Nゲージレイアウト国鉄露太本線建設記

運転よりシナリー重視コンセプトで、昭和40年代後半の風景再現を目指しレイアウトを製作中です。映像・画像を交えながら、製作記に加え、随想や旅行記も発信します。2016年9月より延伸線建設に着手しました。

宙に浮いた鉄橋

筆者が見慣れた鉄道風景について、最近気になる話を耳にしたので紹介します。

中央本線旧立場川橋梁です、新宿へ向かう際いつも車窓から眺めた風景です。 ボルチモアトラス形式の鉄橋で、1980年複線化による新橋完成まで使われていました。 廃止後36年、現在は国鉄から無償譲渡を受けた富士見町所有になっています。

構造が見えるアングルです。 長い縦柱筋交い部が短い縦柱を支えています、鉄橋下部材は意外と細く華奢です、荷重を分散支持する設計だと思われます。 長い縦柱に設置された点検用ラダーは、見ただけで足がすくみそうです。

1980年以降は少し下流の複線コンクリート橋が使われており、諏訪へ転居以降この橋上から眺めていました、一番左スパン奥に旧橋が見えています。 1966年夏の八ヶ岳山行時に、新宿23:45発鈍行に乗り早朝旧橋を渡っているはずですが、記憶はありません。

気になる話とは、老朽化により明治の文化遺産(1904年完成)として保存か撤去か議論が続き、結論が出ずに扱いが宙に浮いている事です。 『風立ちぬ』の舞台、富士見高原病院近傍で、スタジオジブリ同名アニメには、この鉄橋が背景として描かれています。

土手を登り立入禁止柵のすき間から覗いた橋梁上部です、単線ですが両側に通路があり、架線柱幅が複線近くあります。 ご覧の様に線路だった場所は植物に覆われています。 鉄橋が獣道になっている様子で、かたわらに害獣駆除用捕穫機が仕掛けてありました。

保存には撤去の10倍以上の費用がかかるそうですが、均整の取れた美しい姿の鉄橋が、残ってくれる事を願っています。

40年前、雑誌大量処分の際に作成したスクラップブックにあった一枚、電化前の立場川橋梁です、昭和30年代末と思われますが、出典は定かでありません。 D51列車が軽快に峠を下ってゆく姿で、トラス形状は異なりますが露太本線峡谷鉄橋の原風景です。


ではまた。

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