Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

半世紀前のTMS 1963年11月号②

前回の続き、TMS1963年11月号からです。

【前号より転載】
この号作品グラフに8mmゲージD62が紹介されてます、今も昔もゴッドハンドモデラーが存在し、100%手作りの技術には敬服するしかありません。

8mmと言ってもスケール1/140狭軌でこの様なゲージが存在、あるいは市民権を得ていた訳ではありません。 本文記載ありませんでしたが、スケールは当時市販最小型モーターDH-10をテンダー内収納条件で選定したと思われます。

本文によると最初C62で計画したが動輪用φ12mmが見つからず、16番用φ10.5mmを使えるD62へ軌道修正したとの事、写真で見る限り16番用をを薄く削り込んでます。 先従輪及びテンダー用車輪φ6.1mmは対応可能市販パーツがなく自作されてます。

16番蒸機は1軸を動力駆動しロッドで全動輪に伝えますが、ロッドにその強度が出ないとの判断で全軸駆動してます。 お恥ずかしい話ですがN蒸機分解経験がなく、N駆動方式を知りません、それ知らなくても楽しめるのは良い事だと思います。

16番D62との2ショット、1/140はオーバースケール気味Nサイズ、車体は真鍮版にケント紙、ペーパー、アルミ箔で、機器類はビスやナット加工、丸棒削り出し(ドリルレース)です。 牽く車両ありませんから観賞用?、でもスゴイですね。

Nで鉄道模型再開後、車両作品鑑賞の楽しみが失われたと感じます。 良い悪いは別にしてNは作って楽しむより走らせて楽しむ事に主眼を置いたゲージだからです、鑑賞対象は車両からレイアウトに移った様です。 これも鑑賞に堪え得る神の手作品。

東武鉄道の蒸機は多分筆者が最初に見た『汽車』です。 母の帰省旅行下車駅館林の側線かどこかで、乗り物図鑑で見た程格好良くないけど煙を吐き働く姿を見た幼児記憶が残ってます。 甲高い警笛のED級電機も見た覚えがあります。

リベットやサボ受けまでエッチングを使い丹念に表現、趣味の領域を超えた芸術作品として眺めてました。 この号を紹介するに当たり驚いたことがありました、手放した号掲載と思ってた『駅をレイアウトする』が収録されてたのです。

読んだ当時は中学生でまだ一人旅の機会はなく、時刻表で知るのみの地方ローカル線区駅はこうなってるのかと非常に興味深く読みました。 数年後一人旅が許され出掛けると駅構内配線を実地検証しました。

三つ子の魂百まで、筆者が線路配置にこだわるルーツはこの記事で学び実地踏査した経験から、ローカル線はこうなってた、こうでなくてはならないの想いの様です。

遠い昔に読んだこの記事の記憶と、その後の実体験を踏まえて書いた記事があります。
◆ローカル駅線形考 前編
◆ローカル駅線形考 後編《7/23追記》
以上の2編で、改めて元記事を読むと経験範囲の狭さに赤面するばかりです。

著者河田耕一氏について調べ勘違いに気付きました。 河田氏か河野氏かも判然とせず、国鉄職員ではと推論を上記記事に書いてますが全くの間違いでした。 京大鉄研時代からTMSへ寄稿し、松下技研から高知工科大学教授を務められた方でした。

これまで名前は聞いた事あっても中身を知らなかった「シナリィガイド」が、河田氏投稿をまとめた特集シリーズと知り早速手配、便利な世の中と感心する一方、レイアウト製作準備の情報収集不足の反省しきりです。

巻末確認すると初版1974年6月、筆者TMS定期購読中止4年後です。 掲載記事約1/4はTMS誌上で見た記憶があります。 シナリィガイド著作権切れにはまだ4年ありますが、元記事公開起算かどうか良く解りません、初見記事紹介は控えた方が良さそうです。

機芸出版社の面白い広告が載ってました、TMSバックナンバーのまとめ安売りです。 出版業界は長く再販制度(定価販売)と委託販売制度(売れ残り返品)に支えられており、返品在庫のクリアランスセールだったのでしょう。


その後、公取委価格協定指導、大規模店出店、コンビニ販売、ネット通販と書籍販売業界は激動の時代を迎えました。 街から本屋は消え、その因となった大規模店さえ活字離れを受け規模縮小を迫られる昨今、世の移り変わりは凄まじい勢いで進んでます。

裏表紙はカツミ指定席、C62¥11,000、111系4連セット¥10,200、現在のN車両と同価格です。 買ってないので知りませんが¥140のTMS今幾ら?、当時¥50のラーメンは?、お小遣いの範囲で鉄道模型を楽しめるのは幸せですね。


ではまた。

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