Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

夕景のススメ-1 ハマったキッカケ

拙ブログには夕景を数多く掲載していますが、そのキッカケと撮影の方法や工夫、感じた事などを紹介します。 レイアウト建設開始当初からブログ開設まで、数人の友人に建設記を配信し、『駄菓子屋が欲しい』『学校があっても良いのでは』『田舎道はもっとデコボコだった』等々様々なフィードバックを頂戴し、風景作りのヒントやモチベーションの源泉になっていました。 そんな中に『(筆者)さん、ここまで完成度が上がってきたらやっぱり背景が夕焼け空の秋の夕方なんかが演出できるといいですね。 さすがにトンボも飛ばせとか雪も降らせろとは言いませんけど』というコメントがありました。

【夕景試作品】

悪戯半分に生野駅上空補助照明1灯点灯で夕景試作品を撮影して送付したところ、高評価を得ましたが、『この光の具合ならもっと影が長いはず』等の注文もつきました。 これをキッカケに動画撮影も視野に入れ、筆者の夕景演出法に対する興味が高まりました。

【夕陽ライト】

工作手元灯兼撮影補助照明用スタンドの20W昼光色パルックボールに、赤マジックを塗りたくったコンビニレジ袋を被せた「夕陽ライト~!」(ドラエモンの道具みたいです)を使い、試行錯誤を始めました。 ま、技法と言うには恥ずかしい代物ですが・・・。

【夕陽ライトによる習作】

初期の習作です、何とか夕方らしく見える風景撮影ができるようになりました。 当然ながらレイアウト内で夕景になるのは夕陽ライト照射範囲だけ、1/6から1/8のエリアです。

【「ご愛読に感謝します1万アクセス到達」より転載】

その後、夕陽ライトを当てる高さや方向、傘の使い方により異なる雰囲気の演出ができる様になり、現在も現役で活躍中です。 影を伸ばし照り返しの演出を加えた一枚です。 ちなみに、光源中心と被写体の高低差で影の長さが決まり、光源中心・被写体・カメラの角度で各面の明るさ・反射・影の方向が決まり、傘の上下で、この写真の様に背景空・山を明るくするか、あるいは暗くするか、上下の光配分が決まります。

【鉄橋にて】

先日の『重連貨物 鉄橋をゆく』用に撮影し、貨物列車が入らないのでボツになった一枚です。 蒸機の見え方、鉄橋トラスの反射と影に留意して夕陽ライトを当てています。 特に夕景の蒸機は、照明により質感や存在感が大きく変化します。

【夕陽ライトの限界その1】

夕景を撮る内に、夕陽ライトの限界が見えてきました。 生野駅上り方からです、跨線橋がこの様子なら奥の北町通りや造り酒屋にも夕陽が当るはずなのに闇に沈んでいます。 奥行き距離2.5mのこのアングルでは奥まで光が届かず不自然な絵になってしまいます。

【夕陽ライトの限界その2】

もう一つの限界が解る生野駅4番線・機廻し線の夕景です、影にご注目ください。 給水ポンプ小屋は手前へ、給炭台は真横へ、奥の詰所は向こう側へ影が伸びています。 太陽光は無限遠の点光源、実質的な平行光ですが、夕陽ライトは円盤光源で光が広がるのでこの様な結果になります。 更にもう一つの限界が光の回り込み、給炭台足の影は細りながらもありますが、電柱の影はほとんどできず、建物の影は台形に変形しています。


以上の問題を改善し、奥行きがある実感的な夕景を得るには何らかの工夫が必要です。 夕景動画『急行列車』を製作可能にした方法について次回紹介します。


ではまた。

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