Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

生野街歩き-2 北町の商店たち

生野駅前から線路沿いに延びる北町通りを紹介します。 駅前繁華街や町の中心部から外れた脇通りですが、いつしか商店が建ち並び北町商店街と呼ばれるようになりました。 

鉄骨隠しの物流会社ビルの先で、北町通りは少し右へ角度を変えて線路脇へ沿っていきます。 裏通りがここから分かれて三叉路になっており、角店はKATO完成品を米屋に仕立ててあります。 新米入荷の張り紙だけで季節感を出すのは難しいようです。

小さな商店街なので、アーケードなどはなく、街灯の柱に看板があるだけです。 米屋の先は洋品店、写真館、金物屋と続きます、いずれも現在は少なくなった個人商店です。

夜景がそれらしく見えるように、店内を簡単に造作してあります。 写真館のショウウィンドには家族の写真を縮小して飾りました。

その先は薬屋と電器店です。 こんなカエルのマスコットがあったと、懐かしくなったのが購入動機です。 都会ほど建て混まず、といって間延びしない間隔で並んでいます。 街灯に接近すると、3228チップは大き過ぎるのが一目瞭然です。 二期工事以降は、1608と薄型3014を使用していますが、3228タイプの改修工事は将来課題のままです。 街灯支柱には内径1mm真鍮パイプを使用し、片電極を兼用しています。 少々オーバースケールですが、電柱や道路標識も同様なので、バランスが取れると考えています。

お隣は商店長屋、駄菓子屋に改造可能なストラクチャを探した結果です。 当時の駄菓子屋は、木枠ガラス蓋の商品ケースを、店の外までガラガラ引き出していたものです。 残り3軒はしもた屋、蕎麦屋、不動産屋にしました。 列島改造ブームで明和不動産は好景気、生野駅へ構内看板を出し、中山平駅空地の販売も手掛けています。 生野駅は街外れの小高い丘の上にあるので、旧市街中心部は少し低い場所になります。 背景に筆者が住む茅野市の風景を使いました、当時あってはならない量販店と近代的ビルを樹木などで隠しています。 それだけでらしく見えるのは地方都市だからでしょう。 ソーラーパネル設置屋根もありますが、当時の温水器に見えるのでそのままにしてあります。

更にジオコレタウンが続きます、出光GSと漬物屋です。 GSの先で生野駅構内が終り、北町踏切から駅裏工業団地や山裾の村々へ通じる道路が分岐します。

夜景です。 街灯2灯、GS給油場、GS事務所、漬物屋、場所と性格により明るさと色が異なります。 踏切までは計画原案通りですが、その先、北町通りの自然な終らせ方が着工まで未解決でした。 漠然とトンネル・・・と考えていましたが、空間の広がりを演出できないかとこんな工夫をしました。

塩ビパイプ継手を使えないかと、道路トンネル規格を調べたところ、断面形状は真円でOK、建築限界があることも解りました。 手頃に見えた50シリーズ・内径60mmの塩ビ継手は建築限界ギリギリ、自転車では恐くて通行できないサイズでした。 そこで、東京五輪(昭和39年)後の景気対策公共工事として、歩道付高規格トンネルが建設されたという都合の良い設定で、65シリーズ・内径76mmの直線継手と大曲りエルボ継手を組み合わせ、生野トンネルを製作しました。 トンネル内でカーブさせれば、北町通りの自然な終端処理ができるというアイディアです。 12V給電、標準LED3灯直列の内部照明(常時点灯)を取り付けました。 塩ビの地肌がコンクリートに近いので塗装していません。 設置場所は生野駅前の二匹目のドジョウ、20cmx40cmの張出しスペースです。

トンネル入口付近のアップです、車線幅が通常の3mから高規格の3.5mへ広くなっています。 歩道幅は1.2m、自転車・歩行者が安心して通行できます。 入口に銘板、点灯標識と共に「昭和43年9月竣工」のプレートを貼りました。 舗装は手前がアスファルト。トンネル区間はコンクリートをイメージしてトーンを変えています。 

生野トンネルを設置した北町商店街の終点付近です。 道路角度にマッチするKATO製文房具屋をコーナー配置しました。 完成品なので、ウェザリング・照明組込・店内造作をしただけです。 北町踏切から道路は登り坂で、文房具屋左端で2mmほど建物土台が高くなっています。 道路右側に造り酒屋の店蔵と賄い処があります、生野駅南側に貯蔵蔵と出荷倉を持つ老舗です。 店蔵土台の石垣で、トンネルへ向けた坂の勾配が解ります。 生野トンネル自体も、道路が登り勾配になるよう設置しました。

商店街外れの少し寂しい雰囲気と、トンネル奥へ続く空間の広がり感が出たでしょうか?


ではまた。

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