Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

保存蒸機を訪ねて②小海線C56

すっかりハマった静態保存蒸機巡り、今回は車で45分圏内の山梨県です。 筆者は小海線C56を見た経験がありますが、静態保存DBでは2両共に荒廃注記がついていました。

小淵沢町(現北杜市)保存機は126号機です。 1975.2.17浜田廃車ですが長野県内で21年間、主に飯山線と小海線で働いた地元ゆかりの蒸機です。 保存場所は小淵沢小学校の校庭、学校の休日を選び宿直の先生に許可をいただいて近くで見せてもらいました。

教材として解説する内容の説明看板です、管理者名が無いのが気になりました、自治体?教育委員会?小学校?解りません。 手入れの悪さに関係するかもしれません。

集煙装置装着機です、華奢なC56だと巨大に見えます。 外装は確かに痛んでいますが、年相応に古びた印象で粗末に扱われた感じはなく、一度も補修塗装をしていない様に見えました。 また全く装飾なし現役時代のままの静態保存蒸機は始めてです。

キャブ回りのプレートや窓ガラスは原状を留めており、機関士席からランボードへ出る扉が開放状態になっています、のぞき込んだキャブ内も荒れた印象はありませんでした。

キャブ反対側です、各所に錆が目立ちますが、黒々と厚塗り補修塗装のボテッとした状態より、この方が現役時代を彷彿とさせてくれます。

ロッド、動輪、バランスウェイト、ランボード現役時代のままです、見た目のインパクトはありませんが、やっぱりオリジナルが筆者は好きです。

保存状態評価としては下の上止まりですが、原状を良く留めているので、手入れして長く保存すべき素材だと思いました。


もう1両の荒廃注記付き149号機の保存場所は高根町(現北杜市)町営たかね荘、ナビでヒットしないので、北杜市高根支所(旧町役場は開庁日)へ向かいました。

窓口応対の職員さんはたかね荘が解らず、観光協会に問い合わせて現在の「八ヶ岳美し森ロッジ」だと解りました。 清里駅は旧高根町と知り、北杜市は小淵沢町・長坂町・高根町・白州町・須玉町・大泉村・武川村・明野村の8町村合併で誕生した中央道ICが3ヶ所もある広大な市である事も解りました。 ようやく辿り着いた「八ヶ岳美し森ロッジ」に蒸機はなく、管理人さんが清里駅前に移設されたと教えてくれました。

清里駅前と解っていたら小淵沢から直行し高根支所に行った頃着いていましたが、悔やんでも仕方ない事です。 やっと清里駅前で149号機とご対面できました。

説明看板の履歴部分です、1973.7.20木曽福島廃車ですが、前年まで30年以上中込機関区に在籍し、小海線の輸送を支え続けた生粋のご当地蒸機です。

清里駅前に移設した経緯が説明されています。 町営施設の片隅でなく、最初から清里駅前がこの蒸機が居るべき場所だったと思います。

一見屋根付き保存に見えますがそうではなく、清里駅アプローチ通路の半分を蒸機が占領して静態保存されています。

外装劣化は小淵沢126号機より進んでいます、この辺りが荒廃注記の原因なのでしょう。

キャブ回りに気になる欠損はありません。

キャブ内も原状を留めており、保存状態評価は小淵沢と同じ下の上です。

説明看板に添えられた現役時代の雄姿です。 筆者は多分林間学校で訪れた1963年夏、飯盛山登山の次途で甲斐大泉から清里への登り勾配に奮戦するC56を遠望しました。

《蒸気機関車スタイルブック1962年版より》
記事作成下調べで発見がありました、蒸気機関車スタイルブック1962年版に清里駅静態保存149号機の1959年、58年前の姿が掲載されていました。 撮影地不明ですが、単機なので小諸、中込、小淵沢のいずれかだと思います。


ではまた。

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