には東側ベース板用15セットを、2列目には3列目11セットを直列配線し、それぞれ32セット、28セット点灯で上限43セットに収まる様にしました。
点灯試験です、60セット180灯が点灯してます。

北基台に仰向けに潜り込み西側ベース板を取り付けました、下穴空けてあるので簡単です。 東側ベース板両面テープとテープLED台紙を剥がして接着、完成です。

結果は上々、空は明るくなり梁の影が消えました。 苦労して製作した針葉樹人工林も背景画もバッチリ見えます。 空は明るくなくちゃダメ!です。

北基台全体を確認しました。 十分明るくなった西側に対し、奥の東側空が少し暗く感じます。 ワンランク3倍では差を付け過ぎた様です。

河岸段丘ユニット上に梁の影がまだ見えます、このままでもOKですが直せるのは今だけです。 悔いを残さない様に東側ユニット2列化を決断、西側ユニットを取り外し、東側ユニットテープLED引き剥がしました。

両面テープ同士の粘着力は強く、引き剥がしによる通電不良で2セット交換しました。 2列目14セット追加で最終的に74セット222灯になりました、西側2列目から給電し、17(西2列)+11(西3列)+14(東2列)の42灯駆動で上限43に収まりました。

東端の空も西端同様に明るくなり、テープLEDによる部分照明は非常に良好な結果になりました。


ではまた。

空は明るくなくちゃダメ 前編

北基台北西ユニット製作進捗状況を紹介してますが、ユニット定位置固定前に解決が必要な大きな問題がありました。

【『「卓」さん沢山有難う何ちゃって!』より転載】
それは背景画を貼った時から解ってたのですが、上部1/3が梁の影で暗くなってます。

北基台用照明は梁に斜めに取り付けてますが、隣の梁が影を作る照明問題です。 風景として空は谷筋の県道沿いと最低でも同等、むしろ明るい方が自然です。

ユニットを定位置セットすると人工林が影に沈んで黒い塊に見え、予想以上にヒドイ状態でした。 空を明るくし森のシルエットが見えなくては不自然ですし、苦労して植樹した甲斐がありません。

ユニットを置いた状態では、東端河岸段丘側と西半分の差が一段と拡大して見えると解りました。 その差はワンランク、明るさにして3倍です。

屋根裏立地ゆえのこの問題は従来線でも経験してます。 峡谷奥に照明光が届かず背景画がほとんど見えませんでした。

ループトンネル山を見える範囲だけ製作した事を利用し、点検口に補助灯を設置して斜め横から峡谷奥を補助照明しました。

その結果峡谷奥に光が届き背景が見える様になりました。 しかしこの方法はポイントを絞った部分照明だからできた事で、延伸線北基台は対象エリア1600mm、しかも東西で必要な明るさが異なる難しい条件です。

横長で場所により必要輝度が異なる要求仕様から、テープLEDを使えないだろうか?というアイディアが浮かびました、まずは予備実験です。 

【Before】
影を作る梁の内側、通常見えない場所にテープLEDを設置するアイディアです、輝度調整は設置列数を変えます。 1列手持ち予備実験し明らかな差がなければ輝度不足、色味が違えばLED品種変更が必要で、大雑把な当たりを付けられます。

【After】
予備実験は意外な好結果、たった1列で予想以上に明るくなりました、ほとんど見えなかった森の頂部がハッキリ見えます。 勿論1列では不足で3-4列必要でしょうが可能性十分、昼白色LED天井灯と電球色テープLED色味差も問題ない様です。

問題は取付場所の梁裏側です。 乾燥し表面ザラザラで両面テープでは接着力不足、LEDを取り付けた薄板をネジ止めするしかありません。 高さ100mmですが作業性考えると70mm幅が限界、いずれにしてもユニット固定前の今しか設置できません。

もう一つの問題が直列抵抗、300粒¥500の格安品なので明るさ優先、信頼性マージン設計してるとは思えません。 ユニット固定後補修不能で夏場は40度近くなる場所なのでディレーティングし長寿命化必須です。 写真拡大すると抵抗表記『101』100Ωが実装されてます、LED順電圧3Vなら電流30mAです。

30mAと仮定すると約80セット残ってるので消費電流2.4A、KATOハイパーDでは容量不足、、12V/3Aアダプターを使います、無負荷電圧12.29Vでした。
DCジャックを取り付けて点灯、電圧低下は少なく12.20Vでした。
チップ抵抗両側にリード線半田付けして抵抗値測定、98.7Ωでした。
点灯時の抵抗両端電圧は2.43V、つまりLED順電圧約3.3Vで電流の計算結果は24.6mAになりました。 いくら格安品でも推奨動作条件を大きく超える用法はしないので、このLED推奨動作電流は25mAと推定、80%/20mA未満で使います。

20mA未満にするには100Ωを130Ωまたは150Ωに交換が必要ですが、80個交換の面倒避け、整流ダイオードで電圧を下げて電流減らします。 Hyper-G逆起電力防止用ショットキーダイオードで実験しました。
電源プラス側直列にダイオード入れました、不足ならマイナス側と2本入れる予定でしたが、1本で1.8mAしか減らず2本入れても20mAを超えてしまいます。
そこで順電圧が大きいシリコン整流ダイオードで実験しました。 ショットキーに変更して在庫になったHyper-G用に調達した部品です。
電源プラス側直列1本で18.6mAと狙い通り76%ディレーティングになりました。

【秋月製品紹介ページより】
ただしこの整流ダイオード電流仕様1Aです。 これも80%ディレーティングすると駆動可能なテープLEDは43セット、それ以上は2系列分割が必要です。 これで電気的設計完了、次はベースになる薄板調達ですがこれが少々ややこしいのです。

ベース板は4mm厚が丁度良く必要量は65~70x1600mm、未設置背景板と合わせ定尺からカットしてもらいます。 板取検討が複雑で、東基台は600mm高背景画設置の為に延長が必要です。 背景板材料調達し残材からベース板を取る形になります。

東基台南端とコーナー背景板の間に15mmの隙間があります、当初計画の板紙+風景印刷コピー紙なら問題ありませんが、調達した背景画貼るには埋めなくてはなりません。 背景板交換は材料が無駄で固定した基台分解が必要なので埋める事にしました。


ではまた。

KATOフォーリッジ自作樹木の植樹②

拙ブログ週間アクセスランキングTOP50にはタイトルに「KATO」を含む記事が11あり。検索に掛かり易いかと変更実験しましたが、コレといった効果は見られませんでした。


さて植樹作業が続きます、単調作業と植樹カウンターが進む画像では読者も楽しめないし筆者も面白くありません。 変化球織り交ぜてとは思いますがどうなる事やら。

まずは幹がある分だけ樹木85本完成させました。 フォーリッジ2袋弱、作業半日、記事にすると1行と写真1枚、恐ろしく非効率です。

【植樹カウンター:51】
全部針葉樹人工林では変化に乏しいを言い訳に手抜きの算段、雪崩覆い先の緩やかなスロープを防火帯にする事にしてその境界まで植樹しました。

防火帯が広い方が楽できますが風景バランス崩しては元も子もありません。 日当たりの良いスロープに草を生い茂らせました。

【植樹カウンター:71】
ユニット幅がグッと広くなるので防火帯対岸に3列植えただけで20本、線路際まで林が迫ってれば防火帯設置で約40本の節約になりました。

ここで残り12本、また幹の色塗りから樹木追加製作するしかありません。 やるしかないと解ってても先送りしたいのが人の性、チョイと寄道し防火帯の立看板を作ります。

方眼紙に赤ボールペンで立看板骨組みをケガキます、6mm間隔の横線と22mm間隔縦線3本です。
横線に合わせ0.8mm真鍮線を両面テープで仮止めします、骨組みはプラ丸棒でも作れますが、1mmで若干太くレールクリーニング時に引っ掛けてボキッが必定なので真鍮線強化型にします。
余材で高さ合わせし直角に足の0.8mm真鍮線を半田付けします。
中央足半田付けの際は濡れたティッシュを載せて半田付け外れを防止しました。

真鍮線を半田付けした頑丈な骨組みができました。
看板面はプラ板でも良いのですが、真鍮線瞬着接着の相性が格段に良い箱紙を使います、本体8mmスリット2mm、瞬着チョン止めしてスリット取れば・・・。
ウデの悪さは工作精度だけでなく予見性の無さにも表れる様です、スリット部まで瞬着が回り固着、引き剥がしましたが使い物になりません。
結局瞬着削り落としで看板面再製作、回り道になりました。

フラットアース相当色を吹き足と裏を軽くウェザリングしました。
看板面は画像データを作成しフォトマット紙に写真プリントします。
適合サイズを選び裏に両面テープ貼って1文字毎切り出し、看板面に貼りました。
新品は変なので、コーナー中心に文字面は軽くウェザリングしました。 皆さんが良くご存じの看板文面は「山火事注意」、当時古く設置された看板は「山火事用心」でした、こんな些細な部分にも時代が顕れると考える筆者のこだわりです。

防火帯下段、列車の窓から少し視線を上げた位置に設置しました、適度なウェザリングで周囲に馴染んでくれました。 汽車の窓からタバコの吸い差しを投げ捨てる不心得者への牽制になるかもしれません、国有林にふさわしい看板です。

ユニット定位置設置したら絶対見る事のできない空撮ショットです。 立看板、雪止め柵と線路の位置関係、そして人工林植樹密度が良く解るアングルです。

樹木製作の退屈作業を先伸ばして少々イタズラ、小さな沢は本来先に水流製作すべきですが、下流に自然石と植物素材を接着し雰囲気確認です。

やるしかない作業に戻ります。 樹木幹の着色はこれで半分、上の200本残り+αを準備しました。

枝葉付けも大量生産、見込みを大きく上回り200本近くなりそうです。

ボンド水処理して乾燥中、これも最初のグループ、在庫緑色フォーリッジ4袋全て人工林用針葉樹にしました。

【植樹カウンター:105】
最終的に何本必要なのか当たりを付ける為、一番奥から植樹しました。 34本植えて100の大台突破、本当に200本近くなりそうです。

【植樹カウンター:125】
途中から密度変更できません、樹木在庫残りを横目に見ながら、穴を空けてはボンド塗って差し込む単調作業の繰り返しです。

【植樹カウンター:182】
ただひたすら50本以上、ようやく全山植樹が一段落しました、ここまで182本です。

182本植樹したユニット全景です。 奥羽本線沿い秋田杉美林は線路際まで迫ってました、植え足しには完成樹木では不足なので一旦ここで植樹を中断します。

ユニットを東基台に移動し県道から見上げたアングルで撮影しました。 枝打ちした人工林の雰囲気は再現できたと思いますが、幹の角度が微妙に違う様で(汗)


ではまた。