Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

TOMIX電気設計の検証 その1

筆者8/31投稿記事、

の中で、計測結果を基に『N-1001-CLは欠陥製品です。』と断じました。 純正ポイントスイッチを使い純正ポイントを確実に切り替える事ができない電気設計だからです。


1.その後の調査で判明したTOMIXポイント切替の実態
その後の調査結果を最初に報告します。

【筆者所有のTOMIX N-1001-CL】
冒頭記事へ頂戴したコメントの中に気になる情報がありました。


Tommyさんからいただいたコメントです、『以前、とあるレンタルレイアウトでは、TOMIXレール&制御システムながらしっかり転換できているので、どのような対策を取ったか聞いたことがあります。 結果としては、パワーユニット内に電解コンデンサが内蔵されているのを、その容量を倍増する改造を行ったとのことでした。』(抜粋)


それに対し筆者は、『 あの波形、電流供給能力不足のドロップと理解しましたが、電源から供給できないのでパワーパックがコンデンサ切替をやっていた訳ですね。 確かにそうすれば走行列車速度に影響がなくある意味なるほどねです。 その前提であの波形を見ると4700μFの放電特性に見えます。』(抜粋)とコメントを返しました。


Tommyさんが「しっかり転換できるのは不思議と感じ、レンタルレイアウト屋さんは「改造しないと使えない」と考えていた事が明白で、筆者が指摘するまでもなくTOMIX制御機器ポイント切替に問題ありと認識しているユーザーが多いと確認できました。


そこで、TOMIX製その他の制御機器スペックを調べてみました。

左上ベーシックなN-600だけ常点灯機能なし出力1A、N-1001-CLを含めその上位機種全て出力1.2A、『TCS出力端子、ポイント用サイドコネクター付き』と完全同仕様です。 相違はワンハンドル制御、マスコン/ブレーキ等、無線伝送の付加機能だけです。


8/31記事でTOMIXパワーパック上位機種はKATOと同じ2Aクラスの前提で記載しましたが間違いでした。 9/13付けで訂正文を追記しました、調査不足をお詫び致します。


『TCS出力端子』がアクセサリー用12V、『ポイント用サイドコネクター』がコンデンサポイント切替出力です。 つまりTOMIX制御機器は全て同じ方式のポイント切替です。

【TOMIX『ポイント用サイドコネクター』ポイント切替電圧波形】
それがどれほど危うい設計かご理解いただく為、動作不可能0.9Aと確実動作1.1Aを電圧換算して重ねました。 確実動作に寄与しているのはヒゲの先端わずか6msec、11.28V出力は、ポイント配線コードと接点抵抗でソレノイド入力が10.7Vへ低下しています。


『ポイント延長コード』使用時は更に電圧低下しポイント切替確実性が失われます。 TOMIXのお粗末なポイントスイッチ設計背景も理解できました、コンデンサ切替式動作不可能領域なので、ON時間が30msecでも100msecでもほとんど関係ないのです。


8/31記事で『N-1001-CLは欠陥製品です』と書きましたが訂正します、『TOMIXのポイント用サイドコネクター搭載機器は全て欠陥製品です』

TOMIXとKATOのポイント配線コードです。 目視はKATOが少し太い程度ですが、触感はかなり違いKATOは硬くTOMIXは柔らかです。 両社ソレノイド電流はTOMIXが1.52AでKATO 0.68Aの2.2倍です、当然電流容量を考慮した設計が必要ですが、両社コードは1A定格だと思います。 両社DCフィーダーコードも同仕様、これは問題ありません。


総体的にKATO電気設計は手堅く、部品選定、確実性、安全性、どれも納得できますが、TOMIX電気設計は動けば良しの手抜きです。 手抜きだけならオモチャで済ませますが、ユーザーを騙して迷惑を掛け負担を強いるやり方を筆者は糾弾しています。


2.装着できるのに使えない!ポイントスイッチN-W

ダブルクロスポイントは複線エンドレス相互乗り入れに良く利用され、TOMIXはソレノイド2個入りです。 KATO製と異なり中央菱型部線路が無電区間なので高速通過しないと停止する、半ば欠陥製品です。 この情報はぎっしゃさんから頂戴しました。

ダブルクロスポイント切替用の純正ポイントスイッチです、ポイント2個構成の片渡り線にも推奨しています、特徴注記にある様に別売専用電源が必要です。 2万円以上もする高級制御機器『ポイント用サイドコネクター』に装着可能なのに動作しないのです。


ポイント1個さえ満足に切替不能な『サイドコネクター』に2個同時切替などできる訳がありません。 筆者が『ダメな製品は基本設計からやり直さない限りダメ』と言ったのはこの事です。 電気が苦手でも使えるレールと機器を提供してあげたのだから、これ必要と言われた製品を買いなさいがTOMIXの経営姿勢の様です、ユーザーを舐めてます。

ユーザーを舐めている極みがコレです、TOMIX自身が延長コードで離れたポイント切替不確実を暗に認めています、ユーザークレームを数多く受けているハズです。


TOMIXは筆者が欠陥製品と断じた全制御機器サイドコネクター改善手段を複数持っています。 Tommyさんコメントの容量倍増も有効で、TOMIXが4700μF⇒10000μF変更する原価は10円程度です。 それをせずこんな製品売り付けるのがTOMIXのやり方です。


製品定価¥4,800、箱の中は多分コンデンサ・ダイオード・金属皮膜抵抗・ポリスイッチだけ、ACアダプタ込みのメーカー調達原価は500円以下です。 購入価格の大部分は、ケース金型代(約200万円)、開発人件費償却と宣伝広告費、全く馬鹿にした話です。


3.N-10010CL分解調査Part-1
ここまで明確にTOMIXにダメ出しをした以上、どんな設計をしているのかN-1001-CLを分解調査し設計検証する事にしました。 TOMIXもまさかストレージオシロを持ち出し設計解析する元電子回路設計者が現れるとは思ってなかったでしょう。

四隅のゴム足の下に上下ケース固定ネジが隠れています。 ここでムッ、法律で義務付けられた原産国表示はMADE IN CHINA、中国製が何でも悪いとは言いません、しかし。

HPの《企画、設計、生産、管理、販売、サービスに至るまで一貫したシステムで、日本製の高い精度を保った製品を仕上げています》、確かに国内生産とは書いてないけれど、そう受け取れる(受け取らせたい)表現です。 こんな所にも経営姿勢が現れます。

ゴム足を外して4本のネジを抜きケースを開けました、基板止めネジ3本と電源コネクタを抜いた状態です。 基板は速度調整ボリュームで表ケースに固定されています。


基板は部品実装密度スカスカのたったこれだけ、現代の電子回路技術は進んでおりKATOも同じです。 基板とケースサイズは人間工学的な操作性で決められています。

速度調整ダイヤルゴムカバーとダイヤルを取り外すと、速度調整ボリュームの軸が現われます。 穴底の六角ナット外しにはソケットレンチヘッドが必要かと思いましたが、大型ピンセットで回りました、基板と表ケースが分離します。

外した基板表面の実装部品は操作系とパイロットランプ程度です。 筆者コメント通り4700μFのアルミ電解コンデンサが現れました、電気の素養があれば放電特性から容易に想像できる事です。 次回電気的検証でTOMIX電気設計を解剖します。


ではまた。

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