Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

【大型】新町中総合車両所【受注】

拙ブログのこのタイトルに!?と感じた読者も多いと思います。 今回『た625さん』からレイアウト改修電気設計大型案件を一括受注した信州田舎企業のオヤジです(笑)


1.なれそめ

発端はチョイチョイ訪問してた『た625さん』ブログ昨年7月2日更新記事でした。 Arduinoなんて初耳、興味深く成り行きを見守ってるとデジタルノイズ誤動作でお悩みの様子、余計なお節介かと躊躇した末のコメントから思わぬドラマが生まれました。


★筆者コメント全文・・・2017.7.10『た625さん』掲示板
『こんばんわ。 苦手と言いながら挑戦するのが凄いですね。 恐らくポイント数1/5以下の当方でも切り替えにオタオタしますからワンプッシュ切り替え必要性は良く理解できます。 私は電気屋ですがソフトで何でも制御するようになった四半世紀前には第一線から離れたし、サーボを扱った経験もなく、Arduinoって何だの世界なので控えていました。 でも気になっている事がありコメントします。


前回投稿掲載回路図の電源・GNDを除くサーボ及びコントローラ制御端子とGND間には100kΩ~470kΩのプルダウン抵抗が入っているのでしょうか? 制御端子はハイインピーダンスで接続されたリード線は超高感度ノイズアンテナになり容易に誤動作を引き起こします。 釈迦に説法なら良いのですが、念の為お知らせします。』


Arduino助っ人を買って出ていた『親爺ぃさん』がこれに喰い付き、自然発生的な「ヤード一括転換開発プロジェクト」が結成され、JAM2017出展が目標になりました。 完成納期までわずか1ヶ月、顔さえ知らない3人による超特急緊急プロジェクトでした。

【『露太本線のJAM初訪問記』より転載】
「工作」(出展者)「制御」「電気」と得意分野が相互補完するチームですが、居住地は遠く離れ性格も見事な程にバラバラ、千通に及ぶメールの中で殴り合いも何度か(笑) 一部積み残し課題はありましたが、何とか出展に漕ぎ着けました。

【『露太本線のJAM初訪問記』より転載】
地獄のタコ部屋で1ヶ月同じ釜の飯を食った経験が忘れ難く、その後お二方とお付き合いいただいてます。 そんなご縁で『た625さん』の誰でも使えるTOMIXからPecoエレクトロフログに乗り換える暴挙挑戦にも『親爺ぃさん』と加わる事になりました。


2.旧町中総合車両所

皆さんよ~くご存知『た625さん』町中総合車両所、個人レイアウトとしては大規模なヤードです。 筆者は分解調査で「TOMIXポイントはレイアウトに使えない」と不採用を決めましたが、『た625』さんはそれを実地検証し『ポイントの転換不良と通電不良が続き治すのも馬鹿らしく長い間放置していました。。。』と書かれてます。


もしTOMIXポイントがまともに転換し通電してれば、『た625さん』のArduino/Peco採用決断もなくご縁も生まれなかったでしょう。 また筆者が電気関連情報重要性に気付き、発信開始する契機にもなりました、TOMIXには大変感謝しています。

改修前の旧町中総合車両所のフィーダー・ギャップ設計はこの様になってました。
a.本線F1からポイント開通した1-10番線にのみ給電され走行可能になります。
b.完全選択式と簡易型ダブルスリップによりギャップ不要、設置されてません。
c.11・12番線へF1から給電不能なので3番線にF2を設け11・12番線へ乗入れ可能にしてます、ただしショート防止の為にF1/F2いずれか一方だけONで使用してました。

《註》11・12番線へは3番線からのみ乗入れ可能、1・2番線からは乗入れできません。


優れたコンセプトを活かせないTOMIXの設計技術
つまりヤードは線路つないで走行不能な11・12番線用補助フィーダーを増設しただけ、それで使えるのが完全選択式のメリットなのに、TOMIXは実に勿体ない事してます。


3.新町中総合車両所
3-1.線路配置

『た625さん』5月27日更新記事で新町中総合車両所の線路敷設が完了しました。

TOMIX複線間隔37mm基準で敷設された旧町中総合車両所をPecoに置き換えると3-4線増可能ですが、線増を2に抑えたゆとり重視の線路配置になっています。

【『た625さん』ブログより転載】
分岐角変化15度⇒10度がヤード有効長確保の課題でしたが、8-12番線ポイントに微少な角度を付け、12番線を解体線にするなど変化に富んだ線形になりました。


3-2.フィーダーとギャップ 基礎編
本テーマは先日連載したポイント電気講座の応用問題です。 Pecoエレクトロフログは『ポイント電気講座②ルーツから学ぶ』の通り、フィーダーとギャップを正しく設置しないとショート事故が発生します。 この中でポイント分岐側が対向する場所にはギャップを設置すると解説しました。

【『ポイント電気講座⑦Pecoその2』より転載】
またPecoダブルスリップは『ポイント電気講座⑦Pecoその2』でフィーダー設置が必要と解説しました。

PecoダブルスリップはY字ポイント2個背中合わせと電気的等価な設計で、ポイントトング側から給電する様にフィーダ-を設置するからです。 従ってダブルスリップ4方向は全てポイント分岐側として扱う必要があります。

新町中総合車両所のフィーダーとギャップは上図の様に、
a.本線F1の他にDS1/DS2それぞれにF2/F3が必要になります。
b.PY2/DS1分岐側が対向する場所にショート防止のG1が必要です。
c.DS1/DS2分岐側が対向する場所にショート防止のG2が必要です。


給電状態を確認します。
d.F1から6-12番線へポイントトング側から給電され開通方向のみ走行可能です。
e.F2から5番線14番線、PY2/DS2へ給電され開通方向のみ走行可能です。
f.F3から1-4番線13番線、DS1へ給電され開通方向のみ走行可能です。


3-3.フィーダーとギャップ 実践編
F1/F2/F3からヤード内全ての線路に給電可能と確認できました、それでは、
g.ショート防止G1/G2以外に運転用ギャップは必要ないのでしょうか?

【ヤード内入替可能にする運転ギャップと追加フィーダー】
F1からはヤード入口ポイントPY1転換時しか6-12番線に給電されません、ヤード内単独入替可能にするには運転ギャップG3とF4追加が必要です。 この案は引上げ線長が短く、本線と合わせ1列車運転で良いと『た625さん』不採用になりました。 


h.F1/F2/F3をどう配線すれば良いのでしょうか?
F1/F2/F3を束ねてコントローラに配線したらどうなるでしょう?、本線列車と共にヤード内列車が暴走します。 F2はDS1をPY2/DS2開通状態にすれば5・14番線列車の暴走を防げます、しかしF3は必ずDS2が開通する1-4番線に給電し暴走を防げません。

【フィーダーの従属接続】
列車暴走防止の為にフィーダーの従属接続を行います。 これによりF2は本線からPY1/PTW/PY2がDS1へ開通した場合だけ両極性が給電され、他は全て片極性です、同じくF3はPY1/PTW/PY2/DS1がDS2へ開通した場合だけ両極性が給電され、他は全て片極性です。 この様なフィーダー接続法で予期せぬ暴走を防ぎます。


しかしこの方法にはヤード内1-5番線⇔14番線、1-4番線⇔13番線運転時にPY1/PTW/PY2を開通させないと給電しない問題があります。(やればできても使い勝手が悪い)

そこで本線⇔1-12番線運転時と、13・14番線⇔1-4(5)番線運転時に2回路リレーを使うフィーダー配線切替方式を筆者設計案として提案しました。 リレーはヤード一括転換を制御するArduinoから13・14番線開通時の信号で自動制御します。


3-4.ハードウェア実現法とソフトウェア実現法
その後『親爺ぃさん』と打ち合わせて最終案が決定しました。 2回路リレーを使うならハードウェア的なフィーダー従属接続でなくても、一括転換モードに合わせF2/F3を直接ON/OFFするソフトウェア的な実現法があるからです。

DS1/DS2を通過する一括転換モード時にArduino制御でリレーを駆動しF2/F3へ給電します。 ハード/ソフト実現法はどちらが良いという物ではなく、今回はArduino制御だったからこそ可能になった方法です。


以上、新町中総合車両所プロジェクト電気班からの報告でした。 新町中総合車両所ポイント一括転換及び上記フィーダー制御については、新町中総合車両所プロジェクト制御班『親爺ぃさん』ブログから報告がありますので、そちらをご参照ください。


★35万アクセス到達(6/1)
3月に始めて月間2万アクセスを超え、5月は2万5千を超えました、ポイント電気講座効果が大きかったと思います、大変ありがとうございました。 拙い工作記に加え、電気関係情報も発信して参りますので、これからもご愛読のほどよろしくお願いいたします。


ではまた。