Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

模型照明の電気講座⑤車両室内灯 後編

模型照明の電気講座最終回は前回の大疑問、oomoriさん実証実験で何故PWM電源発光目視確認が1.88Vだったか解明し、テープLEDが室内灯に向いているか結論を出します。 多少専門的解説も含まれますので、難しいと感じたら飛ばし読みしてください(笑)


5.大疑問の解明
5-1.筆者大疑問とは?

PWM方式電源でテープLEDが1.88V未満で非点灯なら、テープLED室内灯は常点灯できない事になります。 筆者推奨ダイオードブリッジ使用でも2.5Vまで点灯せず、この電圧で車両走行するからです。 実際は多くの採用者が常点灯できていると思います。
そんなハズはない、何かが違うが筆者の大疑問です。


5-2.実験で解った事
理論と実際は完全一致しないので、oomoriさんと筆者実験で解った事をまとめます。

通常方式電源使用時の発光目視確認電圧が、テープLED3本直列4.68V、ダイオードブリッジ内蔵室内灯クリア2Vだった事から、模型照明用LEDは約1.5Vで薄っすら点き始めると解りました。 この時の電流は0.01mA以下と推定され、ダイオードブリッジ電圧ロスは1V(シリコン)0.5V(ショットキー、KATOは多分コレ)まで低下してます。


★oomoriさんテープLED実験:4.68x1/3=1.56(V)
★筆者室内灯クリア計測:2.0-0.5[DBロス]=1.5(V)


この薄っすら点灯から電圧上昇してもわずかに明るくなるだけの微点灯域があり、2.6V-2.7V以上から室内灯実用域の明るさになると考えられます。

前回更新後oomoriさんが追加実験をして下さいました。 またジュンパパさんから頂戴したコメントで12V仕様テープLED直列抵抗150Ω(部品表記151)と判明しました。

この新情報とダイオードブリッジ電圧ロス特性に基づき、前回記事前提条件を以下の様に訂正して検証を進めます。


★通常方式電源テープLED室内灯(シリコンDB)
・微点灯域電圧:6.1V⇒5.7V・・・4.68+1.0
・実用点灯域電圧:8.5V⇒8.9V・・・2.6x3+1.1


5-3. KATOハイパーDのテープLED点灯性能評価
テープLEDが手元になくとも、大疑問解明にできる事をやってみました。

この解析には当社秘密兵器「ストレージオシロスコープ」を使います。

【電圧1.86VのPWM出力波形】・・・今回は全て100万分の1秒レンジです。
1.88Vに近い電圧のハイパーD出力波形です。 PWM理想波形は黄色一点鎖線ですが実際は少し鈍っていました。 理想波形と実際波形の面積は等しく、従って平均値を計測するテスターがこの電圧値を示しています。(PWMの原理です) また、最高電圧14.3VはテープLED室内灯実用点灯域なので、電源電圧1.86VでテープLEDは十分点灯します。


なお、LEDの応答速度は非常に速く、例え1世代前の半導体プロセスで生産された中国製安価品でも50-100nsec、横軸1目盛の1/10~1/20の時間で点灯/非点灯動作します。

電圧1Vで計測すると更に波形が鈍り最高電圧が低下しました、でも面積は同じです。 最高電圧13.2VはテープLED室内灯実用点灯域なので、1Vで常点灯可能です。 問題は、テープLED室内灯は図中オレンジ点線より高電圧成分だけ有効という事です。 理想波形との面積比は2/3程度で、常点灯の明るさが理想波形より低下します。

電圧を下げながら計測を続け0.2Vの結果です。 面積が等しくても最高電圧は微点灯域の7.2Vまで低下します。 0.2Vよりわずか低い電圧で非点灯域になります。


もう一つこの計測結果で重要なのは、0.2V出力でテープLED室内灯は微点灯域だが、LED室内灯クリアは実用域で点灯する、つまり常点灯可能です。(暗いけどね)

計測結果を図示しました。 2V以下の低電圧でPWM波形の鈍りにより理想波形より明るさが低下し、その影響はLED室内灯クリアよりテープLED室内灯がかなり大きいです。 波形鈍りの影響が高電圧側に顕著に出るのでそうなります。 なお前回直線表示したLED室内灯クリア特性1V以下を、計測結果に基づき修正しました。


5-4. TOMIX N1001-CLのテープLED点灯性能
KATOハイパーDは15V、oomoriさん自作PWM電源は12Vで直接比較できません。 そこで同じ12VのTOMIX N1001-CLを計測してみました。

電圧1Vの計測をして驚きました、立ち上がり時間がKATOの1/10、電圧低下なしです。 TOMIXは常点灯を売りにする為、高速スイッチング可能な部品選定と回路方式を採用してると解ります。 ここは素直に褒めます、TOMIXエライ!(笑)


もちろん、テープLEDを室内灯実用域で点灯できますし、オレンジ点線より上の面積比が高く、1VでKATOハイパーDより明るく常点灯します。

電圧0.2Vの最高電圧は非点灯域の5.3Vまで低下してます。 0.2V出力でLED室内灯クリアを実用域で点灯できるのも同じです。 図示は誤差範囲なので省略します。


ここまでの計測と検証で市販PWM電源はテープLED室内灯を常点灯できる事が証明できました。 では何故oomoriさん検証実験計測結果は1.88Vだったのでしょう???


5-5. 筆者仮説
専門家ではないと断られていますがPWM電源自作を始め、様々な電子工作をされているoomoriさんが単純計測ミスを犯す訳がなく、消去法で仮説を立てました。

oomoriさん検証実験で電源により異なる電圧で発光確認されてます、つまり非点灯⇒微点灯の瞬間で、電気的には継続点灯と間欠点灯の差がありますが光学的には等価です。 この仮説に基づくと以下推論が成立し、1.88V未満テープLED非点灯の謎が解けます。

oomoriさん自作電源周波数を20kHzと仮定すると、理想波形パルス幅は7.8μsecです。 筆者推定実際波形は図緑の様に鈍っており、面積は理想波形と同じでも最高電圧は微点灯域に留まってると考えます。 通常電源では4.68Vでチロッと継続点灯、PWM電源では4.68V以上の8μsecでチロッからピロピロッと点灯し、残り周期42μsec消灯、それが人間の目で平均化(積分)されて同じ明るさに見えるという仮説です。


oomoriさん再検証実験が仮説を裏打付けました。 発振周波数を下げると発光目視確認電圧が下がる事です。 周波数が下がるとパルス幅が広くなり、波形鈍り影響が減少するからです。 何故PWM方式TOMIX/KATO電源0.2Vで起きる現象が約10倍の電圧で発生するかについて思い当る事はありますが、回路図も見ずにコメントするのは控えます。 


6.テープLEDは室内灯に向いているか?
★筆者結論:明るく均一な室内照明としてテープLEDは最も簡単・確実・安価な方法として向いています。 ただし使用に際して以下の点に留意する必要があります。
①PWM方式電源で使用して下さい、通常方式電源では中速域まで点灯しません。
②設計最適化されたPWM電源を使用しないと常点灯できません。
③常点灯域が狭くなりますので、ショットキーダイオードブリッジ使用を推奨します。

ジュンパパさん情報によると、3528テープLEDは単体でLED推奨条件20mAに設計されています。 自作室内灯にシリコンダイオードブリッジ使用で11.3mA、ショットキーダイオードブリッジ使用で15mAに自動的にディレーティングされ信頼性も十分です。


以上で模型照明の電気講座を閉講とします。


★ゴキブリ!?
厳寒が続き御神渡りが出現した諏訪湖周辺では平日でも観光客で渋滞が発生してます。 そんな中、地元局NEWSで『ゴキブリ』という久しく聞かなかった言葉を聞きました。
「御神渡り」出現 諏訪湖に5季ぶり | 信濃毎日新聞[信毎web]

【観光客で賑わう諏訪湖畔】
5年振りとか5シーズン振りなら誤解を招かないのに、原稿が「5季振り」だった(笑) ちなみに当地にゴキブリ居ません、あの超しぶとい害虫さえ住めない土地に住み暮らしてます。 今日も最高気温氷点下の真冬日、でも北陸の惨状を聞くと贅沢は言えません。


ではまた。

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