Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

鉄の履歴書-20 タイムカプセル部品箱①

本シリーズで紹介した16番スハ32やオシ17保存箱から、懐かしい品々が出てきました、50年前のタイムカプセル部品箱です、手持ち蒸機C58追加工の思い出を書いてみます。

【特急快走】
C58は低価格の代わりに非常に簡素なディテール、細密化は予算とウデでお好きにどうぞというモデルでした。 追加工の最初に上回り塗装を剥がし真鍮ボディ状態にして、手摺やキャブ下パイピングを行いました。 同時に雑誌記事を参考に自作発煙装置を取り付けました、機械油加熱方式です。 煙室扉裏側にU字型貯油槽を半田付けし、鉛ウェイトを部分カットして干渉を避け、ビス止め煙突を半田付けにして貫通させました。

発煙装置増産用の保存部品です。 左の半田ごてヒーター碍子に右のドライヤー電熱線を巻いて発煙装置ヒーターを作ります、電源はモーターと共通です。 貯油槽にヒーターを縦に保持するステーを付け、セットして煙突から注射針を碍子に差し込む構造です。 給油はピンセットで注射針を抜き、煙室扉を引き出して行います。


書くと簡単ですが、電熱線長さ調整が発煙量と電源容量の兼ね合いで難しく、電熱線接続部は高温で半田付けできず、一方は貯油槽ビス止め、他方は圧着カシメを用いました。 また注射針脱着の給油に手間がかかり、優れた設計とは言えない代物でした。

フィルムケースにストックしてあった碍子です。 当時の日本の工業力なのか、あるいは碍子とはこんな物なのか良く解りませんが、長さも穴径もバラツキが大きく、発煙装置に使えるのは一部でした。 右はマカロニ状に湾曲、左は穴断面が楕円になっています。 中央は試作使用品と思われ、油面上で赤熱電熱線に焼かれた部分が変色しています。

煙突から差し込む予備の極太注射針です、碍子内径より若干小さい外径です。 長さを合わせ切断使用したはずですが方法を覚えていません、多分大型ペンチで押し切ったと思います。 自作した真鍮細工のC58集煙装置が残っていたので一緒に撮影しました。


肝腎の発煙装置性能は、燃料が多いと熱分散で発煙量微少、燃料1/2でヒーター赤熱部が増えると発煙量中、燃料1/4以下は注射針先端テーパーで効率低下し発煙量少でした。 有効発煙時間1分少々の成功とは言えない結果でしたが、煙を吐いて走る姿に大興奮、大満足しました。 苦労した物が形になる、機能する喜びはご理解いただけると思います。


ではまた。

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