Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

電源製作⑥出力回路 その2

電源製作6回目は制御可能デューティー比改善がテーマです。 電子工作ブログじゃないし、機関庫やりかけだし、高性能のクリアで良いじゃんと思いながらも乗りかかった船、三つ子の魂百まで、回り道と解っていてもやりたい、ま、趣味ですからね(笑)


6.出力特性改善の考察と検討

【『電源設計⑤』より転載】
デューティー5%、0.6V未満が制御不能になる要因は次の二つです。
①コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecがデューティー2.2%に制御下限を制限する。
②加えて出力回路の立ち下がり応答遅れで最小パルス幅が2.5μsecに制限される。


6-1.コンパレータ出力最小パルス幅
コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecの原因はすぐ解りました。

コンパレータ出力0.1Vの波形です、この時のパルス幅は1.2μsec、更にVcompをわずかに下げたパルス幅1.1μsec以下で安定動作が損なわれます。 三角波頂点船底状丸味が原因で、オレンジ図示した様に鋭角なら更に狭いパルス幅出力が可能になります。


三角波頂点丸味はオペアンプ応答速度で決まっており、改善するには応答速度が速いコンパレータICで矩形波/三角波発生回路を再設計する必要があります。

【ヒゲ付き三角波】
頂点鋭角で歪みなし、しかもこんなヒゲを出したら出力電圧0Vにできなくなります。 加えて12V/16V共通化条件もクリアしなくてはならず、1ヶ月の仕事を捨ててのやり直しは労多くして益少ないと判断しました。


6-2.出力回路応答遅れの犯人は誰だ?
コンパレータ出力パルス幅改善を諦め、出力回路応答遅れに的を絞って解析し、改善策を検討します。 応答遅れの原因は間違いなくトランジスタ、TR01とTR02どっちでどれだけ遅れているかの確認から始めます。

川上から順番にのセオリーで入力(コンパレータ出力)とTR01出力を比較します。

パルス出力が安定する1Vで解析を進めます。 コンパレータ出力の立ち上がりで0.1μsec応答遅れがありますが立ち下がりは瞬時応答、コンパレータとTR01直結は正解、ベース抵抗なしでドスンと接地して瞬時OFF、2SC1815は無罪放免、良い仕事してます。

となると怪しいのはTR02、入力のプローブを外しレンジを10倍に切り替えて出力に繋ぎ替えました。 2SA1359が2μsecオーバーラン、『車は急に止まれない特性』を如何なく発揮してました。 犯人は逮捕したけど、さてどうやって泥を吐かせるか?


TR01出力波形にヒントが出てます、オーバーラン時出力より0.7-0.8V低く、これじゃTR02ONします。 トランジスタ過渡特性に踏み込むしかなくなり気が重くなりました、大学/企業研究者や半導体開発技術者の専門分野で、筆者は小学生レベルです。


6-3.応答特性改善策の模索
6-3-1.スピードアップコンデンサ
R13の470Ω1/2Wと並列に1000pFのスピードアップコンデンサ付けてみました。 効果はあまり期待できないけどダメの確認、苦しい時は藁にもすがるです(笑)

結果はご覧の通り、TR01出力波形が鈍るだけで出力電圧変化なしダメ確認終了です。


6-3-2.R14抵抗値変更
実験回路①設計でR14の2.7kΩには全く触れませんでした。 トランジスタ動作安定化の抵抗はベース抵抗の10倍基準で5-20倍にしとけば間違いないと先輩に教わりました。

10kΩじゃ20倍少し超えるし、2.7kΩなら5.7倍だから良いかと安易な決め方しました。 でもR14抵抗値下げれば早くTR02をOFFさせる効果があるので思い切って1倍、470Ωにしました、1/6Wで十分ですが品種削減で1/2Wを使います。

波形で効果が確認できました、立ち下がり応答遅れが2μsecから1.6μsecに20%改善し、立ち下がり波形が急峻になってます。 なおこの変更でベース電流が24mAから22.6mAに減り、オーバードライブ1.6から1.5に減りますが許容範囲内と判断しました。

応答特性が改善すれば安定出力下限電圧が下がるハズです、確認の結果コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsecで出力0.55Vに下がりました。 これで制御可能デューティー比も市販品を上回る性能を実現したので一旦ここまでとします。


6項番外.諦めの悪いオヤジへのご褒美
それでも応答遅れが気に入らず、勝つなら圧勝と公開トランジスタ工学関連学術論文から過渡応答に係る部分を拾い読みしたけど半分も解りません(笑)、でも『アレッ、もしかしたら』の仮説に基づくアイディアを実験したらトンデモナイ物できちゃいました。

【応答遅れほぼゼロ!】・・・合成写真ではありません。
作った本人が驚く応答特性です、アイディア採用のマイナス側面もありますが、設計部分変更で対処可能です。 理論的説明はチョッとですが現象は100%理解できてます。

筆者はこのアイディアを採用しますが下記理由で技法として公開せず推奨もしません。
★実用性能にほとんど影響がなく、公開して読者に提供できる価値がない。
★どこにもない最高の電源を作りたいという自己満足がそもそもの目的。
★その道の専門家から突っ込まれても理論的説明ができない。(+鬱陶しい)
情報は独り歩きするので公開リスクがメリットをはるかに上回る。

コンパレータ出力最小パルス幅1.1μsec時の出力、デューティー2.4%、電圧0.3V以下まできっちり出ます。 室内灯微点灯域を0.6Vから0.3Vに下げても別に偉くないですね。

時間軸5倍1/500万秒にしないと真の姿が解りません。 デューティー2.4%(公開情報は4.5%)から100%まで矩形波出力可能な、常点灯という特殊用途に最適な電源コア部分が完成しました。 最後は嬉しさの余り自慢話になっちゃいました(汗)


ではまた。